見出し画像

東海道新幹線停電事故の原因を無責任に考える。

少々時間が経ってしまいましたが、2022年12月18日に発生した東海道新幹線停電事故の原因を無責任に探ってみようと思います。
なお、この記事はニュースなどの断片的な情報を元にしたものなので、お門違いな可能性がありますから、その辺を理解した上で読んでください。

新幹線は架線から交流25,000ボルトの電気を受けて動いています。
交流は異なる位相の電気をつなぐことはできないので、通常交流区間のエアーセクションでは、両方の架線に同じ電圧・位相の電流が来ています。

しかし、変電所ごとでは位相が異なる(電圧にも誤差がある)ため、変電所の切り替えには必然的に無加圧区間が必要になります。
*新幹線の変電所は60㎞前後の間隔で設置されています。
しかし、無加圧区間には電流が流れないため、力行したままセクションを通過することができません。
しかし、新幹線は一瞬たりとも力行を切らずに走行を続けたい事から、車両が力行した状態のままで変電所を切り替える事ができるようになっています。
これが切替セクションです。

A変電所から送電

上図の場合、左から4番目のセクションの左側までA変電所から送電されています。

B変電所から送電

左から3つ目と4つ目のセクション内に編成すべてが入った状態で中央の左側のスイッチをオフ、直後に右側のスイッチをオンにします。
すると3つ目のセクションの右側までB変電所から送電されます。

この間、約0.3秒。
一瞬電流が途絶え衝動が発生しますが、運転士はノッチアップしたまま運転を継続できます。
*実際の運転ではその衝動を嫌って、切替セクション内では惰行運転しているそうです。

プレスリリースでは、エアーセクションでのハンガーの損傷により、隣接するちょう架線にトロリー線が接触、短絡が発生し架線切断に至ったとなっています。

しかし、冒頭で述べたように、交流区間のエアーセクションの2本の架線の電位と位相は基本的に同じです。
したがって、エアーセクション内の隣接する架線同士が接触してもトロリー線は溶断しないはずですが、今回は切れた。

つまり、2本の架線の間に電位差(位相差)があったと考えるしかない。

新幹線の交流区間で電位差が発生する可能性のあるエアーセクションは、切替セクションの中性区間だけです。(異なる変電所からの電気をつないでしまうので位相も違うため、容易に架線切断となると思われます。)

これまで得られた限られた情報から判断すると、ハンガーが破損した場所は、切替セクションの中性区間内であった可能性が高い。
実際の切替セクションの構造を知らないので推測でしかないが、通常の場所より構造が複雑だったため復旧に時間がかかったのではないか思います。

以上、東海道新幹線停電事故の原因について無責任に考えてみました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?