
番外編 おかげさま
この度noteを始めて、2週間。長文、駄文にも関わらず、沢山の方にお越し頂き、感謝の気持ちで一杯です。
現在のフォロワーの皆様は、ネット競馬サイト、Twitterなどから応援して頂いた方です。
とても勇気づけて頂き、感謝の言葉も見つかりません。
ほとんどの方が、ゴールドシップを愛し、その産駒を熱く応援している方々です。
みな、ゴールドゴールデンのその後を心配し、情報を探し当てて下さいました。
こおりなさん、丁寧な関わりを有難うございました。美味しい人参を送って頂きました。トレジャー達が、初めて頂いたご支援、沢山の人参。
それは甘くて、新鮮で、やって来たばかりのミーちゃんも、おねだりの為に、扉を破りそうになる位に美味しかった様です。
トレジャーと藍姫との、こおりな人参を巡ってのバトルは、この日は大変激しいものでした…笑
いつもの人参とは明らかに違い、みんなにもお裾分け。
レッスンのため、洗い場に移動した厩舎のボス馬さんは、大興奮で、普段は良い子なのに、人参が欲しいアピール。
大好物の人参がらみなので、威嚇するトレジャー。
無言で睨みつけるボス馬さん…。
トレジャーは人参で頭がいっぱいだった様子で、そのお馬さんが誰とは気が付かない様子…。
二頭の目が合ったその時、
「ヒッ!!ヤベェ…。」
ボス馬さんと気が付いたトレジャーは、急に大人しくなった。

おそろしく大人しいトレジャー。


すべてがカワイイ、ミーちゃん。
やがて兄姉の様になるのだろうか…。
父 ゴールドシップの血が気になる今日この頃…。
ミーだけは今のままでいておくれ…笑

「取られちゃ敵わん…。」
Alice Blueさん、いつも優しく見守って下さいました。
初めて受け取ったご支援、主人と抱き合って喜びました。
黒柴じょーじさん、馬とね子さん、はなぴょんさん、たにさん、かなさん、ectmmyさん。
私達を見つけてくれて、繋がってくれて、本当に有難う。
皆さん、私達のnoteを読むために登録して下さった方も多く、こんなにたくさんの方に支えられている事が、
心から嬉しかったです。
お心だけで、私達は幸せです。
そのお気持ちが、頑張る力の源になります。

頂く事の有り難み。応援して下さるお一人、お一人の気持ちの有り難み。
「おかげさま」
応援して下さる皆様、利用者様、職員さん、三頭の馬達。5匹の猫達。馬達と猫達とのご縁を作って頂いた皆様。じいちゃん、お父ちゃん、お母ちゃん、
主人。そして息子。
おかげさまで
今日の私はあり
私は今日も生きています。
生かされています。
昔、駄菓子屋のおばあちゃんが言っていた。
赤ん坊が生まれてすぐ泣くのは、この世の苦悩に生きる恐怖にに泣くんだと…。
幼な心に、とても印象的な話だった。
生きとし生けるものは、どんな生き物にだって
生に執着する本能がある。
小さな虫でも、危険を察知すると、逃げ回る。命を奪われまいとして、全力で逃げ回る。
最後はこれでもかという位に、足をバタバタさせて絶命する。
馬や猫が何も思わない訳がない。
生きたいと思うに決まっている。
食べる機能を奪われても、父は最後まで生きたいと頑張った。
生きたい気持ちは、人も馬も同じ。
うちの会社では、人も馬も猫も同じ価値と権利を持っている。
みんな同じ大切な命。
馬も猫も、
「お世話をしてもらうのが仕事」
なのである。
部屋の掃除をしてもらい、食事や人参やおやつをいただく。身体のお手入れをしてもらい、健康の管理をみんなにしてもらう。一頭、一匹毎の管理ノートがある。
性格、好み、クセ、基礎疾患、様子、健康状態、改善点。
馬には独特のテレパシーの様な物がある。
まるで、人間と同じ部分がある様だ。
うちの仔達は、ミーちゃんはまだ未知な部分があるが、
セラピーホースには不向きである。
我が道を行き、自己主張が強すぎて、好き嫌いも激しい。自分の思いが通らないと、あの手この手でアピールをする。私に向かって怒ったり、ふてくされたり、時には無視をする。
走りたくなければ競争を止め、乗馬もやめる。
気に入らないと、扉も蹴り上げてぶち曲げる。
それでも、きっちりとお仕事をする。
私はホースセラピーなる物を、専門家程には知らないが、馬とは想像以上に、自分の立場を理解している。
賢い生き物だ。
私達と生きる事を、トレジャーは選んだ。
サインを送った。
頑張りきる事でしか、この仔の気持ちに応える事はできなかった。
誰かからの賞賛や、感謝を求めた事はなかった。
トレジャーらしく生きさせてやりたかった。
ただそれだけ。
私はいつだって、目的を定めると、物凄い瞬発力で爆走し続ける。
目的地まで、最速で到着すると、バタっと倒れる
だから、それ以上に求める物が浮かぶ程の余裕があるはずもない。
だが、今回だけは倒れる訳に行かない。
まだ走行中の私は、今回の事で成長が出来たのかもしれない。
これからも頑張る。頑張って、頑張って、私は大切な存在の命と生涯を守りたい。
それで燃え尽きて消えてしまっても構わない。
愛する存在のために生きれて、その幸せを願い、その幸せが自分の幸せとなる。
その頑張りはやがて徳となり、馬や猫や息子への恩恵となるでしょう。
親とはそうした物である。
我が子の幸せのためならば、この身も捧げられる。
息子が教えてくれた。息子が私を育ててくれた。
馬も猫も息子も、私の子供。
いつか、息子が診察室で医師からの問いに答えた言葉がある。
「自分は消えた方がいい。ママを苦しめるから。」
と言った。
私は不思議と動揺をしなかった。
そして、答えた。
「ほうね。それなら、ママも一緒に消える。一緒に消える事がママの幸せじゃ。どこまでも側におる。」
息子は泣いていた。
私は泣かなかった。
当たり前の事だから。
「私は息子を守るんだ。この身が消えても、側で息子を守る。そして、息子がいつか年老いて旅立つ時は、私が迎えに行く。」
自分が母を苦しめていると気が付いていた。
でも、自分をコントロールができない。
彼は、見た目は健常者だ。健常者と勘違いされる事が多いという事は、世の中から、健常者である基準を求められるという事だ。
「僕は、何にも分からん方がよかった!!僕は何にも出来ん方がよかった!!」
そう言って、大暴れをした日があった。
息子は、自分の基準を健常者に置いていた。
社会で生きて行きたいのだろうと思った。
私はこの時の事一生忘れない。
息子との生活。苦しくなかったと言えば、嘘になる。
でもきっと、息子は私を選んで生まれてきた。
息子は障がいを抱えて生まれて来る事は決まっていた。
でも生まれてきたくて、私を選んだ。
そう思っている。
だから、私はこの子の手を離さない。
いつか、本当にいつか、息子が一人で生きる事が出来たならば…。
もし、頑張ったと神様が認めてくださるならば、そんな奇跡が起こって欲しい。
それだけ。
そして、それしかない。
私は弱いから、まだ苦しむかもしれない。
それでいい。
苦しくても、側にいて、一緒に生きたい。
生きて欲しい。
幸せになって欲しい。
私には自分がない。自分を大切に思う事ができない。
自分とは?の問いかけの答えは
「分からない。」
だが、そんな答えは必要ない。
「あんたらが幸せなら、お母ちゃんも幸せ。」
母が育てた私は、いつしか母と同じになっていた。
馬達も猫達も、まだまだ若い。
この仕事をしていると、人間の健康寿命についてよく考える。
私の残された時間はあとどの位だろうか?
私はいつまで現役でいられるだろうか?
それを考えると、私も人生折り返し地点を過ぎ、思うほど時間は残されていないのかもしれない。
「人生あっという間じゃ…。」
と父は言った。
生まれた瞬間に人も、馬も、猫も、その他の動物もみな、寿命を持って生まれてくる。
私の次の課題は、私がいなくなっても、馬達の生活を守る事。そして…息子の命を守る事。息子の人生を守る事。
まだまだ苦難の道は続きますが、大丈夫!!
私にはこんなにもたくさんの味方がいてくれる。
それが例えたった一人になったとしても、一人もいる!!
明日が来るかどうかは、誰しも分からない。
私は、トレジャーマップがあの日のレースが最後になるなんて、予想もしなかった。
これからも、マップがいる事が当たり前だと思っていた。
朝「いってきます。」と出かけて、
夕方「ただいま。」と帰ってくる。
そんな当たり前の毎日が、本当は奇跡である事。
来るかもしれない明日のために、私は今日も仕事をします。
馬達、猫達、息子の明日のために。
人生とは不思議で愛おしい。

お父ちゃんに挨拶するゴールドトレジャー
三頭の中での、最強は藍姫。
とってもクールな美人。馬らしい頭の良さで、秩序を大切にする。
最近トレジャーは、放牧中に、藍姫にちょっかいを出し過ぎて、藍姫を怒らせた。
一発でトレジャーはとんで逃げた…。
つい最近まで競争馬であったアスリートの藍姫に、走らないと決めたゴールドトレジャーが敵うはずはない…。
ミーちゃんは、「本当に競争の世界に生きていたの?」
と思える程に、穏やかで優しくのんびりしている。
「ミーちゃん、ミーちゃん。」
と、トレジャーの目を盗んでは抱きしめている。
抱きしめさせてくれるのだ…。
甘えん坊で、とても動きがゆっくり。
早くも、利用者さんからの人気者となっている。
さて、ゴールドトレジャー。
生きたい様に生きている…笑
馬の上下関係では負けてばかり…。
でも、何故かミーちゃんには優しい。
「ワシが引退した時はのー…。」
とでも話しているのかな?
「ワシは何でか知らんが、走らんでも良くなったわい…。」
「お前もいつか、ワシみたいに白くなるわい…。」
「知っとるか?あのオバハン(私)ようけ人参くれるでー。可愛い顔してみい。いっぱいくれるけぇ…。一緒に食べよう。」
トレジャー先輩、立派な馬生の先輩、兄である。
しかし、実際に人参を目にすると…。
「こりゃー!!!!この人参はみなワシのモンじゃ!!
食うたら承知せんどー!!あっち行っとれー!!」
「あの…さっきの話は…」
と、ミーはビックリして壁側に引っ込み、そこに藍姫登場…。
「うちの人参じゃー!!うちだけの人参なんじゃー!!」
二頭が馬ではない様な声を出して、大喧嘩が始まる。
お互いに、こんなに伸びるもんなのか…
と思う程に首を伸ばし、ギャンギャン奪い合い、互いに壁を飛び蹴りする。
双方の壁の向こうはミーである。
ミーはそれが始まると、さっさと避難し、窓の外を見たり、目を閉じて自然を感じたりしている。
嚥下に難のあるミーは、ガツガツと食べる事ができない。
首元にはベルトを付けて、詰まらない様に生活している。
その他にはどこも悪い所はなかった。
トレジャーも、現在は健康優良児で、藍ちゃんも健康体だ。
それが、何よりの私にとってのご褒美である。
喧嘩は弱いが、人参の為ならば最強になれるトレジャーと、いつ何時でも強い藍姫。
個性的ですが、基本はみんな優しい。
馬は優しい生き物。
私が苦しい時には、トレジャーはピッタリ寄り添う。
絶対に威嚇しない。
動きがゆっくりとなる。
「わきまえ」
それを、トレジャーは知っている。
ミーを別として、トレジャーと藍は、お仕事になると、急変する。
自分達の役割を知っている。
一際美しいトレジャーに、みんなメロメロになる。
その存在を知ったいる者は、トレジャーの中にあの、
ゴールドシップをみる。
スキップを披露する。
スターの子は、スターなのかもしれない…。
トレジャー自身は、ゴールドシップが何者なのかは知らない筈なのに…。
藍は、睫毛の長い端正な顔立ちで、顔を出してみんなに触らせてくれる。
吸い込まれそうに澄んだ瞳は、裏表のない、彼女の筋の通った性格が見える。
ミーはいつもいつも、変わらない。いつも良い子。
いつも可愛い。耳を絞る姿を見た事がない。
そんな馬社員達。
訪問介護とれじゃーまっぷの利用様の移動支援にて、ふれあいのお仕事を開始しています。
