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コロンビアビジネススクールでのアカデミックな学び:Data Science

私が通っていたコロンビアビジネススクールにおけるアカデミックな学びについて記載するシリーズ。今回は、Data Scienceをテーマにコロンビアビジネススクールで学んだことを記載したいと思います。

Data Scienceのテーマで紹介する科目は以下の通りとなります。いずれも選択科目になります。
・Python for MBAs
・Intro to Databases for Business Analytics
・Real Estate Analysis

今回はコンピュータ言語のPythonとSQLにフォーカスします。ビジネススクールと言いながら、コロンビアには意外とこうしたハードスキルを学ぶクラスも開講されているのです。

Python for MBAs

これは有名なコンピュータ言語であるPythonの基礎的講座となります。といっても、本当の基礎は事前にネット上でクリアしておく必要があるため、その基礎講座を踏まえた内容になります。
授業の内容は、基本的なデータ加工方法や分析方法を学んだうえで、APIで直接ネット上からデータを引っ張ってくるなどの応用を学びます。最終課題では授業で学んだPythonの機能を活かして、何か分析するというふわっとした課題が出されました。
授業はひたすら先生が書いていくコードを写経していく、という形式であるため、自学しようとすればもちろんできます。一方で、自学しようとしても仕事などに忙殺されて中々できない方も多いと思いますので、こうした勉強に集中できる時期にハードスキルを学ぶというのもよいかと思いました。

Intro to Databases for Business Analytics

授業の目的は、「MBAを修了したビジネスパーソンとして、必ずビジネス上で協力するであろう社内外のシステム部門の方々が話すSQLに関する内容について理解できるようになろう」というものです。簡単に言えば、SQLに関する会話についていけるようにし、「話が分かる人間だ」と思われるようになろう、ということです。
そのため、授業の内容も、「SQLとは何か?」というところから始まり、必要なスキルに特化した形で構成されています。

内容の一覧は以下の通りです。
・SQLとは何か、なぜ必要なのか
・Command Lineの使い方
・SQLを使ったスクリプトの書き方
・データベースの構築
・データベースのCSVへの抽出
・SQLインジェクションとその対策(ハッキングのようなもの)

もっと知りたい方は、以下の記事をご覧いただけると幸いです。

授業はハンズオンで展開されていくため、ひたすらコードを書いていくのですが、本当に必要なことを抽出して無駄なく学習することができるため、こういったSQLの世界の一端を知りたい学生にはお勧めの授業です。

Real Estate Analysis

これは、上記で述べた「Python for MBAs」の発展版の講座です。Pythonを使って、不動産関連のあれこれを分析しようという、不動産×Pythonをテーマにした講座です。
教授はデータ分析を専門とした不動産分野の学者で、米国でコロナ禍がもたらすオフィスマーケットや賃貸住宅マーケットの影響を分析したことでメディアにも取り上げられた最近有名になった方でした。

以下が、実際に授業で取り上げた分析テーマの例です。コロナ禍、アフターコロナ、金利上昇などの直近の経済テーマに即した内容でした。
・ニューヨーク地下鉄の路線延長による沿線の経済効果(沿線の住宅市場の変化)
・米国リートのアセットタイプ別の株価変動の要因分析
・ニューヨーク市のスターバックス店舗の出店計画(人口に応じて店舗を最適配置する)
・オフィス賃料や住宅賃料の変動要因(Work from Homeの影響)
・都市圏別にみた分譲住宅価格の変動要因と将来予測
・モーゲージの期限前弁済の要因分析
・モーゲージのデフォルト率の要因分析

コロンビアのエンジニアリングスクールの大学院生との合同授業で、授業もコードを写経するのではなく、適切な分析方法のディスカッションが中心で、非常に興味深いものでした。それだけでなく、日本だと中々不動産関連のデータが取得しにくい一方で、米国では簡単にデータを取得することができるため、様々な分析が行え、ビジネスにも活かせる(実際にこうしたデータ分析とビジネスを関連させているヘルスケア企業とモーゲージレンダーによるセミナーがありました)ため、実践的でもありました。

とはいえ、課題は、お題に対してPythonのコードを完成させるものでしたので、2週間に1回は丸1日から2日程度集中してPythonに向かう必要があり、初心者にはかなり辛いものでした。



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