トーマス・エジソンの苦悩。

1879年、白熱電球を発明したトーマス・エジソン(1847年-1931年)。しかし彼には悩みがあった。木綿糸を素焼きにしたフィラメントは耐久時間が短く、連続使用するとせいぜい40時間しかもたなかったのだ。他の思いつく限りの材料で試してみたが、うまくいかない。そこで、たまたま机上にあった扇子の竹を使ってみると、電球は200時間も灯り続けた。その後、エジソンはより優れた竹を求めて20人の調査員を世界中へ派遣。当時のお金で10万ドルを注ぎ込んで、全世界から約1千2百種の竹を集めた。

その中には、日本へ赴いた調査員が京都郊外の八幡の竹で採集した竹も混じっていた。これを試すと、電球は2千4百時間以上も輝き、白熱電球の実用化の道がようやく拓けた。以後、八幡の竹は1894年までエジソン電灯会社へ続々と輸出され、何百万もの白熱電球が製造された。おかげで、世界中に科学文明の明かりが届いた。

#エジソン #白熱電球 #フィラメント

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