2019年6月 水のきれいな初夏を楽しむ
春夏秋冬亀成園便りの6作目です。三重県松阪市飯高町での自給率の高い暮らしをする小さな自然養鶏農園からの季節レターをお楽しみください。
【亀成園便りここから】
田んぼの上をツバメたちが飛びぬけていきます。道端の草が伸びて伸びて、蛇や夏の虫たちも動き出す頃となりました。暑い日は鶏たちが派手に砂浴びをします。虫がつかないように体をきれいに保つ効果があるようで、自分で健康管理ができていて立派です。午後の放し飼いも鶏の伸び伸びとした時間です。自分好みの草をはみ、好きに動き回って木陰で一休みして、およそ現代的ではない自由奔放な鶏たちです。お世話する人の方は鶏ほどゆったりとは暮らせませんが、いい姿だなぁと眺めるのは幸せな時間ですね。ゴトウモミジのヒヨコも烏骨鶏のヒヨコも少しずつ増え、次世代育成にも力を注いでいます。元気な卵をずっと提供し続けていく願いを込めて。
土と緑のほとんど2色だった畑にいろいろな色がつくのが夏に向けての楽しみです。キュウリの花やトマトにナスといった果実が鮮やかな果菜天国はもうすぐですよ。にぎやかになるその前に薄紫のきれいな花を咲かせてくれたのはジャガイモです。この下には宝物がある。いつもそう信じて、伸びゆく苗たちを見守っております。
亀成園は今年度初めて、近くの田んぼをお借りして稲作りをすることになりました。今は種もみを育て、6月下旬に家族そろっての田植えを控えています。芽が出た喜び、雨や晴れに一喜一憂してなかなか落ち着きませんが、今までは眺めるだけだった田んぼが、育てるものに変わりました。田んぼとのおつきあいがうまくいけば、極上の卵ごはんになるのかな。
【亀成園便りここまで】
そうそう、田んぼとのつきあいが始まったのはこの頃でした。私が小学校の頃は一度だけ田植えと稲刈りを子供会行事で参加させてもらったことがあるけれど、その田んぼもすぐに駐車場になってしまったというような関わりしかなかったので、田んぼ仕事は遠い憧れでした。子供たちの通う香肌小学校では今でも田んぼ体験をさせてもらっています。田植えも稲刈りも子供たちのほうがよほど経験がある。そんな中で亀成園の田んぼ仕事はじっくりと始まっていきました。まだやり方が定まらず試行錯誤中なので、数年でも振り替えるのはまた気付きや学びがあります。