【雑記】10/10偽善者のつぶやき~ヤスデをゆるせなかった夏~

ヤンバルトサカヤスデ、という奴らがいます。
数年前から勢力を拡大し北侵しているという情報はありました。
私の住まいよりも南方のまちで、ヤスデ駆除について人々が話をしているのを聞いたことがあったのです。

そのヤスデについて初耳だった私は聞きました
「農作物に被害があるのですか?」
「否」
「人や家畜を刺したり噛んだりするのですか?」
「否」
「毒があって、近寄るとかぶれるとか 病気を媒介するとか?」
「否」
「・・・?(だったら、ほっとけば?)」
「とにかく気持ち悪い」
「・・・」

ヤンバルトサカヤスデ、名付けて「不快害虫」
人間の傲慢、ここに極まれり。
ただ、そこにいるだけのものを「醜い」というだけで許容できないとは、なんたる不寛容か!
・・・と思ったのですよ。その時は。

そして数年が経ち、この夏のとある朝。
ゴミ捨てに行ったかめくんがバタバタと戻ってきて「ヤスデ大発生!」のご注進。
「親分、てえへんだ!」の場面が頭をよぎりましたが、それはさておき。

慌てて見に行くと・・・外塀の排水口を中心にみっちり、うじゃらぐじゃら。
背筋が寒くなり、鳥肌が立ち、頭の芯が妙に冴えて変な闘争心が沸くのを感じました。
「殺虫剤!」
叫ぶなりこれでもか!と噴霧しました。

すべてが終わった後、大いに落ち込みました。
口先で生命が大事だ、自然保護だ、生物多様性だ言っておきながら、いざとなったらこの始末。
予防剤を家の周囲にまいて、幸いあれから大発生はしていないのですが、次に発生したら、やっぱり駆除するんだろうなあ、と思います。
家の中に侵入することもあるらしいので恐怖です。

怖いもの見たさの方は「ヤンバルトサカヤスデ 不快害虫」で検索するとかなりの数の画像が見つかります。
それがもぞりもぞりと蠢いているところをご想像ください。

ちなみに、その時の不気味さと自分のふがいなさへの反省を込めて詩を創ったのですが、かめくんに「おかあさん、病みすぎ」と言われたので、お蔵入りにしてあります。

昨日も今日も各地で人と人の争う悲報が聞こえます。
結局、人類はその本質に残忍な刃を宿している、そしてそれは自分も例外ではないし、また、いつその刃を自分たちに向けられても不思議はない。
そんなことを考えて悲観的になってしまうこの頃です。