可愛いよ田端さん「ブスに花束を」
不遇な女子が、素敵な王子様に愛される――――
夢のようなシチュエーション、少女漫画の王道。
古くは落窪物語(注1)にも観られる、シンデレラストーリーと呼ばれている設定です。
(注1)とっても古い日本の物語だよ!源氏物語より古かったような。
どうやらこの設定古来から人類が大好きなようですね。人類の乙女が好きなのかな?ちょっと調べたらギリシャの歴史家ストラボンって言う人が紀元前1世紀とかにもそんなような物語書いてるってさ。
このストラボンって人に教えてあげたい。
不遇女子が王子様に見初められる系物語…あなたが執筆した数年後の現代も書かれてるし、めっちゃ人気ですよ……って。
わたくし昔は現役の少女時代には少女漫画とか恋愛漫画とかあんまり読まなかったのですが、大人になったら読むようになりました。
高校生くらいの頃まで、少女漫画の中で展開される恋愛が現実で見聞きする恋愛とかけ離れすぎていたのと、優しい男子に出会ったことが無かったのでドラゴンボール以上にファンタジーだと思っていたのです。
しかし35超えてから高校生たちの少女恋愛漫画を読むのが大好きになりました。泣いたり感動したりしています。
そんな中で気になったのが「ブスに花束を」
ヤングエース連載のようで少女漫画とくくっていいのかわからないけど高校生のシンデレラストーリーです。
それで何で気になったかって言うとですね。
前述した、自分が高校生の頃、少女恋愛シンデレラストーリーを読めなかった理由のひとつに、「ふつうの女子高生が学校イチの王子に好かれる」の「ふつうの女子高生」キャラデザにやや納得できなかったのもあるんです。なぜならたいてい「ふつう以上に可愛いしスタイルも良い(細い)」
主人公可愛いから、そりゃ王子に好かれるの別に疑問じゃないよな、と思っていました。シンデレラもオシャレさせてもらえなかっただけで、美人ですしね。
あと高校生時代って細い女子至上主義みたいな考えに取りつかれていたので、だいたい「可愛くない」と設定されている子もたいていキャラデザが「極細」だったんです。だから「華奢だし可愛い」のにモテないの何かおかしくないか
ね、と思っていました。
そこで、「ブスに花束を」なんですが、主人公の不遇理由はまぁ「ブス」ってことなのですが、主人公田端さんのデザインが非常にシンプルな顔立ちで、やや太めの体形に描かれている。これは事件です。
すごいことです。だいたい、漫画において体形の描き分けってすごく難しい技術なんじゃないかなぁって想像しているのですが、主人公田端さんはしっかりとやや太め。この漫画に出てくる女子キャラ10人並べて首から下を描いてもらってもどれが田端さんかいっぱつでわかります。
スカートから見える足の感じがやや太女子のリアル足。
しっかりとキャラデザで「田端さんはブスなんですよ」と言うのが表現されているのです。そんな田端さんですが、面白いし優しいし性格も素敵なので王子様の上野君と良い感じになっていくわけなのです。
「ブスに花束を」っていうタイトルも思い切りが良くて好きです。タイトルとか、田端さんが自分をブスって思いすぎてるのとか、それでやや卑屈な考え方しちゃうとか、田端さんを見ていると、どうか上野君と一緒に幸せになってほしいなぁと思わずにはいられないのです。
「相手が自分を好きかな?どうかな?」「いまって手つないで良いのかな⁉」ってことに悩まなくなって20年以上経ってきた人たち!読んでね!
何年前かに読んだややBUSUって漫画も面白かったな……