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優しく強い、クリエイター魂
Z世代は、テレビ見ないらしいよ
動画見る時は2倍速で見るらしいよ
と言われて久しいですが、「よく分からんYouTuberのドッキリハプニング企画見るよりテレビの方がおもろいだろ」と思っていたテレビっ子の私も、ここ一年、二年、コロナ禍の在宅時間にYouTubeを見るようになりました。
もともとは、昔テレビでやっていたガチンコが好きだったことがあって、なんかのきっかけでボクシングの竹原さんがYouTubeをやっていることを知り、彼のチャンネルを見てたのですが、
そこから派生して格闘技系のYouTubeを見るようになり、
そうしたら、マンガの刃牙(バキ)で見るような技が本当に使えるという「達人」に出会い
バキ(連載30周年無料公開中※2023年7月2日現在)
総合格闘技 矢地祐介×ジークンドー 石井東吾
総合格闘技 矢地祐介×躰道 中野哲爾
合気道 白川竜次 × 零距離戦闘術 稲川義貴
システマ 北川貴英×影武流 雨宮宏樹
武術格闘家 菊野克紀×椅子軸 西山創
達人の皆さんに言えることは、その誰もが「謙虚さ」「穏やかさ」「滲み出る力強さ」があるということで
(以前はそんな交流してなかったということですが)こういったYouTubeの活動がきっかけで、皆さん、他の武術家との交流も増えたそうで、「うちに秘めた狂気」がバレてる方もいますが(笑)、「本当に強い人は優しいのだ」ということがすごくよくわかります。
*
さて。
そんな、「優しいYouTuber」で思い浮かぶのが、水彩画家のしばさきさんです。
出会いは、ちょうど1年前、俳優の杏さんとのコラボがニュースになっていて、その活動を知ることになりました。
もともと私自身が、「体一つで〜」とか、「ペン一本で〜」生きている人に強いあこがれがあり(格闘技がスキなのもそう)
もう、ドはまりしてしまいました。
コラボ動画を紹介する記事を見ると、もともと、芸術学科を卒業後、講談社の絵画通信教育講座でそのノウハウを学び、また、文化庁派遣在外研究員として留学した経歴とあって、その技術は確かで、
魔法のように絵が浮き出てくるそのテクニック
デジタルにもチャレンジ(YouTubeも一人で撮影されているそう)
そして何よりも、この、「添削」シリーズのフィードバック
自分のタッチを押し付けるのではなく、
「ここは木があるんだね」
と、元の作者の意図を十分に読み取りながら、
「ここの表現は上手だな〜」
と、いいところを探し
「もっとこうしたらいいんじゃないかな」
「参考にしてみてくださいね」
と、添削していきます。
*
こんにちはシバサキですよ
お元気ですか
シバサキも、今日も元気に絵を書いてますよ
動画は、いつも、そんなセリフから始まりますので、
「いやー、ポジティブで、元気なおじいちゃんだなー」
くらいに思っていたのですが、
ふと、私がチャンネル登録した1年前よりももっと過去の動画には、その冒頭のセリフが無いことに気づきました。(シバサキさんは、2017年からYouTubeで活動されてます。。。すごい)
なんとなく、なんとなーく
「これは、誰かへのメッセージなのかな?」と思って、過去の動画を並べて見ると、以下の動画を発見しました。
そこには、人気YouTuberになったからこその苦悩が詰め込まれていました。
2019/09/25
冒頭の真剣な顔つきは、私のイメージする、「いつも元気なおじいちゃん」ではありません。
「現在の登録者数にくらべて、動画の再生数が少ないこと」が気になり
「自分のしていることが皆さんに届いているのか」と、非常に真剣に、悩まれている様子がここにありました。
「みなさんが、登録しても動画を見なくなったのはなぜか」
「自分のアップしている動画が役に立っていないのか」
「ぜひ、皆さんがどう考えて動画を見ているか、教えてほしい」
「その内容を受け取って、今後の活動を考えていく」
70歳を超えた大先輩が、真剣に悩み、「教えてください、お願いします」と頭を下げるのです。
なんというクリエイター魂
「自分の作品(に込めた想い)をちゃんと届けたい」という熱い気持ちがありました。
「ね、こうすると上手でしょう」と、気さくに話すその言葉にのせた気持ちは、真剣に、「絵を描くことの楽しさを伝えたい」「上達する助けをしたい」ということなのだと。
シバサキさんの生きた70年余りの集大成が、このYouTuberとしての表現に詰まっているんだと、胸が熱く、また、苦しくなりました。
その約一ヶ月後、動画がアップされます。
2019/10/19
そこには、もう、悩みを抱えたシバサキさんはいませんでした。
「自分は数字にとらわれていた」
「”今これを見ているあなた”に届けるためにやっていたのだった」
と、ご自身を振り返り、反省の旨を話されるのです。
最近の動画に入っている冒頭の「お元気ですか」の挨拶には、そんな「あなた」に対するメッセージが込められているんだと、思います。
*
そうそう。
こういうのって、絵を描くことや、音楽を奏でることだけじゃなくて。
なんでもそうで。
仕事でも恋愛でも。
自分のことって、周りから誤解されることもあるし、誰も自分に興味ないのかって、ネガティブに考えてしまうときってあるんですよね。
「だからこそ、発信を続ける必要があるんだ」という事も言えるし、
「もしかしたら誰にも届かないかもしれないけど、誰か一人にだけでも届けばいいな」ということも言えると思うし、
これは、もう、つまり、クリエイティブ活動だと思うのですよ。
シバサキさんが、本心からお話をされた動画で
人生の大先輩が、その気持ちに、真正面から向き合う姿勢を見て
また、それを受け止める視聴者たちのコメントを見て
そういった流れを、(おそらく、振り返ると、恥ずかしいものですらあろうことなのに)削除されずに残していることを見て
改めて、その優しさに、私自身が救われ
また、初心を思い出し、熱く、温かい気持ちになりました。
*
もともと絵を書くのがスキな我が家の娘(8歳)が、「このおじいちゃんニコニコしてる、、、、」と、つぶやいたかとおもうと、急に椅子を持ち出しテレビの前に座り、スマホのお絵かきアプリを開きながら、犬の描き方を習い始める様子。
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(汚い家ですみません。「彼女らの大作は壁に貼ってます」っていうのを入れたくて。笑)
人から注意(指摘)されるのが極端に嫌いな我が家の娘です。
シバサキさんの、その優しさが、「にじみ出るホンモノの証」と感じています。
それは、まさに、達人の皆さんに言えることである、「謙虚さ」「穏やかさ」「滲み出る力強さ」であるのだと思います。
親子で椅子を並べて、お手本通りに描いた絵
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もっと練習します!
あ、ちなみに、本記事の冒頭のりんごとバナナは、AI生成です。
AI先生、うますぎ。