
みんなが知らない保険の話
知っておきたい日本の保険のカラクリ:変額、外貨建て、積み立て、養老保険の落とし穴
はじめに
「みんなが知らない保険の話」と題して、日本の保険商品、特に変額保険、外貨建て保険、積み立て保険、養老保険について、その特徴や問題点を具体的な数字を交えながら解説していきたいと思います。
日本の保険商品のコストの高さ
まず、日本の保険商品全体に言えることですが、コストが高いという点が挙げられます。例えば、ある変額保険に加入すると、運用手数料が年間1.5%〜2.5%程度かかることがあります。これに加えて、保険会社が取る管理費用やその他の手数料も含めると、実際に運用に回るお金がかなり減ってしまうんです。
具体例として、月々5万円の保険料を支払った場合、年間で60万円の支出になりますが、手数料が2%かかると、運用に回るのは実質58万8千円程度になります。このように、手数料の影響は非常に大きいのです。
変額保険・外貨建て保険:中途半端な商品性
変額保険や外貨建て保険は、「投資」と「保険」が組み合わさった商品ですが、実際にはどちらも中途半端なことが多いです。
変額保険の保険としての問題点
例えば、月々5万円の保険料を支払った場合、保険料の一部が投資に回るため、純粋な保障額が少なくなります。一般的な掛け捨ての定期保険だと、同じ保険料で1千万円の保障が得られることもありますが、変額保険だと保障額は600万円程度になってしまうこともあります。このように、保障が薄くなってしまうのは大きなデメリットです。
変額保険の運用としての問題点
変額保険は投資信託のように見えますが、実際には選べる運用先が限られています。例えば、運用先が3つ程度しか選べず、それぞれの手数料が1%かかる場合、運用成果が良かったとしても、手数料で持っていかれる分が大きいのです。
仮に運用が5%のリターンを上げたとしても、実際に手元に残るのは3%程度になってしまうことがよくあります。また、外貨建て保険の場合は為替リスクも無視できません。円安になれば得をしますが、例えば1ドル130円から150円に円安になった場合、外貨建て保険のリターンは大きくなりますが、逆に円高になった場合、為替差損が出ることもあるんです。
積み立て保険:効率の悪い貯蓄
積み立て保険は「貯金+保険」と言われることが多いですが、実際には効率が良くないことが多いです。
例えば、月々3万円の積み立て保険に加入した場合、年間で36万円支払いますが、手数料が年間で15%かかると、実際に運用に回るのは30万6千円程度になってしまいます。途中で解約すると元本割れが多く、例えば10年後に解約した場合、払ったお金が300万円なのに対して、受け取れる額が270万円程度になることも珍しくありません。
養老保険:利回りの低さ
養老保険は一定期間後に満期保険金がもらえる「保険+貯蓄」の商品ですが、利回りが非常に低いのが現実です。
たとえば、満期保険金が1千万円の養老保険に加入した場合、保険料が月々8万円の場合、20年間で1920万円支払うことになります。しかし、満期時の利回りが1%と仮定すると、実際に受け取れるのは満期保険金の1千万円だけで、利息はほとんど期待できないという結果に。かつては金利が高い時代に人気がありましたが、現在の低金利では魅力が薄れてしまっています。
保険商品の「運用の中身」の不透明さ
さらに、日本の保険商品の多くには「運用の中身」が不透明という問題もあります。例えば、どんな資産にどれくらい投資しているのか、明確に分からないことが多いです。投資信託では運用先が公開されていますが、保険商品の場合、詳細が見えづらく、実際には思ったよりも利益が出ないことが多いのです。「なんとなく安心そう」と思って加入してしまうと、結果的に損をする可能性が高いんです。
結論:保険と運用は分けて考える
結論としては、保険と運用は分けて考えた方がいいということです。保険は保障のため、運用は資産形成のために目的をしっかり分けることが基本です。
例えば、保険はシンプルな掛け捨て型にして、運用は自分で投資信託やETFを選んで行う方が、コストも抑えられ、リターンも期待できます。「保険で運用」という商品は、実は保険会社が利益を得やすいように設計されていることが多いので、冷静に考えて避けた方が良いケースが多いんですよ。
最後に
今回は、保険についてのちょっとした知識をお届けしました。皆さんが保険を選ぶときに、少しでも役立てていただければ嬉しいです。