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良いグリップの見分け方と作り方!

グリップを見る時、細部はいろいろあるでしょうが、大きく「5つのポイント」があります。これは市販の出来上がったグリップを選ぶ時の基準になると同時に、もし自分にあったグリップが見つからない時は、それを加工する時のポイントともなります。

グリップを選ぶ時の第1のポイントは「リストの角度」です。
ところが近年、リストの角度をあまり語らなくなりました。その理由は、昔は1つのハンドルのモデルに、例えば「ミディアムとロウ」、「ミディアムロウとハイ」や「ロウ、ミディアム、ハイ」のように、フルセットでオプションのグリップが用意されていました。ところが最近はコストダウンが目的でしょうが、1モデル=1グリップになってきました。そのため、元々角度に基準があったわけではない「リストの角度」が曖昧になり、消えてきました。そのためアーチャーは、なにがミディアムでなにがミディアムロウのグリップかが分からず、考えなくなったのです。

ここで前回の話を思い出してください。「グリップに手を合わす」といいました。例えば、ハイリストのグリップに「ベタ押し」をすると、ピボットポイントではなく手のひら部分を押すことになります。また逆に、「ロウリスト」のグリップに「トップ押し」をすると、安定せず手首に負担が掛かります。
だからこそ、グリップに対してベタっと手のひらを添えて、一番深い所に滑り込むことこそが、手首のリラックスと安定を生むのです。そうすれば、自然とピボットポイントが押せています。リストの角度はグリップの安定とリラックスの源泉です。

この角度に手のひらを合わせます。

第2のポイントは「ピボットポイントの広さ」です。
これは見れば簡単に分かり、不良品のグリップを排除できます。手のひらはグリップに沿って、ピボットポイントに滑り込んで固定されます。その時、底であるピボットポイントが点でなく面で、上下に広ければ、毎回違う点を押すことになります。狭い必要はありませんが、底が縦の面でないグリップを選びましょう。ピボットポイントとは、一番深い所にある「1点」のことです。

ピボットポイントは楕円ではなく、円の中にあります。

第3のポイントは「グリップの太さ」です。
これはグリップの全体の幅もそうですが、それ以上にピボットポイントの「とんがり方」です。ピボットポイントの広さが「縦の線」なら、グリップの太さは「横の線」です。
極端な例ですが、グリップを矢のシャフトを押すか、スタビライザーのロッドを押すかで想像してください。とがった先端か、太い先端かです。シャフトなら手がズレてもシャフトには伝わり難いでしょう。それに対して、スタビライザーならしっかりと固定できるはずです。
どちらでも構いません。シューティングイメージと好みの問題です。

最初の3つは、好みであり、見て触ればすぐに分かります。しかし最後の2つは大事です。
第4のポイントは「左側のライン」です。
グリップには左側にピボットポイントから伸びる、「カーブ」したラインがあります。グリップを構える時、このラインに手にある生命線を重ねます。そのため、重なるには、ラインはなだらかなカーブを描き、はっきり手に感じられるものでなければなりません。
このラインを生命線に重ねることで、毎回同じグリップがとれ、手のひらが左側にズレないように固定して、滑り止めの役目を果たします。ラインに手を合わせた時、押し手から手首、そしてグリップが真っ直ぐ弓を支えることを確認してください。

このラインを生命線に合わすことで、
毎回同じグリップがとれます。

第5のポイントは「なだらかに下る平原」です。
第4のラインが山の尾根なら、そこから右に下る美しくなだらかな平原があります。手のひらをグリップに合わすとは、この部分に合わすことです。
第4第5のポイントによって、グリップは左右にズレたり、滑ることなく固定され、そしてピボットポイントに真っ直ぐ滑り込むことになります。

ここに手のひらを合わせ、支えれば、
押し手は自然とピボットポイントに滑り込みます。

これが自作して、今使っている気に入っているグリップです。
グリップは握るのでも、つかむのでも、押すのでもありません。グリップに手を合わせ、支えるのです。そして滑り込みます。第5の「面」に手を添えれば、自然に手はピボットポイントの「1点」を押しています。

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