海外賃貸物件選びの視点 / 他にも応用可能
私は米国、中国で現在7年ほど生活しています。
その間、仮住まいを除くと3つの施設に居住しました。私なりの仮説を持って物件選びをした結果、満足いく住環境を得ることができました。
この仮説は間違っていないんだな、と実感を得ておりますので私なりの海外における賃貸物件選びの視点をシェアしたいと思います。
どうぞお付き合いください。
施設ではなく、維持管理を見る
私が米国で住んだ2施設は築30年程度の集合住宅でした。施設のスペックはより築浅の物件の方が一般論として高いです。
具体的には築浅物件は水回りが整備され、室内に洗濯機が設置されているものもあります。しかしながら私が住んだ両施設は築年数がそれなりに経過しているため、室内に洗濯機・乾燥機がなく、低層階にコインランドリーがあるという仕様でした。
コインランドリーには不特定多数の人間が出入りします。逆に言えば住宅で働くワーカーだけでなく、客層(住民および、出入りする人たち)がどういった方なのかを見ることができます。
例えばコインランドリーやジムなど、大勢の人が出入りする施設があったとしてその利用者に笑顔があるか?社交的か?はたまた険しい顔をしているか?差別的に見えるか?威圧的か?などから推察できるものがあります。
共用部を通じて、生活者や利用者の像が浮き上がってくるのです。
共用部で、最も顕著に住宅の良しあしが出やすいのがゴミ捨て場です。ゴミの出し方・管理から利用者層が容易に推察できます。一般論として、ゴミ捨て場が綺麗に維持・管理されている住宅は良い住宅・良い住民が多い可能性が高いと思います。
例えば、大量のビール瓶やファストフードの食べかす・袋が捨てられていた階。住民の姿が透けて見えてこないでしょうか。ホームパーティーが多いのかもしれないですし、遅くまでどんちゃん騒ぎをされるのかもしれない。そのあたりがゴミ捨て場からは推察できます。
他に共用部の掲示板があったとしましょう。
その掲示板にあまりにも古い情報が放置されたままでないか?掲示物のサイズや場所が揃っているか?など。
情報はそれぞれの施設の色々なところから浮き上がってきて、そこからある程度仮説を持って施設を見て行くことで比較検討の材料になります。
維持管理の主体は人
上記ではゴミ捨て場や掲示板、ランドリーを例に施設からを見るポイントを挙げました。
ここで例示したのは「利用者」「住民」ですが、抜けている視点を補足します。ワーカーです。
高級住宅なら管理人・ドアマン。ポーターなどがいると思います。あるいは、掃除夫(婦)、警備員など。こうした人たちが感じがいいかどうか?挨拶があるか?笑顔があるか?会釈があるか?親切か?このあたりは住宅の質が如実に出ます。
まず施設面から触れたのは、高級住宅でなければこうしたワーカーはいないか、少ないでしょう。しかしながら、施設の維持管理から住民だけでなく、管理人たちの姿も浮かび上がってくると考えています。
この視点は住宅以外にも応用可能?
ここから余談です。
現在はプレミアムコンテンツとなっていますが以下の中村敦彦さんの対談放送で「学校の良しあし」を見分けるためにどこを見ればいいか?という話が出ておりました。
学校説明会、文化祭など「外向き」のイベントでは良いことしか言わず、良い面しか見づらいので、授業を受けている生徒たちが楽しそうならそこはいい学校だ、という会話がありました。
これは住宅の文脈なら、住民および施設利用者を見るとも置き換えられます。学校なら先生や管理人の役割がワーカーですね。ここからあらゆる施設の良しあしを見るのに同様の視点が使えるのではないか、という仮説を得ることができました。
実際に私が娘の幼稚園を見学した際に無意識にこの視点を持って見ていたんですね。結果、なかなかいい選択をできたと思っています。小学校以降も同じように見て、選択していきたいと思っています。
今日もお付き合い頂き有難うございました!