2021年2月号 晴れた日にはもっとのびのびと
春夏秋冬亀成園便りの26作目です。三重県松阪市飯高町での自給率の高い暮らしをする小さな自然養鶏農園からの季節レターをお楽しみください。
【亀成園便りここから】
立春が例年より1日早かった今年は、春の訪れも早くなるのでしょうか。他の場所よりもうんと気の早くてうんと大きなフキノトウに出会うとどうにも不安な気持ちが軽くなりました。度重なる消毒で手も荒れるし、布マスクもだんだん劣化してきてしまい、平気なふりをしながらも不安が積もってしまいますね。そんな中、芽を出すパワーは明るいなと改めて感じれて嬉しいです。
寒いはずの冬があまり冷え込まずに過ぎそうで、安心するような物足りないような気持ちを抱えています。なので冷えた週末に町内でも山の方に出かけて凍った滝を見に行きました。沢山の氷柱と薄氷ばかりで、本流はごうごう流れていましたが、何時間も冒険せずにでも観られる眺めとしては上出来でした。怖いけれど美しい氷の世界をちょっとだけね。
この一年程、近隣の野鳥に興味を持って観察したり声を聴いたりしています。鳥はそこに確実にいるのに探しにくいし名前もなかなか覚えられないし、鳥を観る力は上達しませんが木から木へ飛び回る鳥に気付くと以前よりニンマリするようになりました。メジロやホオジロなど、なんだか多くなっている気がします。季節の花である梅といえばウグイスですね。まだ声は聴こえていませんが、「ホーホケキョ」の美しい響きがこの谷で聴こえる頃にはまた多くの人が訪れるようになっていたらいいなと静かに願っています。
冬の間、わりと時間があったこともあり、春に中学生になる娘とすぐ下の妹が、お父さんと一緒に自分たちの部屋を作りました。どう見ても屋根裏部屋ではありながらも、床を張り直し、壁紙を貼り、畳を敷いて、電気をつなぎ、机だけあったので椅子を自作して。せっせと作業を重ねていつの間にか居心地のよさそうな空間ができていました。
自分のものは自分で作るのが暮らしの楽しみですが、まさか部屋まで作れるとは思ってもみませんでしたよ。子供の成長には驚かされてばかりです。
【亀成園便りここまで】
つい先日、息子が見つけてきたフキノトウを初物として頂き、ウグイスの声も聴いたばかりなので、シンクロの多い焼き直し回でした。
冗長な文など気になる表現はありましたが、この時にフレッシュな気持ちのまま書き残しておいたから、改善にトライすることもできます。
最後に出てきた椅子も今は別のものに変わっていますが、姉妹それぞれの好みに合った自作の椅子があったことは、時々思い出してうっとりする話です。暮らしの中にあるものも人の成長に合わせて少しずつ形を変えてつながっていきます。層になって、風化もして、次を育てて。暮らしを支えてくれているものの見直し、したくなってきましたよ。