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体験できる日本の魅力。淡路人形座の伝統と革新に触れた1日

こんにちは!トラベルライターのめぐみです。

旅の計画を立てるとき、何を優先していますか?キレイな景色、美味しいごはん…気がつけば、“似たような思い出"ばかりになっていませんか?

今回のテーマは「日本再発見の旅」

ということで、日本が誇る「伝統芸能」を体験できる旅をご紹介します!なぜならつい最近、淡路人形浄瑠璃を体験し、それが意外にも(失礼)面白かったから。

伝統芸能かぁ、
なんか古くさい…。
どうせ見てもよくわかんないし…。

お気持ちはよ~く分かります。でも、まだ体験したことがないという方にはぜひ一度、「淡路人形座」を訪れてみてほしい!きっと、そのイメージがガラッと変わるはず。そして、あなたの旅の特別な1ページになることでしょう。


淡路島が誇る伝統芸能、人形浄瑠璃とは?

本題の前にまず、人形浄瑠璃について簡単にご紹介。

物語を語る「太夫(たゆう)」、音を奏でる「三味線」、人形を操る「人形遣い」。この3つが合わさった総合芸能を人形浄瑠璃といいます。

もともとは豊作や豊漁を神様に祈り、感謝するための人形芝居が始まり。それが徐々に広がり、娯楽として親しまれるようになりました。

なんと500年以上もの歴史を誇る伝統芸能で、国の重要無形民俗文化財にも指定されています。そんなはるか昔の芸能を今も見ることができるなんて驚きですね。

淡路人形座はこんなところ

全盛期には淡路島だけで40以上の人形座があったそうですが、時代とともに消滅の危機に…。そんな淡路人形浄瑠璃を救うため、1964年に誕生したのが淡路人形座。そう、ちょど今年で60周年なんです。

南あわじ市「道の駅福良」のすぐ目の前にあり、独特なカタチが特徴の建物。有名な建築家・遠藤秀平氏の設計で、曲線美を活かしたひょうたん型をしています。上から見ると、人形の頭の部分に見えるようなデザインになっているのだそう。

説明はこのくらいにして、早速中へ入っていきましょう!ここからは、私の体験レポートをお届けします!

いざ!初めての人形座体験

公演内容は時期や時間帯によって異なりますが、私が選んだのは舞台裏が見学できるバックステージツアーと戎(えびす)舞いの演目。

初めに、舞台を楽しむためのルールや、お芝居のあらすじなども説明してくれるので、予備知識がなくても安心して楽しめます。

1.バックステージツアー

年に数回の特別公演として実施していたこのツアー。コロナ禍で客足が減る中、少人数だからこそ喜んでもらえる企画をと、通常公演として始めたそう。舞台裏の様子や、小道具、仕掛け装置などを見ることができます。座員さん(演者の方)に質問すれば色々なお話も聞けますよ。

人形の頭の制作過程(一番左の丸太から右の頭が誕生します!)

頭に使われているのは桐材。ヒノキの方が頑丈で虫にも喰われにくいのですが、淡路人形は頭が大きくて重たくなってしまうため、軽い桐を使っているのだとか。なるほど~。

頭の中はこんな感じ。この仕掛けが豊かな表情を生んでいるんですね。

舞台の上にあがって、人形遣いの方が演じる際に履く高下駄の高さを体感。けっこうな高さがありました。

舞台から見た客席。提灯が醸し出す雰囲気に気分も上がります。

バックステージ見学の次は、いよいよお芝居の上演です!

2.戎(えびす)舞い

人形遣いの息がピッタリ合わさり、人形がまるで生きているよう

戎(えびす)舞いとは、福の神である戎様が、お酒を飲み、太鼓のリズムに合わせて踊りながら、皆の幸せを祈るというもの。おおらかな心を持ち、えびす顔でプラス思考に生きよう、という想いが込められています。

単純明快で、講演時間10分ほどの短いストーリー。
戎様(”えべっさん”の愛称で親しまれている)がイキイキと舞う姿は、なんだか可愛らしくもあります。

この1体の人形を動かすのに、なんと3人がかり!頭・右手・胴体を操る主遣い(おもづかい)、左手を操る左遣い、両足を操る足遣い に分かれています。この3人の息の合った技が人形を絶妙に操り、流れるような目線としなやかなでダイナミックな動きを生み出しています。

後から座員の方に伺ったのですが、「足遣いの習得に7~8年、次の左遣いにも7~8年、主遣いは一生の勉強」と言われているそう(!)まさに一生をかけて向き合うお仕事なんですね。

最後にえべっさんと記念撮影。お福わけをいただきました!

3.人形を動かしてみる!

ステージ終了後は、実際に人形を動かすチャレンジができます。実はここ、少し前まではただの待合室だったのですが、「もっと伝統芸能に親しんでもらいたい」との想いで体験スペースを設けたそうです。

座員さんに足遣いを褒められ調子に乗っている図

人形遣いは、大人になるほど頭が固くなってしまい、うまく出来ないそう。褒められた私はまだまだ頭が若いってことかしら?(すみません)

足遣いの修行だけで7~8年と聞いて驚愕。人形も思わず泣いています。
子どもたちが去ったあと、大人げなく熱心に練習する筆者

人形は想像以上に重たくて、持っているだけでも腕が辛かったです。そして当然ですが、ステージで見たような美しくなめらかな動きは再現できず…。短いストーリーの中にも、座員の方々の日々の精進の結晶が凝縮されているのだなぁと実感できました。

伝統を守るだけじゃない!人形ダンスで未来へつなぐ

TikTokで人形ダンス動画が大人気

そんな魅力の詰まった人形座ですが、知名度や人気はなかなか上がらず。そこで始めたのが、この人形ダンス。流行の曲に合わせてえべっさんがリズミカルに踊る様子はなかなか衝撃的!ダンスは今どきでも、人形浄瑠璃の動きの約束事を守っているからこそ出来るパフォーマンスなのだそう。

TikTok にダンス動画をアップしたことで徐々に人気に火がつき、今ではその動画を見てわざわざ遠方から足を運んでくれるお客さんや、海外からのメッセージも増えてきたとのこと。人気歌手Adoの『唱』に合わせたダンス動画は、なんと170万再生超え!(2024.5.1現在)

TikTok : 淡路人形座【公式】 (@awajiningyoza) | TikTok
Instagram :淡路人形座【公式】
https://www.instagram.com/awaji_ningyoza?utm_source=ig_web_button_share_sheet&igsh=ZDNlZDc0MzIxNw==

最初は、伝統芸能がそんなことをするなんて!と批判もあったそうですが、「僕、バカなんで。バカなことしたいんです(笑)」と座員の方は明るく話してくださいました。伝統を守るだけでなく新しいことにもチャレンジし、それを楽しそうにお話しされる姿に、こちらまで元気を頂きました!

福の神、えべっさんのご利益…?

余談ですが、戎舞いを鑑賞した翌日、早くもえべっさんのご利益が…!?

淡路島のカフェ 日月長(hitukinagaku)

プリンが人気のカフェで「プリンガチャ」なるものを発見。当たるとプリンが1つ無料になるとのこと。旅の記念に、と試してみたら…

なんと大当たり!!このガチャの中に1つしか入っていないとか…!

当たったプリン
神社で観光PRのお仕事中のえべっさんに再会

なんとさらにその翌日、神社でえべっさんに偶然再会!プリンのお礼も伝えられました(笑)

楽しむことで伝統を伝える

現在は人形座を中心に、国内外での公演や学校での出前講座なども行っているそう。伝統を守り未来へと伝えていくために様々な取り組みをされています。私たちはそれを楽しむことで、日本の文化を守る一助になれるのではないでしょうか。

伝統芸能は難しそう…と食わず嫌いせず、ぜひ一度足を運んでみませんか?きっと、いつもの旅がいっそう思い出深いものになるはずです。

あなたにも、えべっさんのご利益がありますように…。


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