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出力制御続きで苦しい太陽光発電事業・九州管内

ー ハイライト ー
・九州では出力制御が2022年と比べ明らかに多い年になっている

低圧10kWクラスでは、25万円/月 → 15万円/月まで減収の声も
減収や出力制御が増えた理由について他事業者からの相談も多い

■ いま、なぜ騒ぎ出したのか?

制御が多いことは分かっていたけど、4月の売電明細が届き始めた頃から「売電収入が減った?!」と声を聞くようになりました。
あまりの減収に発電所が壊れているんじゃ?と 慌てる人も多いと聞きます。

ほとんどが、売電収入からローン返済などを賄っているので、減収は事業自体の継続に危機感を覚えるものになります。

私が従事する太陽光発電所でも
・前年同月比で▲40%減収
・2023年4,5月は31日の出力制御を確認
という感じです。

ここまで出力制御が増えた原因は出力制御を実施しない
”オフライン発電所の身代わり"になる「代理制御」によるものです。

■ 出力制御の何が変わったのか?

2022年12月より、オンラインの出力制御は
・本来制御:旧ルール30日上限付、新ルールは無制限
・代理制御:オフラインの身代わり制御
の2つ制御になりました。以下にまとめます。

オンライン制御(本来・代理)の影響調査
オンライン制御(本来・代理)の経緯と仕組み

一番の驚きが、制御回数が1日1カウントではなく「0.1日~の刻み」になったこと。
旧ルールの上限は30日ですが、もう30日以上抑制されていると感じる方も
多く、従事している太陽光発電所は
 ・4月5月の制御回数の合計は31日
 ・九州電力送配電の制御回数で計算すると「16.8日」になってしまう
 ・あと14日相当の出力制御が待っている計算になる・・。

旧ルール組にとっても、恐ろしい事になっています。

約束上、2ヶ月後には必ず代理制御分の収入がありますが、発電の機会損失のうち十数%にしかならない様子です。
元通りの金額が遅れて入ってくる訳では無さそうです。

また、オフラインで運営している発電所は、止まっていないのに
最大▲30%近い減収になっている様子です。

■ 対策はあるのか?

まず、オフライン発電所はオンラン制御への切替を進めてください。
発電量=売電収入に繋がらないのが明確になったと思います。

オンラン組が取るべき対策・・・とまでは行きませんが
少しでも売電量を稼ぐ方法では
日の出のパワコン(PCS)の立ち上がりを早くする
パネル清掃や日陰の除去など

出力を最大化する術を、今は徹底して実行していきましょう。

■ パネル増設は出来るのか?(やめましょう)

稼働中の太陽光発電所に後付でパネル増設するとFIT単価が下落します。
追加した時点でのFIT価格が適用される事後的過積載に該当しますので、現在の設備容量で頑張るしか有りません。

■ お知らせ

太陽光発電事業に従事して7年余りが経ちました。色々と興味を持って相談される方も増えてくる中で、アウトプットが上手に出来ていない自分がいます。
従事して経験したこと、業界に関すること等を積極的に発信していきます。
どうぞ、よろしくお願いします。

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