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夢心地のロミオとジュリエット。【宝塚編】
ライブビューイングとはいえ、コロナ渦で潤いのない中。
何年かぶりの宝塚歌劇鑑賞。
非日常と夢とキラキラ感満載で興奮冷めやらぬ中、夢見心地で床についた翌朝寝違えたササメケです。
これが拙者の現実か....なんと世知辛い。
宝塚大劇場の千秋楽のライブビューイングの感想をしたためようぞ。
ロミオとジュリエットも、観劇も久しぶりなので長くなるが気にしない。
これから東京公演を観劇される方はおすすめしません。
たくさんの素敵な宝塚ファンはいらっしゃいますし、素晴らしいレポート書いてる方が多くいらっしゃるのでそちらを見ていただいた方がイイと思います。
めちゃめちゃ、蛇足とボケ・ツッコミのオンパレードにしかならない予定。
宝塚ビギナーのササメケの自己満足を理解していただいた方、お時間をさいていただいたなら嬉しく思います。
長すぎる前置き
『ロミオとジュリエット』と言えば、かの有名なW・シェイクスピアの戯曲で、いつかは舞台で見てみたいなくらいな気持ちだったんです。
両親の影響で映画はよく見てたんです。
レオナルド・ディカプリオ主演の現代版・ミュージカル映画『ロミオ+ジュリエット』が公開されまして、見ました。
そしてレオに陥落❤
レオ作品の中でもっとも美しいレオが拝めます。おススメです。ミュージカル映画ですが、主演の二人は一切歌いません。お芝居のみです。
ただ『ロミオ+ジュリエット』愛のテーマとして『Kissing you』という曲がありますが、これは必聴です。
この音楽を使われたシーンがホンマに幸せでキレイなんですよね....
リバイバル上映も無理くり時間つくって行ったくらい、好きな映画です。
さて、一方宝塚歌劇団との出会いはというと。
聖母殿が漫画『ベルサイユのばら』読みたいといい、借りて読ませていただいたところオスカルに落ちました❤←チョロい。
何度も読み返している時に、宝塚が『ベルサイユのばら』を再演するとCM見ました。宝塚の気合の入れ方にまんまと釣られたわけですが、後悔はない。
とは言え、人生で初めてチケットを勝ち取って観劇したいと思った作品です。
ベルばらは宝塚しか公演がないので、是が非でも見たくて。
これを逃せば次はいつになるかわかりませんからね。
星組『ベルサイユのばら2001ーオスカルとアンドレ編ー』
当時のトップコンビの稔幸さんと星奈優里さんの退団公演だったそうですが、そんなこともなんも知らず、ただただベルばら見たいだけやってん。
フェルゼンは安蘭けいさんやったんや。今思うと、記憶がないことがちょっともったいないな。
拙者の人生で最初の観劇は宝塚大劇場でのベルばらやったんですけど、なんも勉強せんと観劇して感激して帰ったわけです。....サムう。
劇場自体が豪奢な作りで、建物入っただけでテンションブチ上がりだったことを記憶しています。
歌も踊りもお芝居もドキドキとキラキラがつまっていたとウル覚え。やはり、初めてのモノはそれなりの衝撃を受けたみたいです。
この時一つだけ心残りやったのが、 “ 羽 ” なんですよ。
フィナーレで羽を背負って降りてくるのを楽しみにしていたのですが、ベルばらの衣装がド派手やったんか羽無かったんですよ。
まぁ、それでもめちゃめちゃ楽しかったのは覚えてて、ホンマに初めてが『ベルサイユのばら』でよかったって思ってます。
本編感想
コロナ渦のため、ライブビューイングを選択しました。となるとカメラワークは宝塚側が握っているので、致し方ないなと思いつつも演者さんたちの表情はよくわかったの、これはこれでエエねぇ。
鬱蒼とした潤いのない生活の中で、久しぶりの観劇の為にSNSやら何やらで勉強しまくって、期待値爆上げし過ぎで臨んだ為、直前で失敗したかなと思ったんやけど、杞憂に終わりました。
めちゃめちゃよかった。
ホンマによかった。
大劇場に行けた人、マジで羨ましいことこの上ない。
これから東京公演の人、めちゃくちゃ羨ましい。
小ボケを。
ロミオのモンタギュー、青。
ジュリエットのキャプュレット、赤。
呪術回戦の五条悟がよぎったのは、拙者ぐらいやろな。すみません。
コロナの影響で舞台も人数制限をかけたと聞きましたが、初っ端からド迫力の展開。ホンマに女性たちだけで構成してんのか?と思ったくらいです。
仮面舞踏会のロック調の演出がけっこうお気に入りですね。
本編が長く、通常よりもレビューが短かったものの見ごたえは十分でしたね。もちろん、おかわりしたい思いはいくらでもある。
あの激しく速いデュエットダンスのシンクロ率の高さよ。シンジ君も初号機ビックリでしょう。
ロミオ役の礼さんですが、ファンの方のブログで誰よりも歌い踊るトップとあったのですが、その通りでした。
歌の上手さ、声質の良さと、声量と圧倒的さ。
ロミオが青年役だったので幼さの残る感じて演じられていたかと思うと、レビューで堰き止めていた色気が暴発。1粒で2度、3度以上に美味しい。たまらん展開。
デュエットダンスでリフトしたときに、別の意味で度肝抜かれたんです。ホンマに女性か?
話は変わりますが、昨年末の全日本フィギュアスケートで長年シングルだった高橋大輔選手がアイスダンスに転向してからの試合を初めて見たんです。
フィギアスケートはペアには必ずリフトが入るんですけど、高橋選手フラついてたんですよ。そりゃ馴れへんとはいえ、男やろって思ってたんです。
それが頭の片隅にあったから女性が女性を抱えて踊り遠心力もかかってるのに、もはや尊敬でしかない。
それもこれも含めこれが、星組トップスターなのかと。(ファンからするとまだまだなんかな?)
ジュリエット役の舞空さんは嫌みなく可愛らしい人形をそのまま人に具現化したように思いました。
イイ男揃いの中、一身に可愛いを引き受けていらっしゃいましたが恋に恋する、でも芯のあるジュリエットでした。
可愛い顔してらっしゃいますけど、デュエットダンスで礼さんに匹敵する身体能力だとわかり、エグイなと。
一番すごいなと思ったのは、運命の相手ロミオに出会えて絶頂で渾身の笑顔の時に、少女漫画にあるキラキラとかバラとかお花畑がブワーッと広がったのが見えたんです。これは初めての体験。
ジュリエットの仮面舞踏会のドレスが残念です。これだけが、唯一といっていいほど、ガチでなんで?って思ったんです。
舞空ジュリエットをもっと活かしてよ....東京公演、まだ間に合うと思うねんけどな。
ティボルトの愛月さん、出演中は終始色気を垂れ流していらっしゃいましたね。銀橋の見せ場なんかファン卒倒なんちゃうかなぁって。
映画のティボルトってジュリエットに恋心がなかったので、新しい発見でしたがバルコニーのシーンはせつくてよかったです。
本編終わって、またもや銀橋に出てきたときも引き続き色気を垂れ流していらっしゃいましたね。色気って枯渇することないんかな?
ベンヴォーリオの瀬央さん、ロミオとマーキュシオの関係性がイイ塩梅でねぇ、よかったんですよ。
マー君に悪乗りしたり、でもマー君(楽天ちゃうよ。)が亡くなってから、どうしても変らざるを得なくなったがところがせつなくて。
ラストの亡くなったロミオとの対面はやるせなさ爆発でした。ベン君だけ残っちゃったよ。およよ....
マーキュシオの極美さんはなんとキラキラしたお方かと思いました。途中、ちょっとしんどいんかなぁと思うところもありましたけど、キラキラが勝った。
映画でもマーキュシオは好きやったんです。ホンマ、エエやつやって、好きなキャラなんで亡くなったときは、やっぱりやるせなかった。
この負の連鎖をどうにかしてくれと何度も思いました。
パリス伯爵の綺城さんは絶妙な間抜け具合でした。ある意味パリスという配役が惜しいと思いましたよ。B日程....
個人的に仮面舞踏会のシーンが好きだったんですが、間抜けなパリスがキレッキレに踊るギャップがけっこうたまらんくて。タッパもあるし、ホクホクでした。
乳母の有沙さんは前評判が高かったのですが、ホンマによかった。ロミジュリで本当の母よりも、重要な存在の乳母の存在感が素晴らしく。
歌唱シーンはたまらず涙しました。
ただ上手いだけじゃなくて、こみ上げるもんがあった。好き。
ジュリエットにこの乳母がいなかったら、もっと悲惨になっていたことでしょう。救いだったに違いない。
英真さんのロレンス神父、争い堪えぬヴェローナにおいて神聖なる平和主義者。解決策もとことん平和的でしたね。
最後の嘆きはまさになんでやんねんですよ。
余談ですが、拙者が見たベルばらにもお名前があったんよな....存じ上げず申し訳ない。
劇団の良さ、連帯感というのがあのド迫力の唄と踊りに繋がってるんでしょうね。
宝塚歌劇団という、個々の技術の高さも素晴らしいですけど。
初っ端のシーンとか、舞踏会。死闘のシーンの星組全体で作り出すところがホンマにグっとくる。
今思い出しただけでも泣きながら書いてんですよ。散々ふざけたこと挟んでるくせに。
レビューのイケメン揃いのところ。
いざ踊った時の、娘役さんたちのドレスの裾がヒラリヒラリと揃って舞うところとか芸術やね。感動の雨あられやったなぁ。
本命のえまさんと『死』について
....サブタイトルだけで、すでに気持ち悪い感じが否めん。
今までは知っていただけで、知ろうとはしなかったんです。
ホンマにアホした。
それでも、にわか感は否めないが。まぁ、エエ。
NHKBSで放送された『眩耀(げんよう)の谷 ~舞い降りた新星~』をチラ見した。(改めてちゃんと見ます。)
フィナーレで右側から銀橋に出てきた彼女を見て感嘆したんです。
こら、ちゃんと見んとアカン。てめぇの目で確認してどう思うか。
そしたら、ロミジュリの公演とすんげータイミング。
ライブビューイングやら配信やら、SNSの普及のおかげで知識とチャンスが広がりました。ありがたいことこの上ない。
ほんでまた、星組なんですよ。よっぽど縁を感じます。←あつかましい。
さて、『死』について語ります。
ド初っ端にセンターで踊る彼女がなんと美しいことか。
けっこう抜かれてたそうですが、もっともっと抜いてと思ってました。
階段のところで、佇んで手すりに手をかけているところがキレイやねん。
横顔が凄く印象的でめちゃめちゃキレイなんです。
マーキュシオに髑髏の仮面を渡す手。すぅっ、て。
ホンマにキレイ。←こればっかやけど、仕方ない。
中性的な美しさの中ニヒルに笑うところはゾクッとしましたし、踊りで踏み込ん時は男性的でカッコいいのに、『死』なので足音を感じさせないというか、何というか語彙力皆無。
やはり、僕は怖いは見せ場中の見せ場でしょう。
しなやかで、ロミオの恐怖を具現化したように怪しく「死」に誘う姿は....美しい以外何もんでもない。
拙者の受けた感覚では、
「こっちへ来いッ❗❗」
ではなく、
「こっちへ、おいで。」
な、感じ。
表情は豊かですが、やっぱり美人。好き。キレイ。いくらでも見続けられる。
『死』なので、ガンガンスポットライト浴びないんですが、どうやらやっぱりひっそりと確実にそこにいるんよね。
最後の和解のシーンで悶える姿ですら、素敵と感じましたからもはや重傷。
レビューも死のまんまというか表情は締まったままやったと朧気。ほかの演者さんに比べて表情が崩れるところはあまりなかったと記憶してますが、これはこれでシャープで良いのよ。←オネェか。
破顔って、カーテンコールの時かなって思うんですけどね。今までの流れで、この笑顔のギャップはたまらんのよ。
めっちゃ、可愛い。
隣がロミジュリ守護神の英真さんで、英真さんが❤つくって抜かれた時の笑顔が、可愛いの。あら、しりとりの並びやね。
踊りだけで表現するって、さぞや大変だったでしょう。
ホンマに素晴らしかったです。
他見てないから比べようないとはいえ、以前の死を演じてる方の写真をチラホラ見たんですけど、けっこう強く激しい印象を受けました。支配感が強いんかな。
トート様っていう表現がぴったりなんでしょう。エリザベート見てへんけど。←しゃべるな。
みんな違って、みんなイイ。それで良いんじゃなかろうか。
だからかな、もっと欲しくなるんよね。
B日程のマーキュシオ見たいねん。
『死』がよかったから、どんな風にお芝居して、どんな風に踊って、どんな風に歌うんか、めちゃめちゃ気になる。見たい。
まさか更なるフラストレーションがたまることになるとは、想定外。
改めて思ったのは、観劇することで他に人に心を奪われる可能性があったのに、それでも天華えまさんに『死』に射抜かれてしまいました。
当分、この熱は引かへん。
一緒に行った聖母が若干引いてるねん。けど、エエねん。
もう少ししたら、もうちょっと冷静になるから大丈夫。←時すでに遅し。
モロモロの雑談と最後に。
観劇後の聖母との会話。
拙者:お稽古中はもちろんジャージとかスウェットやけど、靴だけはスニーカーちゃうねん。あのヒールでやってはるみたい。
聖母:へぇ。そうかいな。外反母趾なるやん。お母さんアカンわ。
....聞いてねぇわ。夢を見せる宝塚歌劇団の辞書に外反母趾などない。
人生初めての海外旅行は北イタリア。ミラノに始まり最終地はローマでした。
映画『ダヴィンチ・コード』が流行っていて、『最後の晩餐』を拝むことが出来るツアーに参加できまして。
途中、ヴェローナに寄れたんです。そして、ロミジュリの舞台となったバルコニーも見てきたんですよ。そしたら、
「このバルコニーは後付けです。」
とツアーガイドが親切に教えてくださいました。確か銅像とかもあったんですけど、よく触れるところだけはピカピカらしくてね。
おっぱいのところはピカピカやった。ワロタ。
千秋楽ということで、この公演を最後に退団される方たちのセレモニーがあったんです。
こういうのも初めてやったんで、エエ経験させていただいたな、と。
一人一人、かの有名な袴を着て大階段を降りていくという粋な演出なんですね。
ステージの中央でスポットライトを浴び、万感の思いで言葉を紡いでいく団員さんたちにもらい泣きでした。
比べるわけではありません。
東宝ミュージカルはないですが、小劇場の舞台と四季のミュージカルを見たことがあります。
それぞれの良さがあって、面白かったです。
お芝居も歌も踊りも笑いも好きなことを職にしている方に改めて敬意を。
舞台はナマモノとはよく言ったもんですよね。こんなリスクの高いもの。だからこそ、感動も一入(ひとしお)なんかなぁ。
四季も宝塚もなんですが、拙者が拝見して拙者なりのド素人の価値観で “ 天才 ” はいらっしゃらないと感じてます。ダメとかじゃなくて。
ただ演者たちさんの流した汗とたくさんの努力が見えるんです。
だから、ついつい感動してしまう。胸が熱くなるんです。
ホンマに改めて舞台の良さを気付かせていただいて感謝してます。
ありがとうございました。
宝塚歌劇団様。
役代わりの時は、もう少しライブビューイングとか配信のチャンスを増やして下さい。
これではいくら何でも殺生です。
そして、天華えまさんのバウ主演はまだでしょうか?
そんなことを切に願う、ある春の日。