頼むよ関空、頑張れ関空 / 1インバウンドとして見た日本(7)
こんにちは、Kametaroでございます。
1インバウンドとして見た日本、第7弾でございます。2024年春に一時帰国し色々想起したことのシリーズは一旦ここで打ち止めなのですが、8弾以降は次回一時帰国した際にネタを仕入れて続けたいと思います。
さて、今回は関西空港のオペレーションがイケてないぞ、というお話です。カイゼンが得意なはずの日本企業。細かいところに目配りをし、オペレーションの効率化をするために一丸となって進んでいく。「組織全員がリーダーシップをもって、理想を共有できれば」という注釈はつくもののカイゼンは日本企業・日本組織の得意なところだと思います。
同時に、カイゼン手段の実行が目的化することも日本企業によくある姿です。ともすれば関西空港はそうなっているんじゃないのかなぁ、という姿を帰国の際、見うけられました。
キャパオーバーになっている側面もあるとは思うのですが、正直う~ん、国の看板たる国際空港もっとしっかりしてよという感じです。
では、今日もお付き合いください。
根性論で回るオペレーション
関西空港は2024年4月時点で改装中です。過去は中央部分が国内線、両翼が国際線という構えでしたが国内線を北側に集約し、空いた箇所に免税店エリアを整備、従来国際線の免税店が展開されていた箇所が改装に入っています。
大阪湾の埋め立て地であるという前提があり、現在の客数をこなすには決して広くない敷地である関西空港。それに加え改装でさらに面積が狭隘になり、そのうえで客数は劇的に増えています。
またコロナ禍で人員は減り、かつ人的資源供給制約があるのではっきり言ってオペレーションが回っていません。批判的な物言いになりますが非常にどんくさい。チェックインカウンターの行列を作るのにも、混雑対策ポールを立てる動線づくり一つとっても全くイケておりません(筆者、小売業従事者ですので混雑対策には少々ウルサイです)。
具体的に言うと、
・入口、出口がどこなのか明示されていない
・行列の先頭・最後尾・行列の終点が明示されていない
・行列の組み換えが多く、組み換え中に入口をふさがない / 案内しないので現場で混乱が発生
していました。眩暈がします。おせっかい関西人の血が騒ぎ、手伝ってやろうかと本気で思いました。
見ていると
・関西空港の人員
・航空会社の人員
・グラウンドサービスの人員
がぐちゃぐちゃになって「船頭多くして船山に上る」状態を根性論で何とかしているように感じられます。毎日お疲れ様です。
いやー、これは本当に俯瞰して課題抽出し、改善できると思うのですよね。
(昔の)バーゲン、福袋商戦をさばいた混雑対策ノウハウを持っている人ならできると思います。そんな難しいことなのかなぁ。
顧客メリットのないウォークスルー型免税店 / DXで効率悪化
今回の改装の目玉がウォークスルー型免税店です。
私はこの免税店を見て、買い物するのは楽しみにしていたのですがそれまでの行列とチェックイン・保安検査・出国審査のイケてないオペレーション3連発で疲弊し、搭乗時間もせまり、買い物するテンションでは既にありませんでした。
空港の収益力向上のために整備したウォークスルー型免税店なのに、到達する時点で時間はなくなるわ、テンションは下がるわでは本末転倒です。
出国審査場から降りると免税店エリアなのですが、人いきれで疲れた身体に香水が襲い掛かります。ちょっとキツイです。
結局免税店エリアは大混雑する一本道を、抜けてくるだけになってしまいました。なんでこの道通らないといけないの?という感じ。
ウォークスルー型免税店は、国際空港では増えてきましたしそれを一概に否定するものではありません。
しかしこの混雑具合であれば顧客にとっては単に面倒なだけで、「免税店を通らない」選択肢を取れないことは不満がたまるだけなんじゃないの?と思ってしまいました。
しかもチェックアウトがセルフレジ主体なんですよね。顧客のリテラシーがバラバラすぎる国際空港において、セルフレジは結果的に混乱をきたす原因になってしまっています。中途半端なDXが悪手になっています。
頑張れ関空、カイゼンしてよ関空
日本を発つ最後にこの環境に放り込まれて、
「日本は素晴らしい国だ!」と言えるのかなぁとちょっと考え込んでしまいました。インバウンドを取材する方は入国・滞在時でなく出国時の関空出発ロビーでインタビューしてみたら意見は違ってしまうんじゃないか、と思います。
オペレーション全体のデザインを統括者、指揮者が不在な感じを受けます。大丈夫かな、関空。私の地元関西、頑張ってほしいのですが。
次回の一時帰国で、日本を出発するゲートウェイは関空できるだけ避けたいなと思ってしまいました。今月は用務で羽田空港を使うので比較してみたいと思います。
でも、応援していますよ関西空港。ほんと、なんとかしてください。
今日もお付き合いいただきありがとうございました!