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令和にふさわしい『いろはかるた』を作ろう(記録 2023/06/14)
諸事情からいろはかるたについて調べていました。
古今東西あまねくことわざを50にまとめ編纂したいろはかるたはことわざ界のオールスター、まさにことわざのモダンマスターズ……と思いきや、意外と知らないことわざがあります。《絶滅の王》か?
生まれてこの方東京から出たことがない生粋のモガなので「京都や大阪のことわざなら知らなくても仕方ないかな?」と思っていたのですが、どうやらそうでもないようです。
たとえば「ふ」の段。
京都と大阪のいろはかるたではことわざプレイヤーなら誰もが嗜んだことがある「武士は食わねど高楊枝」が割り振られていますが、私が最も親しんでいる(はずの)江戸いろはかるたでは「文はやりたし書く手は持たぬ」という全く知らないことわざが投入されていました。青春か?
いろはかるたなんてもはや「一般教養としていろはかるたは知っていてくださいよ~」とマウントを取るためのアイテムでしかないので、そこに私も知らないような半端なことわざを混ぜられるとこちらとしても「いや……知らなくて当然です……申し訳ない……」と腰を引くしかなくなり、どうにも据わりが悪くなります。
他にも見てみると京都の「は・針の穴から天井を覗く」と江戸の「よ・葦の髄から天井を覗く」で完全に採用意図が被っていたり、大阪の「な・習わぬ経は読めぬ」と江戸の「も・門前の小僧習わぬ経を読む」で完全な自己矛盾を起こしていたり。
いろはかるたの採用リストにはどうにも洗練が足りないように思えます。
そこで。
今日は江戸・大阪・京都3種のいろはかるたからより耳馴染みがあることわざをピックし、真に強力かつ汎用的ないろはかるたのレシピを作ろうと思います。
明日CSに持ち込もう。
い・犬も歩けば棒に当たる
その他採用候補
一を聞いて十を知る(大阪)
一寸先は闇(京都)
ことわざの代表、いろはかるたといえば当然これですね。エターナルマスターズに《意志の力》が入るくらい当たり前です。
伊集院光も「楽しくない犬棒カルタ」って言ってたしね。
ろ・論より証拠
その他採用候補
六十の三つ子(大阪)
論語読みの論語知らず(京都)
ここもテンプレ採用と言えます。黒トレジャーの《天災 デドダム》。
は・花より団子
その他採用候補
針の穴から天井を覗く(京都)
「いろはかるた」と言うだけあってここまでは非常に聞き覚えがありますね。レアコレの《増殖するG》。
に・二階から目薬
その他採用候補
憎まれっ子世にはばかる(江戸)
憎まれっ子神直し(大阪)
「憎まれっ子神直し」は世にも珍しい意味が失伝したことわざらしいです。
かっけー! いろはかるたバトル漫画なら絶対ジョーカー枠になるキャラじゃん。
ほ・骨折り損のくたびれ儲け
その他採用候補
惚れたが因果(大阪)
仏の顔も三度まで(京都)
「仏の顔も三度まで」も非常に熱い候補ですが、「くたびれ儲け」という言葉のニヒリズム具合に惹かれこちらを採用しました。
「惚れたが因果」は何の分際で張り合ってるんだ?
へ・下手の長談義
その他採用候補
屁をひって尻つぼめ(江戸)
あれ? 「下手の横好き」っていろはかるたに収録されてないの? へー。
どちらもいろはかるたの顔を張る実力はありませんが、「屁をひる」が死語となった現代では「下手の長談義」の方がまだ汎用的だと判断しました。
と・年寄りの冷や水
その他採用候補
遠い一家より近い隣(大阪)
豆腐にかすがい(京都)
隣が近いのはそれはそうなんじゃないか?
ち・塵も積もれば山となる
その他採用候補
地獄の沙汰も金次第(大阪・京都)
これもハイレベルなバトルですが、「地獄の沙汰も~」は百歩譲っても「し」じゃないか? という懸念から「塵も積もれば山となる」が採用されました。
り・綸言汗のごとし
その他採用候補
律義者の子沢山(江戸)
「律義者の子沢山」は「痛快! ビッグダディ」が破壊したのでスタン落ちしました。
ぬ・糠に釘
その他採用候補
盗人の昼寝(江戸・大阪)
京都のいろはかるたは「豆腐にかすがい」も採用してるんだけど、これ同型再販じゃない? なんで同じかるた内でかぶらせるんだよ。
る・類は友を呼ぶ
その他採用候補
瑠璃も玻璃も照らせば光る(江戸)
「瑠璃も玻璃も照らせば光る」は汎用性が低い割に響きの綺麗さだけでTier1ヅラしてて卑怯だなと思いました。鉄獣戦線か?
お・老いては子に従え
その他採用候補
鬼の女房に鬼神(大阪)
鬼も十八番茶も出花(京都)
なんか残りのことわざは釣り上がった眼鏡で紫髪のおばさまが言ってそうでムカついたのでスタン落ちさせます。
わ・笑う門には福来たる
その他採用候補
割れ鍋に綴じ蓋(江戸)
若い時は二度ない(大阪)
はいっ! マチカネフクキタルです!
か・蛙の面に水
その他採用候補
かったいのかさ恨み(江戸)
影裏の豆も弾け時(大阪)
「影裏の豆も弾け時」はいくじなし/筋肉少女帯の「フェティシストの兄はいくじなし」で歌えるし意味もだいたい「フェティシストの姉はかわいくて」だぞ。試してみよう。
よ・夜目遠目傘の内
その他採用候補
葦の髄から天井を覗く(江戸)
横槌で庭を掃く(大阪)
他のことわざに聞き覚えがなすぎる。よ、横槌で? 何を何?
急な来客が来たのでハンマーで庭掃除をしなきゃいけないくらい慌てているがもてなしの気持ちはありますよ、という意味らしいです。へー。
た・旅は道連れ世は情け
その他採用候補
大食上戸の餅食い(大阪)
立て板に水(京都)
「大食上戸の餅食い」悪口すぎない? ピンクブス加護オワ賊?
れ・良薬口に苦し
その他採用候補
連木で腹を切る(大阪・京都)
「連木で腹を切る」を知らなすぎる。えーっと……何々……「しゃもじで腹を切る」に同じ……。
知るか! 遊戯王カードWikiみたいな相互参照やめろ!
そ・袖すり合うも他生の縁
その他採用候補
惣領の甚六(江戸)
「惣領の甚六」聞いたことないねえ。
長男は将来が安心なのでボンクラになりやすいという意味らしい。へー。
つ・爪に火を灯す
その他採用候補
月夜に釜を抜かれる(江戸・京都)
2地域で採用されているのにあんまり聞いたことないな「月夜に釜を抜かれる」。
なんか……言われたら聞いたことがあるようなないような気もするけど……。
ね・猫に小判
その他採用候補
念には念を入れ(江戸)
寝耳に水(大阪)
す、すごい! 選べないくらいハイレベルだ! 私がSuper Lucky Kitty好きだから「猫に小判」にしたけど!
な・泣きっ面に蜂
その他採用候補
習わぬ経は読めぬ(大阪)
なす時の閻魔顔(京都)
おびゃーが「射精す時は閻魔顔」って四季映姫・ヤマザナドゥのエロ同人誌出してそうじゃない?
ら・来年の事を言えば鬼が笑う
その他採用候補
楽あれば苦あり(江戸)
楽して楽知らず(大阪)
残り二つはなんか説教されてる気分になって嫌だったから「来年の事を言えば~」にしたんだけど、説教するためのものなんだから説教されてる気分になるべきなんじゃないか?
む・無理が通れば道理が引っ込む
その他採用候補
無芸大食(大阪)
馬の耳に風(京都)
大阪、大食いに厳しすぎない?
う・氏より育ち
その他採用候補
嘘から出た真(江戸)
牛を馬にする(大阪)
メイショウドトウのことわざかと思ったら「劣ったものを切り捨てて優れたものにする」という意味らしい。へー。勉強になるなあ。
ここに「馬の耳に風」回してくれない?
ゐ・鰯の頭も信心から
その他採用候補
芋の煮えたもご存じない(江戸)
炒り豆に花が咲く(大阪)
なんか食べ物の話ばっかだな……。
の・喉元過ぎれば熱さを忘れる
その他採用候補
野良の節句働き(大阪)
蚤と言えば小槌(京都)
オレが煙草っつったらマイセンだろうが!
うっせー番号で言え!
お・鬼に金棒
その他採用候補
陰陽師身の上知らず(大阪)
負うた子に教えられて浅瀬を渡る(京都)
みんなで楽しむいろはかるたに「陰陽師」の語彙は相応しくないと思う。
く・臭いものに蓋をする
その他採用候補
果報は寝て待て(大阪)
臭いものに蝿がたかる(京都)
「くあほう」なの……?
あと蓋しきれてなくない……?
や・安物買いの銭失い
その他採用候補
闇に鉄砲(大阪・京都)
こういう時だけエルフのマギシューが恋しくなるんだよな。
ま・待てば甘露の日和あり
その他採用候補
負けるは勝ち(江戸)
蒔かぬ種は生えぬ(京都)
サラッと言えるとカッコイイいぶし銀のことわざの集まり。
私は「待てば海路の日和あり」で覚えたんだよな。
け・芸は身を助く
その他採用候補
下戸の建てた蔵はない(大阪)
下駄と焼き味噌(京都)
……下駄と焼き味噌……?
「板についてる焼き味噌と下駄は似てるけど全然違う」……「月とスッポン」みたいなことわざか、どれどれ……。
……ボツ!
ふ・武士は食わねど高楊枝
その他採用候補
文はやりたし書く手は持たぬ(江戸)
そういえば「まず書け、の文章術」という本を買ったのでそのうち読もうと思う。
こ・志は松の葉
その他採用候補
子は三界の首枷(江戸)
これに懲りよ道斉坊(京都)
えっ……全部知らないな……。
えーっと、「子は三界の首枷」……「親は子供が心配で現在・過去・未来全てを縛られる」……うーん、意味が悪くて嫌だな……。
「道斉坊」って誰だ……えっ意味はないの? 「これに懲りよ」と同義?
じゃあ……「志は松の葉」でいいか、よくわからないけど……。
「と」とトレードして「子はかすがい」作らない? 「豆腐は三界の首枷」って死ぬほど豆腐好きな人ができちゃうけど。
え・縁の下の力持ち
その他採用候補
得手に帆を揚げる(江戸)
閻魔の色事(大阪)
ググって出ないだけで「閻魔の色事」って四季映姫・ヤマザナドゥのエロ同人誌絶対あると思わない?
て・天道人を殺さず
その他採用候補
亭主の好きな赤烏帽子(江戸)
寺から里へ(京都)
どれも聞いたことがないので好みで選びました。
あ・頭隠して尻隠さず
その他採用候補
阿呆につける薬はない(大阪)
足の下から鳥が立つ(京都)
TopTierをひた走ることわざ2つに挟まれた「足の下から鳥が立つ」だけTierが低くて面白い。足の下に鳥がいたら警戒しようよ。
さ・触らぬ神に祟りなし
その他採用候補
三遍回って煙草にしよ(江戸)
竿の先に鈴(京都)
「竿の先に鈴」は四季映姫・ヤマザナドゥのエロ小説で見たことがあります。
き・聞いて極楽見て地獄
その他採用候補
義理とふんどし(大阪・京都)
「義理とふんどし」はいい言葉ではあるんだけど……ふんどしが古いなあ……。今もうヨハネですら見ないよ。
ゆ・油断大敵
その他採用候補
幽霊の浜風(京都)
め・目の上のたんこぶ
その他採用候補
盲の垣覗き(京都)
「盲の垣覗き」は差別用語が含まれてるし意味も悪いし最悪すぎる。
いいか! 個性を出すってそういうことじゃないからな! 大人しく「目の上のたんこぶ」に迎合しとけって!
み・身から出た錆
その他採用候補
身内が古み(大阪)
身は身で通る裸ん坊(京都)
「身内が古み」マジでわからなかったけど、「箕売りが古箕」が訛った言葉で「染屋の白袴」の同型再販なのね。へー。
「身は身で通る裸ん坊」はエロ同人で四季映姫・ヤマザナドゥがやってそうだなと思いました。
し・知らぬが仏
その他採用候補
尻食への観音(大阪)
しはん坊の柿の種(京都)
なんか神仏へのリスペクトが足りないなここ。
ゑ・縁は異なもの味なもの
その他採用候補
縁の下の力持ち(大阪)
縁と月日は末を待て(京都)
うっかり「縁の下の力持ち」を2枚採用してしまいそうになった。《ファルケンラスの貴種》か?
ひ・瓢箪から駒
その他採用候補
貧乏暇なし(江戸)
貧相の重ね食い(大阪)
「貧乏暇なし」もいい線行くけど「瓢箪から駒」のTier高いなあ。
「貧相の重ね食い」はマジで聞いたことないし、この流れでかなりいい意味なことあるんだ。
も・餅は餅屋
その他採用候補
門前の小僧習わぬ経を読む(江戸)
桃栗三年柿八年(大阪)
すげえ! 全部Top Tierのことわざだ! ことわざ頂上決戦だ!
うーん……私がなんか好きだから「餅は餅屋」!
せ・背に腹は代えられない
その他採用候補
背戸の馬も相口(大阪)
聖は道によりて賢し(京都)
他もいい言葉だけどさすがに「背に腹は代えられない」一強環境。
す・雀百まで踊り忘れず
その他採用候補
粋は身を食う(江戸)
墨に染まれば黒くなる(大阪)
「粋は身を食う」がストレージに置いてあったら「芸は身を助く」と間違えて買っちゃいそうで嫌なのでスタン落ちさせます。
まとめ
い・犬も歩けば棒に当たる
ろ・論より証拠
は・花より団子
に・二階から目薬
ほ・骨折り損のくたびれ儲け
へ・下手の長談義
と・年寄りの冷や水
ち・塵も積もれば山となる
り・綸言汗のごとし
ぬ・糠に釘
る・類は友を呼ぶ
お・老いては子に従え
わ・笑う門には福来たる
か・蛙の面に水
よ・夜目遠目傘の内
た・旅は道連れ世は情け
れ・良薬口に苦し
そ・袖すり合うも他生の縁
つ・爪に火を灯す
ね・猫に小判
な・泣きっ面に蜂
ら・来年の事を言えば鬼が笑う
む・無理が通れば道理が引っ込む
う・氏より育ち
ゐ・鰯の頭も信心から
の・喉元過ぎれば熱さを忘れる
お・鬼に金棒
く・臭いものに蓋をする
や・安物買いの銭失い
ま・待てば甘露の日和あり
け・芸は身を助く
ふ・武士は食わねど高楊枝
こ・志は松の葉
え・縁の下の力持ち
て・天道人を殺さず
あ・頭隠して尻隠さず
さ・触らぬ神に祟りなし
き・聞いて極楽見て地獄
ゆ・油断大敵
め・目の上のたんこぶ
み・身から出た錆
し・知らぬが仏
ゑ・縁は異なもの味なもの
ひ・瓢箪から駒
も・餅は餅屋
せ・背に腹は代えられない
す・雀百まで踊り忘れず
四季映姫・ヤマザナドゥのエロ同人を意味することわざって意外と多いんだね。