FP1級基礎2023年9月2/5様

FP1級学科試験 202309基礎編5分の2
~11問から20問~

 今回はお立ち寄りいただきありがとうございます。

 こちらには、2023年9月に行われたFP1級学科試験基礎の11問~20問の私見を書かせていただいています。

 FP1級に最新版のテキストを是非用意してください、を伝えたくて書かせていただいてから1ヶ月が経ちました。
 いまだにどうすればいいのかまったくわかりませんので、2023年9月試験の答えがテキストにのっていたかどうかを数えてみました。急ごしらえですので誤差ももちろんあると思いますし、今回の問題がテキストでそこそこ見かけたような気がしたので、ちょっと数えてみるかという無責任なものでもあります。そして何よりテキストの優劣を計るつもりもありません。もし、不足している箇所が事前に見つかったら、書き足したりできるかも、と要らぬお節介を思い付いただけです。
 なお、3冊の出版社の方から了承を頂きましたので今からは書籍名を書かせていただいております。
 この場を借りまして、ご了承をいただいた関係者の方には改めてお礼を申し上げます。

 ひととおり問題とテキストをつけあわせをしてみましたが、今回の問題ではテキストのヒット率はなかなかなものだったかもしれません。
 特に、基礎編の計算問題は100パーセントヒットしていたようです。
 ざっくりですが、手が出なさそうな問題は、問2(テキストによっては一部記載されていましたが印象が薄いため記憶に残らないかもしれません)、7、8、9、10、16(微妙です)、36(テキストにはないようでしたがどこかで見たような気がします)、42のようでした。
 残りは、直取りか消去法、二者択一そして過去問の情報から正解を取れる可能性があるような気がします。

 集計は、2023年9月学科基礎問題の正解部分のみです。1問1個で数えていきますので、合計数は50問です。
 その結果は以下の通りです。答えが直接わかりそうな記述がある時に○として数えています。
 株式会社ビジネス出版社様「'23~'24 FP1級技能士学科合格テキスト」(テキストB)→29/50(58%)、TAC株式会社様「'23~'24 合格テキストFP技能士1級 TAC FP講座」(テキストC)→32/50(64%)、TAC株式会社様「'23~'24 みんなが欲しかった!FPの教科書」(テキストD)→29/50(58%)でした。テキストによって大きな違いはなさそうですので、今回の試験では、どのテキストでも6割前後を正解できるチャンスはありそうでした。そして、他の方法で得た情報でいくつか上乗せできれば7割近くまでいけたかもしれません。

 文章の私見の説明には、テキスト4冊(’22~‘23 1冊、’23~’24 3冊)に参加いただき、各テキストでの取り扱いの有無や取り扱い方、また、付け加える情報などをなんとか交えつつ投稿させていただきました。選択肢の最後に、テキスト:A○B○C○D○と書かれている部分は上記のテキストを記号で表示をしています。BはテキストBつまり「FP1級技能士学科合格テキスト」というふうになります。

 なお、実力が伴っていませんので、そんなもんだろ、な出来上がりになっています。もし、お読みいただくようでしたらその辺は差し引いてお願いいたします。

 そして、今でも続けて解説を提供されている皆様、大変な作業量にも関わらず定期的に届けて下さりありがとうございました。私も色々お世話になりました。この場を借りてお礼をさせていただきます。

 なお、こちらの文章は私見になりますため、不都合などが発生しても責任を負いかねますことをあらかじめご了承ください。
 また、気になることがありましたらお調べ直していただきますようお願いいたします。

 問題文利用の了承はいただいておりませんので、問題文はお手元にご準備いただきますようお願いいたします。

 お手数をおかけいたしますが、どうぞよろしくお願いいたします。

A(確実に正解を取ります問題)
B(過去にも出題されていないようだしテキストにも記載されていない。鉛筆コロコロ問題です。)
C(迷いながらも正解を取りたい)
D(頭をかかえる問題。わからなくても仕方がない)

問11 ② C 直取りができないと消去法は精度が若干下がるかもしれません。3)が個人年金保険料税制適格特約が付加された場合の裏側の説明になっているようです。
肢1、× 生命保険は、書類が到着して翌日から5日以内が原則です。損害保険は原則として諸手続きが完了してその日を含めて30日になります。どちらも原則のため、保険ごとに約款で決めても問題ないようです。ただ、その期日であるしっかりとした裏づけが必要でもあるようです。テキストは保険法の中で解説しています。テキスト:A,○B,○C,○D,○
肢2、○ 遺言で可能のようですが、保険会社に通知をするのは相続人に限るようです。テキスト:A,○B,○C,○D,○ 
肢3、× 直接説明されているテキストはありませんでしたが、選択肢の設問は「個人年金保険料税制適格特約」が付加されている年金の解説のようです。テキスト:A,○B,○C,△D,○
肢4、× 払済保険、延長保険とも告知や医師の審査は必要ありません。ただ、保険会社によってはもとの保険に戻せるケースもあるようですので、そのときには必要になるようです。テキスト:A,○B,○C,△D,○×(△:直接の解説無し、もとの保険に戻すとき告知などが必要、から推測)

 まずは、損害保険の保険金支給期日が見当たらないテキストがありました。原則では書類が整ってその日を含めて30日だそうです。ただ、生命保険も損害保険も根拠となる法律はなく、保険の大元となる約款で決めているらしいです。つまり、約款をかえることによって保険ごとに決められるようです。もちろん、変更には具体的な日数と適切な根拠が必要なようです。
 最後にひとつです。どのテキストも「支払調書」の特徴を解説しています。

問12 ② Aに近いC 直取りできます。他の設問も見慣れたところです。定番の問題といってもいいかもしれません。ただ、3)と迷ったときに3)を選んでしまうかもしれません。
肢1、× 少額短期保険は保険料控除の対象外です。テキスト:A,○B,○C,○D※,○(※:少額短期保険科目で説明されている。他のテキストは生命保険と税金です。)
肢2、○ これまでも出題された問題のようです。控除の対象になります。テキスト:A,○B,○C,○D,○×
肢3、× 定期保険は生命保険料控除になります。テキスト:A,○B,○C,○D,○×
肢4、× 前納と一括では控除対象期間が違ってきます。一括支払いの説明のようです。テキスト:A,○B,×C,○D,○,

 保険料控除は定番問題の一つです。控除額の計算はこれまでも出題されていますが、どのテキストも支払い保険料ごとの控除額の表を載せています。それも、新旧の所得税と住民税です。一歩間違えれば難問の仲間入りです。
 そして、より要注意なのが旧制度のまま変わらない変更です。対象となるケースはいくつかあるようですが、ネットで調べてもなかなか見つかりません。複数のテキストで記載しているところを付記しておきます。
▪保証性のない特約(リビング▪ニーズ、指定代理請求特約)、控除対象外(傷害特約、災害割増特約など)、
契約者名変更、特約の減額、復活などです。それとは別に、ひとつ気になる箇所があるのですが、どうやっても分かりませんでした。

 

問13 ① A 直取りです。個人賠償保険というより損害保険における絶対的な決まりごとです。故意は賠償保険はじめ傷害保険も自動車保険(自身への補償です)、火災保険も対象外です。ただ、賠償責任保険では重過失が補償の対象になっているケースが多いです。それぞれの保険の約款で確認することにはなります。
肢1、○ 故意は対象になりません。テキスト:A,○B,○C,×D,×(×:当然過ぎてだと思います)
肢2、× 他の要件を満たした場合、事故発生時点で判定します。テキスト:A,○B,×C,×D,×
肢3、× 別荘も対象になります。貸家は事業扱いになりますので対象外です。テキスト:A,○B,○C,○D,○
肢4、× 自動車事故は対象になりません。テキスト:A,○B,○C,○D,○

 賠償責任保険は事業用がその種類が多く、あたらしい保険も生み出されてくるようです。今のところでは、「会社役員賠償責任保険(D&O保険)」や「サイバー保険」、「個人情報朗詠保険」などが思いつくところです。また、定番としては、「労働災害総合保険」になりそうです。

問14 ③ C 直取りできなくても消去法が可能。いくつかこれまでとは違う箇所を出題しているようです。でも、テキストではどの選択肢も解説しています。
肢1、○ 72時間以内がひとつの目安のようです。テキスト:A,○B,○C,○D,×
肢2、○ 地震保険をつけないための署名欄があります。テキスト:A,○B,○C,○D,×
肢3、× 全体の予算は12兆円だそうです。12兆円を超えた場合の計算方法もあるようです。テキスト:A,○B,○C,○D,○
肢4、○ 何度も出題されている問題です。30cmを基準とした問題が多いです。テキスト:A,○B,○C,○D,○

 地震保険は見慣れないところの出題かもしれませんでしたが、テキストでは取り扱っているようです。また、どのテキストも、補償の対象となる家財などの紛失、盗難は対象外と書いてありました。地震保険の対象、対象外はテキストできちんと説明をしているようです。

問15 ③ A 直取りです。事業所得の必要経費で定番どころが揃っていました。
肢1、× 出来ます。テキスト:A,○B,○C,○D,○
肢2、× その通りです。テキスト:A,○B,○C,○D,○
肢3、○ 個人扱いになりますので出来ません。テキスト:A,×B,×C,○D,○
肢4、× 従業員の傷害保険を受け取ったときは収入に算入します。テキスト:A,○B,○C,○D,○

 お持ちのテキストで記載場所が不明でしたら、「損害保険と税金」にある「個人事業主と税金」を探してみてください。C,Dは問題文のまま書かれていました。

問16 ④ B 2)と3)はテキストによっては説明されていました。1)と4)の二者択一に持っていけたら、1)が適切らしいと肌感覚でいけそうです。
肢1、○ 米労働省が毎月中旬に公表するらしいです。米国雇用統計と同じく米国の金融政策決定の指針となるほどだそうです。テキスト:A,×B,×C,×D,×
肢2、○ その通りです。毎月公表とのことです。テキスト:A,×B,○C,○D,×
肢3、○ その通りです。こちらも毎月公表されるとのことです。テキスト:A,○B,○C,○D,×
肢4、× 2010年を100として→1985年を100として、1,000人→5,000世帯、だそうです。テキスト:A,×B,×C,×D,×

 用語説明問題でアメリカの経済指標でした。テキストの扱いは2分の1で、扱っていても多くて3指標の説明でした。解説の内容に大きな違いは見当たらないようです。

問17 ① A 直取りです。
肢1、○ EB債の特徴のひとつです。上昇した場合は債券で償還して、値下がりした場合は株に交換です。どちらにしても受け取る側にうまみが見当たりません。どうやら所有中の利回りが通常より高く設定されているらしいです。テキスト:A,○B,○C,○D,○ 
肢2、× 株価指数連動債(リンク債)とは、株式指数に連動して償還価格が変動する仕組み債のひとつだそうです。詳しいことがわからなくても“償還金額が額面価格を下回ることはない”はずはないです。テキスト:A,×B,×C,×D,△(△:日経平均リンク債が説明されている)
肢3、× 固定利付債の元本部分と利子部分を分けてそれぞれを割引債とする仕組みだそうです。テキストでは、外貨建商品科目に含まれています。テキスト:A,○B,○C,○D,○
肢4、× 定番中の定番です。外貨建で償還の場合がデュアルカレンシー債、利払いを外貨で支払うのをリバース・デュアルカレンシー債といいます。利払いはリバースなので「り」繋がりです。“利払い、リバース”で覚えてもいいかもしれません。他に、すべて外貨建ての「外貨建外債(ショーグン債)」、払込、利払、償還すべてが円建の「円建外債(サムライ債)」が載っています。テキスト:A,○B,○C,○D,○

 債券科目の問題でした。債券では、デュレーションと利回り計算というツートップがありますので、それ以外の情報は見落としがちになってしまうかも知れせん。ただ、EB債の踏み込んだところ(過去に出題されているようです)や国債(個人向け、新窓販、地方債など)など大きな違いがなく(過去に出題されているフローター債があったりなかったりなど)丁寧にどのテキストも解説をしています。
 そして、気になるところが「国債」の扱いです。過去での出題もあまり見当たりませんし、テキストでの扱いもばらばらです。そのため見落としがちなところでもあるようです。特徴的なところだけでも抑えておくのもいいかもしれません。テキスト(国債):B△(文章で説明)、C○(一覧図で特徴を説明)、D×

問18 ③ D 消去法でなんとか。ただ、株式累積投信と株式ミニ投資はどのテキストも扱っています。
肢1、× 上限は100万円未満です。テキスト:A,○B,△C,○D,○(△:100万円未満の記載無し)
肢2、× 単元株になるまでは名義人にはなれないようです。ただし、持分に応じて配当はされるらしいです。そして、累とう→再投資、ミニ→配分と同じ配当でも違いがあるとのことでした。当テキスト:A,○B,×C,○D,○×
肢3、○ その通りらしいです。
◆株式累積投資及び株式ミニ投資の取扱いに関する規則(平 7. 9.27)
(省略)
第 2 章 株 式 累 積 投 資
(省略)
第6条 会員は、顧客から売却の申し込みを受けたときは、あらかじめ定めた売却注文を執行する日の、あらかじめ定めた取引所金融商品市場における一定時の価格に基づき行わなければならない。
2 前項に規定する価格について、取引所金融商品市場の価格に基づき決定する場合は、取引所金融商品市場の一定時における最良気配の範囲内の価格又は売買高加重平均価格でなければならない(日本証券業協会ホームページより一部抜粋)
だそうです。専門用語のオンパレードですので、こういうものだとして覚えるしかないようです。ただ、他の選択肢は、テキストで説明されていますので消去法も可能かもしれません。
テキスト:A,×B,×C,△D,×(△:問題文の前半は記載されているが後半は載っていなかった)
肢4、× 約定日は受託した翌日で、受渡日は約定日から3営業日目だそうです。テキスト:A,△B△C,○D,×(△:受渡日がわからなかった。×:他のテキストと同じ説明のようですが答えに直結は難しいようでした)

 株式科目です。基礎と応用ともに用語説明、制度理解、計算問題等と覚えることばかりの領域です。それで、選択肢3にある”気配”についてです。ときおり“気配値”という単語が問題文に表れてきますが、これまでどこにも用語の説明はありませんでした。ただ、今回のテキストの中でその解説がありました。それだけでもお伝えしておきます。D○(P128)

問19 ④ C 直取りです。外貨取引でまとめてきています。まだ、用語解説でとどまっているようですが、外貨取引はこれからも要注意かもしれません。
肢1、○ その通りです。テキスト:A,×B,○C,○D,△(△:為替の解説で読み取れます)
肢2、○ その通りです。外国証券取引口座の解説はどこにもないようです。ただ、おそらくそうだろうと検討はつきそうです。テキスト:A,×B,×C,×D,△(△:ショーグン債などで外国証券取引口座が不要とされているところから読み取ることになりそうです)
肢3、○ 所有している価値は為替がどう動けば膨らむかを考えます。手放したいドル(債券)は固定しています(100ドルの債券は100ドルのままです)。円の変動を考えますので、1ドル=100より1ドル=150円が価値が膨らみます。したがって円安が適切になります。テキスト:○×なし
肢4、× 外国為替証拠金取引です。証拠金の25倍までです。証拠金は取引額の4%ともありました。どのテキストも特徴の説明をしています。テキスト:A,○B,○C,○D,○

 外貨建資産の部門は、スケールの大きな仕組みが多すぎて身近な制度ルールを見逃してしまいがちかも知れません。

問20 ③ A 消去法です。金融分野での用語解説問題です。過去にも肢4がノックイン、ノックアウトと違っているだけで出題されているようでした。
肢1、× ITM(イン・ザ・マネー)はひらったく言うと、儲けが出ている領域に所有している資産が(権利行使価格)とどまっている状態のことらしいです。原資産価格→資産価値が上がったり下がったりしている方。権利行使価格→所有している資産の価値です。コールですから100円で手に入れる権利だとしたら、100円以上になっていると価値が膨らみます。ですので、原資産価格>権利行使価格です。プットは逆ですから、原資産価格<権利行使価格になります。テキスト:○×なし
肢2、× カラーはどちらにしても売りと買いの組合せになりますので、不適切となります。テキスト:A,○B,○C,○D,○
肢3、○ 用語解説のなかでもシンプルな問題でした。テキスト:A,×B,△(ヨーロピアンタイプのみありP233)C,○D, ○
肢4、× スワップションは、スワップを行う権利の取引ということらしいです。スワップションは、オプション科目またはスワップ科目のどちらかで扱われているようです。テキスト:A,○B,○C,○D,○

 スワップションには以下の種類があるらしく、どのテキストでも解説しています。
 ベイヤーズ・スワップション→固定金利支払い/変動金利受取の権利。
レシバーズ・スワップション→固定金利受取/変動金利支払いの権利 だそうです。

 デリバティブ取引でやっていることは何となく分かるけど、それでももやもやするなー、という場合に、一つの考え方にどうでしょう。
 利用の事情は様々だと思いますが、この仕組みは価格の上下動で差額を稼ごうとしているとしてしまいます。その上下動は恐らくですが常時動いていると見ていいのでしょう。常に動いているので、株も為替も金利も上がる局面もあるだろうし下がりもするだろうしなので、そのスパンで取引をしているから金利なども取引が成立すると考えられます。そして、やらかすこともあるので、反対取引などの逆張りの仕組みが準備されます。

 ただ、これらの取引に参加するためには、多額のまとまった資金が必要になります。一般の庶民が参加するには敷居が高すぎます。でも、興味のある個人にも参加させないと不公平になりかねません。しかし、そうそう小分けもできないし。そこで考えられたのがオプション取引と考えると、モヤモヤしていたものがしっくりくる場面もあるかもしれません。オプション取引単独の取引所もあるらしいので。

問11から問20の私見は以上となります。

最後までお付き合い頂きありがとうございました。