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あの扉の向こうに『イキツギ』

あの扉の向こうには


なにかに追われているわけでもなく

胸にポッカリ空いた虚無感がボクを支配した時

人生を閉じる選択が頭をよぎった

本当の自分が分からなくなってきた時

『イキツギ』さえも忘れて苦しんだ

心に残るわだかまりを消すために

ずっと暗い闇に堕ちればいいと考えた

そのときはそれが最良の選択肢に見えた

でもそれは昨日から逃げているだけ

でもそれは明日への裏切りだと教えられた

明日を迎えることの尊さ

明日を選択できることが

ただ当たり前の様に思ってたあの時のボクは

明日を選択できない恐怖を知らなかった

やがて、はじめてみた本当の闇は深くそして何もなく

真っ暗で音の届かない、生物もいない湖の底の様

中身のないガラクタばかり朽ち果てて落ちている

その光景はボクが求めていたモノとは違っていた

急いで水面に上がって『イキツギ』をしなきゃ

このまま潜っていたら、ずっと深い闇の中だ

やっとの想いで『イキツギ』した時

誰かの手がボクを掴み死海より抄いあげた

『おかえりなさい』と心地よい誰かの声がきこえた

辺り一面が光に包まれ、ボクはベッドにいた

『ただいま』ボクは目を覚ました

そうして、次の朝を迎える

そんな『昨日から醒めた夢』の様な物語。。

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