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エリザベート国際コンクール

現在、ベルギーのブリュッセルで行われているエリザベート国際コンクール。
セミファイナルが終わり、ファイナルに進む12名が先日発表となった。

ファイナル出場者

ご存知の方もいるだろうが、このコンクールはかなり独特。
ファイナルで演奏する1週間前、外部との接触を全く絶って決められた場所(昔はお城だった気がする)でお籠りをする。
そこで何をするか?
このコンクールのために作曲された新曲を、たった1人で仕上げるのだ。
通常、先生のレッスンを受けて曲は仕上げる。
独学でない限り、当たり前の事だ。
このコンクールでは、それが出来ない。
そもそも、新曲の楽譜を渡されるのがセミファイナル後。本当に1人で考えて仕上げなければならない。
また、伴奏がピアノではなくオーケストラなので、アナリーゼ力も相当必要になる。
電話(取り上げられる)も駄目。
きっと今なら、ネットも駄目なはず。
侵入者を防ぐために、外では警備員が犬を連れて警備。
お籠もりしている場所からゲネプロの為にホールに行く時も、誰とも接触しないようにドアtoドア。
本当に徹底しているらしい。

以前のファイナルは、ソナタ→新曲→協奏曲と続けて3曲演奏。
現在は、新曲→任意の協奏曲の2曲。
ファイナルに6日間かけるので、1日に2名しか演奏しない。
そのため、お籠りをする場所には、毎日2名ずつ入居して2名ずつ退居していく。
中では、エリザベートコンクールのマーク入りのお皿でお食事が提供され、お洗濯等全てがお願いできてしまうらしい。
大体、ファイナルに残る人達はあちこちのコンクールを受けているので、既に顔見知りという人がちらほら。
ここでは練習する事しかないので、ファイナリスト同士が仲良しになるとも言っていた。

ここでレーピンと一緒になって事で、チャンスがあればロシアに留学したいと思ったとAちゃんは言っていた。
その当時はまだソ連が存在していた時代だったので、ロシア人には国のSPが付いていたはずだ。
外部の人間と接触するのを極力避けさせるために。
しかし、流石にこのお籠り中SPは同行できない。
彼らは国を背負って出場している側面が少なからずあっただろうから、この中での1週間はどのような時間だったのだろう。

今回のファイナルは、5/27〜6/1。
楽しみだ。



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