ソロオペラチャレンジ〜やる方じゃなくて観る方〜
ふと、「オペラ行ったろ!」と思い立ったのが昨年の10月。きっかけは最適化されたYouTubeからおすすめされた一本の動画だった。
自分はずっとソプラノだった。ソプラノ以外歌えないからだ。カラオケに行ってもほとんど上手く歌える曲がなくて、今でも人と楽しめるという自信がない。
そんな、ある種の悩みを抱えた自分が、ヒトの限界値みたいな高音の曲に出会い、それがたまたまオペラの登場人物の曲だった、というだけで。なんなら、オペラに興味ある自分…、みたいなナルシシズムを感じていなかったわけでもない。
-開演前-
全体的に年齢層が高い。
マージで20代がいない。お坊ちゃん風の子供がわんさかいる様子をイメージしてしまっていたせいかもしれない。有名私立大附属の小学校に通っているようなおぼっちゃまお嬢ちゃまであふれかえっているのでは?という一抹の不安は、ロビーで杖をつく老人の「んなこた言ったって歩くしかないだろ」の一言で消え去った。
…と思っていたら、意外と若い人も増えてきた。流石にs席五千円の魅力には敵わないよな。わかるぞ。39歳以下は一万円になるらしいけど、それでも若者を取り込むための割引がエグい。本当に大丈夫なのか?
芸大生がゼミなんかで訪れたら採算が合わないのではないかと心配になってしまう。
クロークがパンデミックの名残りでやっていないので、上着を袋(無料配布)に入れて、席の下に入れるんだけど、これは綺麗なのか…?清潔?
座席は18列とかだけど今のところオペラグラスは必要ない気がする。ハマったら確実に買う。それか次はもっと前の席を狙います。御覚悟!
開演10分前
めちゃくちゃオーケストラが練習してる。こんな聞かせちゃっていいのか。ネタバレとかないもんな。色んな場面の音楽が倍速みたいに聞こえて面白い。
都会だからか色んな格好の人がいる。都会っていうか、「人種のるつぼ」みたいな「人種のサラダボウル」みたいな感じだ。
ドレスコードがないからひっちゃかめっちゃかになっている気もする。
とはいえ小綺麗な格好が多いな。スーツまでいかなくとも、エナメルの靴とか、そういうのがいいかも。おしゃれ着洗いするようなやつ。
自分みたくお一人様で観劇なさる若人も、どうやら少なくないようであるが、これをきっかけにお知り合いになる、ということは特になさそう。その方が気が楽と取るか、どうか。コミュ力オバケならバシバシ声をかけて「お食事でも…」みたいな空気になるのかな。むしろそういう人物との出会いも無いので、最適解がわからない。
全然関係ないのだが、一席ずつエアウィーブのクッションが置いてある。これは座面に敷くべきなのか?
-開演5分前-
チケットは売れているはずなのに全然人が来ない列とかある。
逆にすごい。
どっと人が来るので、10分前には座ってないと、自分的には不安だな。
-幕間-
演出激しめだった。おもろ。みんな「わーっ」てなる感じ。
休憩時間30分なのでトイレor飲食です。お連れの方がいれば別。今回はトイレを選択。
なんとなく、アルコールを飲もうかなと思ってしまう雰囲気がある。普段全く飲まないのに。
まーた開演3分前とかになって人が入り始める感じだ。間に合うけども、もうちょっと余裕を持ってもよろしいのでは?
-幕間-
アイスティーとシュークリームをゲットした。緊張状態故かアルコールを頼みそうになったけど、五百円の差は大きい。そこは貧乏学生らしくアイスティーで。シュークリームはなんとなく特別感があったけど、味的にはクロワッサンの方が気になった。ただ、シュークリームは飛ぶように売れてて、食べなきゃ損というか、せっかくだし…みたいな気持ちにさせられる。
味はね、まぁ…。初めてだったら頼んだ方がいいかな、普通におかず系のほうがいいいかな。観劇で疲れることを考えたらおかず系の方がいいです。
あと、普通にアルコール飲めば良かった。せっかくの機会を無にしてしまった…。
また2分前にぞろぞろと…。それでも開演に間に合うんだから大人ってすごいですね。小学生だったら絶対間に合ってない。
あと、一列丸々空っぽみたいな席、あれはなんなんだろうか。最後まで人来なかったし。
-終演後-
結論を一言で言うと、「楽しかった」というのが一番大きい。
もちろんストーリーや演出によっても感じ方は違うし、キャストで選ぶのもいいと思うけど、一流のものに触れる、という意味がやっとわかった感じ。
自分の場合、ちょっと片足突っ込んでたというか、シナリオライターの道も目指していたから、演出とか演技の面で注目してしまうというところはあるかもしれないけど、全然違うジャンルであっても、たとえば営業職とか、エンジニアとかであっても、何らか思うところはあるんじゃないかなと思う。単純に声量すごいな、とかでも。
今日が千秋楽だったからか、スタンディングオベーションもあって、演者の皆さんが何回もお辞儀する、というところもなんか良かった。大人っぽくて。
ストーリーについては各々検索すればいくらでも情報があるのでそちらをご覧になればと思います。オペラハウスの空気感が伝わればいいな。
2023年3月現在、U -25はオペラ5000円、その他は半額で観劇できるらしいので、ぜひ一度行ってみるといいと思います。お試し感覚で行ける期間短いぞ〜!