日産ノートX
長きに亘る功労者
先代は9年間のモデルライフでベーシックカーから電気自動車へと大胆にキャラ変。
意外な長寿をまっとうし、いつも危機的な状況が日常の日産を支えてきた。
さて、引き続き屋台骨となることが至上命令である新型はどうだろう?
堂々のデザイン進化
デザインはこれからの日産デザインを予感させる独自の雰囲気。アリアを含めこのセンで統一していくのかも。大賛成。
インテリアもやたら広さを強調するのではなく、センタートンネルを二重にして使い勝手とタイトさを両立している点がユニーク。
ただしプラスチックの質感はライバルに比べてもうひと頑張りして欲しいところ。
リアシートの居住性は平均的。バッテリーを床下に収めている影響でシート下の足入れ性が若干削がれているのが惜しい。
走り出すとさすがのモーター駆動で気まずいほど静か。タイヤノイズが目立つのは電気自動車共通の悩みかもしれない。
ボディの剛性も高く不満はない。少しアシが硬いかな?
マジメな標準コンパクト
フランスのルノーと同じプラットフォームを使っているのに乗り味はなんとなくドイツの実用車を思わせる。楽しさはないけど実直なタイプ。
エンタメ性や持つ喜びにことさらこだわりがない人にはジャストな選択かもしれない。
艶っぽさやプレミアム性を求めるならば来年発売される「ノート・オーラ」を待ってみるべきかも。
個人的には手汗の会会員として革巻きのステアリングぐらいは標準にしてほしかった。いろんなパッケージオプションを付けないと手汗派は報われないのがちょっと気になった。
先代に比べて内容はグンと良くなっているけれど、乗り出しの価格にインパクトがある点は営業さん的には売りづらいだろうな、といらぬ心配をしてしまった。
相応の価格だと思うけどなあ。
(2020.12.27)