よゐこについて
元祖ハイパーシュール芸人よゐこ。今ではお茶の間の子どもや有野課長としてゲーマーに大人気の2人。趣味が仕事に繋がっている非常にバランスのいい芸人人生を歩んでいる。
しかし、今でこそお茶の間の人気者の2人だが、かつては人気番組に出てはいたものの、
意外なことに、2人の人気はほぼなかった時代もあった。
彼らはもともとの始まりは塾での知り合いからコンビを組んだ。大阪出身のため、吉本へ行くことを考えたが
その吉本興業のライバル会社である松竹芸能の「即戦力求む」のチラシを見て応募し、合格。
実は最初は漫才を志していたそうだが、早い台詞がしゃべれない、掛け合いが出来ないなどのポンコツぶりが出てしまい、早い段階でコントに変更。
初期の頃のよゐこは今と違い、間と空間で勝負するタイプの芸人だった。コントだが演技もあまりせず、2人ともセリフは棒読み。有野がボケると、濱口がとまどうという不思議な空間が出来上がる。
初期のコントは「蔵出し」というDVDで見ることができる。「美容師」のたくあんネタや「ふなかえる」「レスキュー隊」などはまさにその頃のものだ。
もっとも、このDVDのライブは2000年以降に演じたもので、キャリアもすでに10年以上。演技力と経験がついて来てるため、かつてほどの空気感はないが、シュールなコントに変わりはない。
初期からセンスはあったが、その分年配客の受けが悪く、松竹の寄席に出ると、コントが静かすぎて、コント中に客が弁当食べる箸を割る音が響いたこともあったそうだ。
ただ、最近はわかりやすいキャラクターや設定重視のコントに移行している。
当時は元気で正統派な若手が多い大阪の芸人界の中では特に異質な存在になり、早い段階で東京に進出。
ダウンタウン松本の構成作家である倉本美津留やスチャダラパー、渡辺真里奈などに見出されて、東京の深夜番組を中心に露出していく。今と違い、元気はなくとにかく生意気な若手だった。むしろ売れて安定している今の方が元気で若手感がある。
そして順調にいいともやめちゃイケの前身番組のとぶくすりや、ウッチャンナンチャンのウリナリという番組でレギュラーに。
しかし、業界の評価は高かったものの、当時のよゐこはどちらの番組でもとにかく存在感が薄かった。いるのかいないのかわからない、というくらいの存在で、特に口数の少ない有野の存在感は薄かった。
ナイナイやウンナンという売れっ子でメインの芸人たちがガンガン番組を盛り上げる中、2人はあまり前に出ることが出来なかった。ウリナリ後期のレギュラー総選挙では、国民の投票で2人ともレギュラーから下ろされてしまった。これが当時の国民のよゐこに対する評価だったのかもしれない。
そんな2人が少しずつ存在感を表して来たのが自分たちがメインのラジオだ。二人のトークはセンスがあって面白い。中学生2人がふざけてるような感じでありながらちょくちょく出るフレーズには面白さと切れ味があった。そのため一部お笑いファンには面白い、と認知されていた。
そして、あのゲームセンターCXが始まる。
この番組をきっかけに、影の薄かった有野が本領を発揮していく。
ウンナンやナイナイがメインの番組で彼らが過酷な挑戦を続けていたのを間近で見ていたのもあるのだろう。ゲームというフィールドで有野の過酷な挑戦が始まっていく。ゲームは下手くそだが、あきらめずにチャレンジしていく、そして何故か憎めない応援したくなる有野というキャラクターに視聴者が注目した。
そして時折有野の発するフレーズも、よゐこ流のセンスあるフレーズで、番組の見どころの一つだ。
この番組で、ゲーマーやネットユーザーからの人気が爆発!
ネット界隈では、有野の悪口を言おうものなら、ほかのユーザーが火消しに走るほどの支持を得ているそう。
その証拠に仲間であるナイナイの岡村がゲームセンターCXについて、ラジオで「あんなもん、ゲームやってるだけやないか」と軽く茶化した発言したところ、ファンが怒ってネットが炎上したとか。いつのまにかそこまでの影響力が出ている番組に成長した。
濱口側も、黄金伝説などで過酷な無人島生活にチャレンジしてから、本来の明るいキャラクターを前面に出して、子どもたちの人気を掴んだ。とったどー!というギャグも得て、人気が爆発した。
ここに有野も加わり、コンビ仲もアピール。昔は仲の悪さを売りにしてた時代もあったが、それが嘘のように今はよゐこの仲の良さが逆に売りになった。
時代の変化によってよゐこも変化していった。大人数の中で目立つのは苦手だが、自分達がメインになることで、独自のよゐこワールドに変化させることができる。彼らはコントもトークも普段の生活もよゐこワールドを作り出すことができる。
今年の正月に、久しぶりにネタ番組の「爆笑ヒットパレード」で新ネタのコントを披露していた。
旬な若手たちが爆笑をとっている中、唯一無二の自分たちのコントを披露していて、彼ららしいな、と思った。