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恩師を探して-2


こんにちは。自称「氣功美容師」あきです。

パート2 続きです。

数年ぶりに訪ねて


実は2日前から気になりながら、やっと先生のお宅を訪ねる事が出来た。ただ、事前に電話をと、掛けてみると

「現在使われておりません。番号をお確かめになっておかけ直し下さい。」

と何とも冷ややかなメッセージが聞こえて来たのです。

マンションの郵便受けを探し、宛名を見ると知らない人の名前…
10階までエレベーターで上がり、思い出のある馴染みの廊下を歩き、部屋の前に立ち止まり…
そこには知らない人の苗字が…


心温まる


不安が過り1階に降り、そこにいらした杖をついて義足だとおっしゃるおじいさんに尋ねました。

とても親切なその方は、そこに置いてあるスチール椅子を広げ、ゆっくりすわりながら「そんなことなら、ここの大元の管理会社の電話番号教えるから、うまく話しなさいよ。個人情報だからね。上手にね。」
なんと暖かい。ご自身が不自由なのに、私の為に時間と体を使って下さった。本当に暖かい気持ちになりました。

しかし、管理会社の電話も期待通りと言うか、期待に反してと言うか。電話口の男性はとても申し訳無さそうな声色で。個人情報は教える訳には行かないと…。

次に、電話を切った時にエレベーター前にいらした70代くらいの上品な奥様に「申し訳ありません、加羽澤さまはどちらにいらしたか、ご存知でしょうか」と、尋ねてみた。

「お名前がないのは、引っ越されたのでは?ここで車椅子の奥様と、どなたかと会話してた事があったわ。背の高い方でしょ?」
まさに!「そうです!そうです!その方です!」
「隣の棟でダンスをされていたのを見た事があるわ。」
「そうすか!そうですか、ダンスを?」
「ええ。奥さんが確かずいぶん前に亡くなった方でしょ?」
「えっ、亡くなったのですか?私、その奥さんの方の教え子なんです!…」

「… ご主人は隣の棟に移ったのでは無いかしら?ご案内するから行かれて見ては…」
「とっ、隣にいらっしゃるのですか?行ってみます!」
「そこでお名前探されてみては?」
「はい!行ってみます!」


ハグしたかった


ああ、私はこの何年間、何もしていなかった。連絡も…
自分の体調とコロナとそれを理由にしていたかもしれない…

優しく小さな力無い手で、私の手を握ってくれた。ハグしたかった。
あの時出来なかったハグを、再会したらしようと思っていた。


ごめんなさい


郵便受けは、名前も書いていないものが多くわからない…

ごめんなさい。

「加羽澤さまへ
敦賀です。大変ご無沙汰しています。訪ねて来ました。
090-0000-0000」

メモを書き残し、マンションの掲示板に画鋲で貼り付けて来た。







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当麻秘境の美容室【かみごとの森】あき
生きること。身近なことの大切さ。それが環境、地球、私達と未来を守ること。そんな意識に繋がるよう発信していきたいと思います。応援ありがとうございます!