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【読書日記R7】2/15 HappyValentine!

遅ればせながら皆様がそれぞれのHAPPYと共にありますように。

ひと粒のチョコレートに 絵 Junaida / 文 佐藤清隆 福音館書店

銀紙をむいたようなカバーも好き

<お菓子の王様>が戴冠するまで一万年。
カカオに含まれる油の不思議な性質、それは25度以下では固く結晶し、それを超えると柔らかく溶けるということ。
25℃、つまり人肌に近い温度です。
口の中でやわらかく溶け、カカオの油がつつみこんでいる砂糖やミルクが一体となって甘味と苦みを味わえる、魅惑のお菓子となるのです。

カカオの油は「赤ちゃんカカオのお乳」なのだそうです。

本書は、熱帯生まれのカカオに人が出会ってから、今のような形になるまでの気の遠くなるような営みをわかりやすい絵と文章で教えてくれます。

そのままだとにがーいカカオ。口触りが良いようにカカオ豆と油とミルクと砂糖を融合させる工夫
チョコレートは人類の歴史と共にある

一万年の歳月をかけて<自然の持つ力と人の技術が合わさった奇跡のような結晶>なのです。
口に入れる一粒のチョコが実に尊く感じます

そして、もう一冊。

とっておきの日曜日 vol.5チョコレートの魔法/津田 直美 (著)/日本ヴォーグ社

心を生き返らせる愛のひとつぶ。

1996年出版なのですが、ずっと大事にしているおいしくたのしいチョコレート絵本です。

もし誰かが、ちょっと悲しい時や元気のない時にちょっぴりHAPPYな気持ちにしてあげたいと思ったら、とにかくひとつぶチョコレート!!

それが<チョコレートの魔法>

チョコレートの印象的な映画、チョコチップクッキーやチョコフォンデュなどの作り方、キスチョコっぽい毛糸の帽子の編み方等々を網羅して、駄菓子系から高級御用達までとりどりの実在するチョコレートのイラストに溢れたチョコレートの幸せがぎゅっとつまった一冊です。

チョコレートは映画でも活躍するらしい(あまり詳しくない)
チョコチップクッキーは、米国では<おふくろの味>らしいですね。スヌーピーも大好き

そして、最後に「雨ニモマケテ 風ニモマケテ」という一文が好き。

チョコレートのようなひとは、きっとすてきなひと

ほんの一かけのチョコレートのようにささやかにでも人を幸せにできるような人間になれたらいいなあ

私もかくありたい

チョコレートには、<幸せの魔法>が満ちている。
アステカ族はカカオを<テオブロマ=神様の食べ物>と呼んでいました。
カカオは、神様、すなわち偉大な自然からの恵み。それを人間が知恵と努力で一万年をかけて今の形にしてきました。
<自然の持つ力と人の技術が合わさった奇跡のような結晶>であり、自然と人との幸福な絆の証です。

しかし、現状のカカオ農場の課題として、児童労働や環境破壊などが顕著になっています。
今まで築いてきた絆がほんの短い間に失われようとしていることを考えるとさすがのチョコレートも苦みが増しますが、このとびきり美味しい<お菓子の王様>をこの先も味わっていけるような社会でありたいですね

などと言いながら、今年の我が家は<バレンタイン薯蕷>です。
地元の老舗・明石屋さんの期間限定品。ほんのりピンク色の白いぽってりしたハート型、優しい甘さで幸せでした。

かわいい。軽羹の名店なので薯蕷饅頭も美味しい