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やじろべえ

1971年4月11日、高校3年の春です。ヘンなところに「Vバー」を付けて、と思うアーチャーもいるかもしれませんが、Vバーが登場したのは1975年のインターラーケン世界選手権でのダレル・ペイスからです。

この手前に付けるヘンなVバーは、ヘンでないVバーの4年前、1970年春には登場していました。名前を「やじろべえ」、スペルは「Yajirobeh」と書いたと思います。新宿にあったアーチェリーショップ「マークスマン」の守田さんと沖野さんが考案したようです。
これは日本で考え、日本で作った、初めてのオリジナル商品ではなかったでしょうか。このあと日本には「コピー商品」の文化が現れます。ノック、サイト、ロッド、タブ、そしてVバーと少しのオリジナリティーはあっても、所詮は日本の得意なコピーです。一から考えだした製品は、どれだけあるでしょうか。しかし、このやじろべえは違います。

世の中に影も形もない時に、作られ、使われました。凄いことだとは、思いませんか。しかし残念なことに、これを世界にデビューさせるチャンスがなかったのです。しかし、デビューだけでは広まりません。圧倒的勝利が必要です。それが「やじろべえ」にはありませんでした。世界でも、そして日本においてもです。
残念なことです。これほどの発明を。

1970年4月27日東日本大会での、川西大介さんです。










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