ゴールドミルク(ホットミルク)の末娘の意外な素顔
最近の放牧中、意外な出来事が起こった。
いつもの様に、藍姫から放牧を始める。
次にミルクが放牧場へと…。
藍姫がミルクに駆け寄り、顔をくっつけて、挨拶を始める。
そして、二頭は寄り添う様に放牧を楽しむ。
そこへ、長男ゴールドトレジャーの登場…。
すると…。
二頭のうちの一頭が、ゴールドトレジャーに駆け寄り、
威嚇を始めた。
トレジャーは、
「なんじゃー!!ワシゃ、まだ何もしとらんわい!!」
と、言いがかりをつけられた様な気分になったのか、たいそうムカつき、その馬に威嚇し返した。
人間にもよくあるタイプの、チョッカイかけたろ?的な言いがかりが大嫌いなゴールドトレジャーは、我を忘れて怒った。
藍姫の、馬房の扉をブチ曲げるのを見ちゃった…事件以来、藍姫には逆らわないゴールドトレジャー…。
トレジャーが怒った姿を見て、ヒステリックにその女子は、怒りまくった…。
トレジャーは弱いので、あっという間に追い払われ、ポツン…としてしまった。
その姿がえらく可哀想で、
「トレジャー!!トレジャー!!こっちへおいで!!」
と声をかけると、ダッシュで私の側に来た。
相手は勿論の事、藍姫だと思っている私に、
「お母ちゃーん!!あれ見てや!!あの馬をよぉ見て下さいやー!!ワシをイジめたあの馬を、よぉ見て下さいやーー!!」
と言うようなトレジャー君は、
ここを撫でろ…あっこを撫でろ…と訳分からん状態で、えらく動揺していた。
トレジャーがそう言うので、二頭をよく見ると、前にミルク…後ろに藍姫である…。
「えっ!?ミルク…??」
藍姫の前に立ちはだかり、身体を大きく見せようとしている。
ゴールドトレジャーを威嚇した馬は、ゴールドミルクであった…。
どうやら、放牧中に素顔を見せる様になってきた…。
環境に慣れてきたこの頃、よく見ると、好きな場所に天真爛漫に移動するミルクに、藍姫はついて歩く。
最初は、姉心かと思っていた。
そうではない…。
ミルクを頼りに後ろを歩いているのだ…。
ミルクのトレジャーへの行動を見た時に確信した。
「ボスはミルクなのだ…。」と…。
デッカいとかちっこいとか関係ないのだ。
人には限りなく従順、しかし馬の社会では強い。
のんびりなのは、余裕な証拠…。
穏やかなのも、余裕な証拠…。
トレジャーがどんなにチャカついても、相手にしない。
無駄に他の馬にチョッカイをかけ散らすトレジャーが、いかに小物かを象徴していた。
本当に強い馬は、ドッシリとクールなのだ。
ちっぽけでちびっ子なミーちゃんは、スーパーホースであった…。
それにしてもトレジャーが可哀想で、ミルクに声をかけてお願いした。
「あのね、トレジャーが一番歳上なのだから、仲良くしちゃって。嫌わんとってやって…。心根は優しい子なんよ…。」
つぶらな可愛い目のミルク。
限りなく、従順で優しい…。
いつか白い愛息子を認めてやって欲しいが、先ずは、彼が馬の社会を学ぶべきなのであろう…。
最近、ゴールドトレジャーは、先だって記述したポニーだけでは飽き足らず、ポニーと同室のヤギへのチョッカイに忙しい…。
しかし、ゴールドトレジャーよ…ヤギは突進型でなかなか強い生き物なのである…。
「やめんさい…。トレジャー、やられるよ!!」
の、お母ちゃんの言葉の意味に気が付く日はもうすぐであろう…。
まだまだ世の中を学習中のゴールドトレジャー…。
今日も、トレジャーマップの血を受け継ぐ子供達の素顔は、魅力で溢れている。
隠れた女王は、ちびっ子アイドル、ゴールドミルクであった。