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防災キャンプ体験記
朝晩、やっと涼しさを感じるようになった10月の土日に、家族4人(夫、妻、長女8歳、次女4歳)で「防災キャンプ」をやってみた!その記録を(久々の!)記事にまとめてみようと思う。
防災キャンプとは?
地震や台風などでライフラインが断たれた場合に、在宅避難を想定して自宅で過ごす練習のこと。【災害時の在宅避難練習】がより正しい表現かもしれないが、子ども達にも分かりやすい表現がいいと思って"キャンプ"という言葉を選んでみた。
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きっかけ
9月の連休に、家族旅行で石川県を訪れた。金沢市と、金沢市から北へ30分ほどのかほく市へ。能登半島地震で被災地となった能登町や輪島市までは日程的に足をのばすのは難しく、金沢観光と、かほく市に住む夫の同僚家族に会うことが目的だった。だが、最終日に震災を直に感じる体験をしてしまった。かほく市の南には「河北潟」という潟湖がある。その周辺エリアは干拓により陸地化されたため、頑丈とは言えない地盤から能登半島地震の影響を大いに受けていた。同僚家族の案内で被害を受けた集落を目の当たりにし、「明日は我が身だ・・・」とショックを受けたことは記憶に新しい。静岡への帰路もそのことが頭から離れず、スマホで災害対策関連の記事を読み漁った。そして、「そうだ、防災キャンプをやってみよう!」と今回の企画に行き着いた。同じくショックを受けていた夫も、難なく巻き込めた。
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キャンプ予告と準備
子ども達には、石川県から戻ってすぐのタイミングで「こんどお家で、電気もガスも水道も使わないキャンプをやってみよう。石川県で見たでしょう?地震が来た時の生活を練習しよう」と予告。娘たちの反応は悪くなかった気がする。我が家は小さな賃貸マンションで、かたい地盤の上に建っている。おそらく、南海トラフが来た際も、周囲に火災などがない限りは在宅避難の可能性が大きい。いっちょやってみよう!と準備を進めた。
そして、当日!
第一回【防災キャンプ】は、土曜の夕方17:30〜翌9:30の開催に決めた。はじめは24時間以内の小さなステップで。夕方17:30にあの国民的ドラえもんのアニメが終わった瞬間、テレビを消して、「それでは今から防災キャンプをはじめまーす!」と宣言。小3の長女は、不便な生活が待っていることを勘づいてしまい、「私はフツーに過ごすからね!」と拒否モードになっていた。その気持ちは分からなくないぞ。でも、実際に地震が来た時も、そうやって事実を受け入れられないまま避難生活が始まるだろうから、まさに良い反応。良いスタートを切った。
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楽しみながら、ね
キャンプ始めに、家じゅうの電気のスイッチや水道に「×」マークを貼っていった。4歳の次女にも分かるように、記号で。遊び感覚だったようで2人も楽しそう。ほどなく夕飯の時間となり、夫がガスコンロを取り出してきて、水&小麦粉という、災害時にも調理しやすい組み合わせでネギ焼きを作ってくれ、いざ食べようとしたら、子どもたちが手を洗っていないことに気がつく。ふだん何気なく使っている水道が断水すると手も洗えない。子育て中の家庭は、衛生面にハードルがありそう。ポリタンクに汲んだ水で手を洗う練習をして、訓練もちょっと実践的になってきた。
サラダを食べながらの気づき
前述のねぎ焼きをつつきつつ、隣の野菜サラダを見て「野菜って地震が来ると食べられないよね?」と長女。そうなんだよ、避難中は野菜不足確定だ。私の父が、実家の猫の額ほどの家庭菜園で野菜を作っているが、少しでも自給自足できると心強い。…ってハードルが高い話か。あとは、毎週末に野菜のピクルスを漬けておくとか?アイデアは色々出てきそう。
ノーメディア、そして早い就寝
電気が使えないと、テレビも観れない生活なので、テレビ大好き娘たちは「やることがない〜!」を連発していた。久しぶりにマグフォーマーをやってみたり、レゴも出してみたり、折り紙を折ってみたり、私の誘いに乗って部屋を掃除してみたり。しまいに長女は、「やることがないから、くもんでもやろうかな?」とくもんをやり始めたではないか?!(何たること・笑)
そして、やることがないので、娘たちは21時頃に寝てしまった。
娘たちが寝静まった後、夫とお酒を飲みながら、「この生活、悪くないよね。むしろいいかも」と話していた。感覚で言うと、旅行の夜にホテルの部屋で過ごす感じ?あえてテレビをつけるのも時間が勿体ないし、その日を振り返ったり、色んなことを話したり、大事なことに時間を使う感じ。いつもと同じ家にいるのに、そんな感覚になれたのは、すごいぞ。防災キャンプ。
振り返りと今後
防災キャンプを小さくスタートしたこと自体は大成功だった。都度、気がついたことを特大ポストイットに書いていったのも良かった。(さすが人事コンサルの夫、家にあるものが違う・笑)
今後の対策
・買い出し(電池、食料品、懐中電灯、防臭袋など)
・体を清潔に保てるグッズとしくみ ※同時に、過度な清潔さに慣れすぎない(お風呂数日入らなくても平気!くらい)
・髪の毛は長くしすぎない(ドライヤー使えない)
・防臭対策(生ゴミ、汚物の臭いが夏場は相当キツそう)
・玄関のカードキーの停電時の対策(手動にできないとセキュリティゼロ・・・)
などなど
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何かしらの気づきが得られルカと請け合いの防災キャンプ。皆さんも、ぜひやってみてくださいね。