FP1級基礎2024年5月+α 3/6様

FP1級学科試験 2024年5月 基礎編 

 この度はお立ち寄りいただきありがとうございます。

 2024年5月に実施されました学科試験の基礎編の私見を書かせていただきました。今回は、金融分野の問16~問24までになります。

 また、これまでどおり下記のテキストでの取り上げ具合もざっくりではありますが数えてみました。前回の2024年1月と同程度の直撃率になっていますが、推察可能かも、は含めませんでしたので、数値はもうちょっと上乗せされるかもしれません。
 消去法を使って残り一つに絞りこめる問題や過去に出題されている問題も今回はそれなりにありますので、なんやかやを考えると直撃率にいくつか足した数を正解できる可能性もありそうです。

 今回の出題傾向でまず目に付くのは、計算問題です。ステルス計算問題である問43 2)以外で、問1、問22、問31の3問と少な目でした。なのに、そのうちの2問は思いもよらないところからやってきました。もう、ほとんどびっくり箱状態です。

 その、びっくり箱の正体ですが、問22は、現物と先物の収支をそれぞれで算出し両者の差額に「×1億÷100円」を掛け合わせて正答になるようでした。果たしてこれで正しいのかどうか調べなおしている最中です。

 そして、問31は、計算式が「No.5651特定資産を買い換えた場合の圧縮記帳」として国税庁のホームページにありました。

 全体を通しては、濃淡の違いは若干あるとしてもこれまでの出題傾向を踏襲している様子でした。これまで頻繁に扱われていないところで、テキスト目線で眺めてみますと、「以上」「未満」「超える」「以下」「かつ」「または」など文章に埋もれがちなところからの出題は少ない様子で(例えば問6「各種加算」)、その項目で印象的なところが選ばれて出されていた感が強いようでした。

 例えば、問3の「高額療養費の合算可能被保険者」、問4「教育訓練給付におけるキャリアコンサルティングとジョブカード」、問9「保険会社が破綻した場合の保険料支払について」、問10「保険募集人の罰則規定」、問24「個人情報の有料開示について」、問34「35条書面(重要事項説明書)と37条書面の違い」、

 問35「実測面積と公簿面積」(問題文とうまくリンクできないかもしれません)、問37「土地区画整理法について」、
 問46「相続・贈与の納税義務者について」(単語の長さに惑わされそうですが、ざっくり覚えるのは思いのほかいけそうです。事が起こったときに日本に住所がある→居住、国内・国外の資産に課税される→無制限、になります。そして、該当しない方は非居住、制限になります。
国内に住所があるけれど例外とされる方、10年以内に住所があるけれど例外とされる方、10年以内に住所がない方、など同士のときに、居住制限納税義務者または非居住制限納税義務者になります)
 問50「非上場株式についての納税猶予・免除の特例における提出書について」などになりそうです。

 すみません、おもいっきり横道にそれてしまいました。それでは、本題に戻ります。

[Ⅰ]テキスト直撃率
書籍(b) 「’23~’24版 FP1級技能士学科合格テキスト」→32/50 62(%)
書籍(c) 「’23~’24版 合格テキストFP技能士1級 TAC FP講座」→29/50 58(%)、
書籍(d) 「’23~’24版 みんなが欲しかった!FPの教科書」→29/50 58(%)
(書籍名の使用は出版社より了解をいただいています。ご対応いただきましたご担当者様には改めてお礼を申し上げます)
 なお、書籍(a)は’22~’23版のため、今回より上記の3冊にさせていただきました。

[Ⅱ]テキストや過去問などで正解が導き出せそうな問題について
●正解を取れそう。
A:テキストにあるし見慣れたところ:下記以外26問  
B:正解以外テキストに回答有り(消去法可):問3、5、6、9、11、12、17、18、20、30、35、合計11問
C:過去に出題されている:問26、29 合計2問
D:感覚で回答できる: 合計0問

●難問になりそう。
E:テキストにあるけれど文面をなぞって終わる可能性がある:問19、34、46 合計3問
F:改正等(直近): 合計0問
G:見覚えないorあやふや:問2、7、21、22、31、42、47、48 合計8問
正解が可能と思えるのは、A~Dの38問のようでした。39/50 78%

 題名にあります+αは以下の通りになります。
 【周辺情報等】テキストではみかけるのに過去問では影が薄いところの情報。
 【法改正等】ここ数年の間に法律が出来たり変わったりまた何か動きがあって、探し当てられた情報。
 【問ア、問イ…】応用問題の穴埋めで過去に出題されているところを絡めた一問一答。

 なお、こちらに関することは私見の域をでていませんので、気になるところがありましたらお調べ直していただきますようお願いいたします。

 また、試験問題の使用は了承をいただいていませんのでお手数ではありますがお手元にご用意いただけますと助かります。

 どうぞよろしくお願いいたします。

問16 ③ A 景気動向を計る経済指標について。

肢1、〇 全国企業短期経済観測調査(短観)は、日本銀行が4半期ごとに調査を行います。調査時期は、3月、6月、9月、12月とされ、発表は4月初旬、7月初旬、10月初旬、12月中旬です。その中で、新卒採用状況は、6月と12月のみ調査されます。
 景気を計る指数にGDPがありますが、2023年度は実質1.0%、名目5.0%となり、2024年の1月から3月期は実質‐0.7%、名目‐0.2%となりましたが、2024年4月から6月期は実質0.8%、名目1.7%とプラスに転じました。(下記◆Ⅱ参照)テキスト:(b)×P178(c)×P7(d)×P8
◆Ⅰ「短観解説」P4,P5:(日本銀行ホームページより)
https://www.boj.or.jp/statistics/outline/exp/tk/data/extk05a.pdf
◆Ⅱ「国民経済計算(GDP統計)」:(内閣府ホームページより)
https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/menu.html

肢2、〇 日銀短観の判断項目は、「最近」と「先行き」の2時点に関し、最も近い状況について3つ(1需要過多、2ほぼ均衡、3供給過多)から選択します。また、季節変動がある場合は季節変動要因を除いた実勢ベースで回答します。テキスト:(b)×P178(c)P7(d)P8
◆「短観解説 2、調査内容(1)判断項目」P11:(日本銀行ホームページより)
https://www.boj.or.jp/statistics/outline/exp/tk/data/extk05a.pdf

肢3、× マネーストック統計は、金融分野から市場に出回る通貨量の総数になり、日本銀行が毎月公表しています。前提として、中央政府と金融機関の財布は含まれていません。区分は、「M1」「M2」「M3」「広義流動性」になり、金種はM1から順番に流動性が高い順に範囲が広がっていきます。「M2」「M3」の金種は同じで「M2」だけゆうちょ銀行の貯金が除かれます。

《流動性》M1:現金通貨+預金通貨→M1+準通貨(定期預金など)+CD(M2,M3)→前記+金銭の信託+投資信託+金融債+銀行発行普通社債+金融機関発行CP+国債+外債(広義流動性)
 通貨保有主体や金融範囲によりいくつかに分けられていて、景気動向指数の先行系列に採用されているのは、設問にある「M1」ではなく「M2」になります。

 「M2」の場合、通貨保有主体は中央政府・金融機関が除かれ、金融種類はM1に準通貨(定期預金等)やCD(譲渡性預金)を加えたものになります。また「金融への預貯金」にゆうちょ銀行の貯金は含まれません。テキスト:(b)P180 (c)P9(d)P10
◆「マネーストック統計の概要」:(日本銀行ホームページより)
https://www.boj.or.jp/statistics/outline/exp/data/exms01.pdf

肢4、〇 企業物価指数は、基本分類指数である「国内企業物価指数」「輸出物価指数」「輸入物価指数」と参考指数で構成され、日本銀行から毎月公表されます。

 公表時期は、原則として翌月の第8営業日(定期遡及訂正を行う9月は第9営業日)に速報値が、翌々月の第8営業日に確報値が出されます。参考指数の中に、「連鎖方式の国内企業物価指数」があります。連鎖方式とは、一定の年を基準として比較する方式ではなく、規準を更新して基準年を前年とする方式です。テキスト:(b)P179(c)P9(d)P12
◆「企業物価指数の(2020年基準)概要」:(日本銀行ホームページより)
https://www.boj.or.jp/statistics/outline/exp/pi/cgpi_2020/outline.htm

【周辺情報等】投資者保護基金(金融商品取引法第79条の2以降)について。テキスト:(b)P259(c)P150(d)P46
 国内営業を行うすべての証券会社は投資者保護基金に加入することが義務付けられています。

 証券会社は、投資者から預託を受けた有価証券等について証券会社の財産とは分けた分別管理を行います。何らかの事情により分別管理が適切に行われず、証券会社の破綻時において有価証券等を返還できない場合に投資者保護基金より一般投資家一人につき1,000万円を上限に返還します。

 また、1,000万円を越える部分は、通常の債権と同じように裁判で返還を請求することになります。
 保護基金は、属性や種類により対象とならない場合もあります。

《属性》(対象)個人、対象外以外の法人など(対象外)銀行、証券会社、保険会社、国、地方公共団体等
《種類》(保護)有価証券関連、商品デリバティブ、くりっく株365取引きなど。(保護外)店頭デリバティブ取引、外国市場デリバティブ取引、第2種金融商品取引業、くりっく365取引きなど。
◆「投資者保護とは」:(日本投資者保護基金ホームページより)
https://jipf.or.jp/introduction/index.html

【法改正等】2024年3月18日、19日の金融政策決定会合で「金融政策の枠組みの見直しについて」が発表されています。

その中で
 1、マネタリーベースの残高に関するオーバーシュート型コミットメント※については、その要件を充足したものと判断する。
 ※オーバーシュート型コミットメント
 物価上昇率2%の目標を上回ったとしても、すぐに金融緩和政策をやめるのではなく安定的に2%を超えるまで続けると宣言する、こと。

 2、この方針を実現するため、日本銀行当座預金(所要準備額相当部分を除く)に0.1%の付利金利を適用する。新たな金融市場調節方針および付利金利は、翌営業日(3月21日)から適用する。

 3、足もとの長期国債の月間買入れ額は、6兆円程度となっている。実際の買入れは、従来同様、ある程度の幅をもって予定額を示すこととし、市場の動向や国債需給などを踏まえて実施していく

〇長期国債以外の資産の買入れ

①ETFおよびJ-REITについて、新規の買入れを終了する。

②CP等および社債等について、買入れ額を段階的に減額し、1年後をめどに買入れを終了する
 などと、方向性が示されました。(下記◆Ⅰ参照)
◆Ⅰ「金融政策の枠組みの見直しについて」:(日本銀行ホームページより)
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2024/k240319a.pdf
◆Ⅱ「経済物価情勢の展望 2024年4月」:(日本銀行ホームページより)
https://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor2404b.pdf

【問ア (a)にはいる数値は】景気動向指数は、現在全部で30指数が指定されています。指数は、先行指数、一致指数、遅行指数に分かれていて、一致指数は生産指数(鉱工業)、有効求人倍率など(a)指数となっています。
(答え:介護休業給付金の受給となるために公共職業安定署長が就業をしていると認める日数に一定の線引きがありその制限を越えると受給ができなくなる日数と同じです。)単位違い

問17 ① B 信託とは、「自分の大切な財産を、信頼できる人に託し、自分が決めた目的に沿って大切な人や自分のために運用・管理してもらう」制度です。(一般社団法人信託協会ホームページより)
 大きな特徴の一つに、信託財産の所有者が受託者に移ることがあげられます。また、信託には金銭信託と金銭外信託があり、設問のすべては金銭信託となります。

肢1、〇 「特定寄附信託」は受託機関に信託した金銭をあらかじめ指定した公益法人や認定NPOに寄附する信託です。運用収益部分も寄附されることになり、収益部分も非課税になります。ただ、受託金融機関等が契約を締結した寄附先が対象になりますので寄附できる相手が異なることもあります。 
 
 また、一定の要件を満たす団体に寄附することにより、「寄附金控除」または「寄附金特別控除」を選択して「税額控除」を受けることも出来ます。テキスト:(b)×P225(c)×P112(d)×P264
◆「特定寄附信託」:(一般社団法人信託協会ホームページより)
https://www.shintaku-kyokai.or.jp/products/public_interest/public_interest/specific_donation.html

肢2、× 暦年贈与信託は、均等額である必要はなく、任意で金額を決めることが出来ます。

 暦年贈与信託とは、信託した金銭を暦年贈与の取り決めに沿った流れで受託者が手続きを取ってくれる信託商品です。贈与なので都度贈与者の意思表示と受贈者の承諾が必要になります。

 複数人の受贈予定者を指定することもできますし、また、受贈者を変えることも可能な信託になります。

 受贈者が変わるときに、先の受贈者から別の受贈者とされる部分は、原則では、先の受贈者からの贈与と認定されるようですが、そのあたりも現時点でクリアされている様子でした。(法改正など予期せぬ変更がないとはいえないともされています)また、定期金と認定されないことも必要です。テキスト:(b)225(c)P112(d)P264

肢3、× 「後見制度支援信託」は、支援とされているように、後見制度が前提の信託となりますので、信託の変更・解約等は家庭裁判所の指示書が必要になります。

 対象者は、法定成年後見制度および未成年後見制度の被後見人の方になり、被保佐人、被補助人、任意後見人制度の被後見人の方たちは含まれていません。テキスト:(b)P225(c)P113(d)P264
◆「後見制度支援信託」:(一般社団法人信託協会ホームページより)
https://www.shintaku-kyokai.or.jp/products/public_interest/public_interest/guardianship.html

肢4、× 設問にある、遺言書の保管や遺言書の執行まで行うのは「遺言信託」(下記◆Ⅱ参照)についての説明文です。

 「遺言信託」は遺言書作成の相談から始まり遺言書作成までの全般の面倒をみる信託です。設問で問われている「遺言代理信託」(下記◆Ⅰ参照)は、遺言書の保管などは行わず、相続発生前は委託者と受益者が同一人物となり、第二受益権者を指定することにより相続が発生した時にスムーズな資金供与が行える信託になります。テキスト:(b)P225(c)P112(d)P264
◆Ⅰ「遺言代用信託」:(一般社団法人信託協会ホームページより)
https://www.shintaku-kyokai.or.jp/products/individual/assetsuccession/testament_substitution.html
◆Ⅱ「遺言信託」:(一般社団法人信託協会ホームページより)
https://www.shintaku-kyokai.or.jp/products/individual/assetsuccession/testament_inheritance.html

【周辺情報等】指定紛争解決機関(金融商品取引法第156条の38)について。テキスト:(b)P263(c)P167(d)P67

 ADRは「裁判外紛争解決手続き」とされ、裁判によらず問題の解決を図る手法のことをいいます。いわゆる、「あっせんや仲裁、調停」などです。
 その考えを金融業界に取り入れた制度が「金融ADR制度」になります。

 「金融ADR制度」は、「指定紛争解決機関」(金融ADR機関)を通して金融機関とのトラブルを解決するための制度になります。「指定紛争解決機関」は金融商品取引法第156条の39で定義され業界単位で機関を設立し、設立には内閣総理大臣の指定が必要になります。主たる特徴は以下の通りです。

 ・利用者が、金融ADR機関に紛争解決を申し立てると、金融機関は、申し立てに応じなくてはいけません(法第156条の44第2項第2号)

 ・紛争解決委員は、公正・中立な立場で和解案を作成して和解を勧告することが出来ます。(法第156条の44第2項第4号)

 ・手続きを進める上で紛争解決委員会は、加入金融取引業者に対して報告又は帳簿書類の提出等を求めることが出来ます。(法第156条の44第2項第3号)

 「指定紛争解決機関」を設置していない業界は、相談センター等の窓口を設けて対応しています。

 ただ、「指定紛争解決機関」ではないため、前述にある「加入金融機関は申し立てに応じる義務」「紛争解決委員の和解勧告」「報告又は帳簿書類の提出」など、指定紛争解決機関と同様な権限は相談センターにはないため、相談センターは両者の言い分を聞き取ることになり、また、書類の提出を求める権限も持っていません。

 他に「裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律」があります。こちらは、金融に限らない紛争に対応した法律になります。

 こちらの法律でも「認証紛争解決手続」等が定められていますが、認証は法務大臣が行い、認証された手続きや事業者等について定められている法律です。
◆「金融ADR制度について」:(金融庁ホームページより)
https://www.fsa.go.jp/news/22/20100915-1/01.pdf
◆「金融機関との間でトラブルを抱えている利用者の皆様へ」:(金融庁ホームページより)
https://www.fsa.go.jp/policy/adr/adr_pamphlet.pdf

【法改正等】犯罪収益移転防止法が改正され、士業との一部取引きに、取引時の確認事項が追加されるほか、疑わしい取引の届出義務が追加されました。令和6年4月1日に施行されています。

〇追加で確認が必要な取引きとされた事項(司法書士、行政書士、公認会計士、税理士)
・宅地または建物の売買に関する行為または手続。
・会社等の設立または合併等に関する行為または手続。
・200 万円を超える現金、預金、有価証券その他の財産の管理・処分、などです。

〇追加された確認事項は、「取引きを行う目的」「職業(個人)、事業内容(法人)」「実質的支配者」「資産及び収入の状況(ハイリスク取引※で、200万円を超える財産の移転を伴う場合に限る。)」(司法書士は除く)
などです。

※ハイリスク取引きとは、
・過去の契約の際に確認した顧客等または代表者等になりすましている疑いがある取引
・過去の契約時の確認の際に確認事項を偽っていた疑いがある顧客等との取引
・イラン、北朝鮮に居住、所在する顧客等との取引
・外国の重要な公的地位にある顧客等との取引 をいいます。

〇疑わしい取引きに対して届出義務(行政書士、公認会計士、税理士)も求められています。
・定受任行為の代理等において収受した財産が犯罪による収益である疑いがある取引き。
・特定受任行為の代理等に関し、組織的犯罪処罰法第10条の罪もしくは麻薬特例法第6条の罪に当たる行為を行っている疑いがあると、認められる取引き、となります。

◆「士業者との取引きに関する改正収益移転防止法等の施行について」:(警察庁ホームページより)
https://www.npa.go.jp/bureau/sosikihanzai/hansyu/houreikaisei.html
◆「令和6年4月1日施行 改正犯罪収益移転防止法」:(警察庁ホームページより)
https://www.npa.go.jp/bureau/sosikihanzai/hansyu/leaflet.pdf

【問イ (a)にはいる数値は】株価指数先物で日経平均先物の取引き単位は「先物価格×(a)」になります。
(答え:地積規模の大きな宅地は面積に一定の規定がありますが、三大都市圏以外における宅地の地積と同じ数値です。)単位違い

問18 ④ B「委託者指図型投資信託」とは、委託者、受託者(信託会社など)、受益者の三者で構成される投資信託です。

 委託者の指示により受託者が不動産や有価証券などに投資をして運用を行う投資信託です。委託者と受益者が同一で直接受託者に資産を預け受託者がみずから運用を行う信託を、「委託者非指図型投資信託」と言います。

肢1、〇 委託者(投資委託会社)は資金を集めて資金の運用を指図します。また、目論見書や運用報告書の作成も行います。テキスト:(b)219(c)P19(d)P182

肢2、〇 受託者は、資産の保管や管理を行います。また、資産の委託者の指図に従って預かった資金を運用します。受託者は預かった資産の所有者になりますが、自己の資産と明確に分け、分別管理が義務付けられています。受託者とは、信託銀行などになります。テキスト:(b)×212(c)P19(d)P182

肢3、〇 販売会社は、投資家に対してファンドの販売や収益分配金の支払などを行い、投資家と直接やり取りをする窓口になります。一般的に受益者に対して、目論見書・運用報告書の交付を行います。いわゆる、証券会社や投資を販売する銀行などです。テキスト:(b)×P212(c)P19(d)P182

肢4、× 書面による決議において受益権の口数に応じた議決権を有していて、投資信託約款の変更は議決権の3分の2以上にあたる多数になります。(投資信託及び投資法人に関する法律第17条8項)設問中の4分の3が誤りです。テキスト:(b)×P212(c)×P19(d)×P181

【周辺情報等】各国の株価指数について。
 FP資格では、「株価平均型」は「日経平均株価」「NYダウ」の二つとなり、他の指数のほとんどは「時価総額加重型」となっています。
 
「株価平均型」は株価の高い銘柄である値がさ株の影響が強くでて、「時価総額加重型」は、時価総額の大きい銘柄に影響されやすい、という違いがあります。
◆「よくある質問(株価指数関連) 株価指数の仕組み等 Q4」:(日本取引所グループホームページより)
https://www.jpx.co.jp/faq/stock_price_index.html

《アメリカ》
ダウ平均株価指数:ダウ工業株30種の平均の指数で、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが算出・公表しています。ニューヨーク証券取引所とNASDAQ市場の代表的な30銘柄を扱う修正平均株価です。

ナスダック指数:ナスダック市場の全銘柄を対象とした時価総額加重型の指数です。IT・ハイテクナ関連の銘柄が中心に取引きされています。他には、 「ナスダック100指数」があり、ナスダック市場は、全米証券業協会が運営する株式市場になります。

S&P500種株価指数:ニューヨーク証券取引所やナスダックなどに上場している主要な銘柄500種の時価総額を加重平均して算出される指数です。S&Pは1941年~1943年の平均を10として算出しています。銘柄入れ替えは四半期ごとに検討されますが定期的に行われていません。

《イギリス》FTSE指数:ロンドン証券取引所の上場銘柄のうち主要銘柄100品目で構成される時価総額加重型の指数になります。1983年12月31日の株価を基準値1,000として時価総額加重平均で算出されます。他に、FTSE250種総合株価指数、FTSE500種総合株価指数があります。

《ドイツ》DAX株価指数:フランクフルト証券取引所のうち主要銘柄40品目、1987年12月31日の株価を基準値1,000として、時価総額加重型指数になります。ドイツのほかの指数は、「コメルツ銀行指数」「FAZ指数」があります。

《フランス》CAC指数:ユーロネクスト・パリに上場している時価総額上位40銘柄で構成されています。1987年12月31日の株価を基準値1,000とした時価総額加重型の指数です。四半期に一度構成銘柄の見直しが行われています。

《オーストラリア》ASX200:オーストラリア証券取引所に上場する企業のうち200社で構成される時価総額加重平均型株価指数です。S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が算出し公表しています。

【法改正等】「金融サービス提供法」は、2021年11月1日に「金融サービス仲介業」が新しく設定されるとともに「金融商品販売法」から名称が変わり施行された法律で、続けて2023年に「金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律」となり改正されました。

 「金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律」は、「金融商品販売業者等が金融商品の販売等に際し顧客に対して説明をすべき事項その他の金融商品の販売等に関する事項を定めること、金融サービス仲介業を行う者について登録制度を実施し、《その業務の健全かつ適切な運営を確保すること並びに国民の安定的な資産形成及び適切な資産管理を促進するための基本的事項を定めること等により、金融サービスの提供を受ける顧客の保護及び金融サービスの利用環境の整備等を図り、もって国民経済の健全な発展に資することを目的とする》」(法第1条)とされました。

 今回の改正により追加されたのは《》部分(補記)になります。金融販売の枠組み作りとともに利用する側にむけての体制作りが示されました。

 上述の具体化を推進するための一環として「金融経済教育推進機構」を2024年4月5日に設立しました。
 「金融経済教育推進機構」の目標として「ファイナンシャル・ウェルビーイング」の実現が掲げられています。(次問題【法改正等】参照)

 金融販売の枠組み作りとして大きな変更は「金融サービス提供法」で定義された「金融サービス仲介業」の新設です。

 「金融サービス仲介業」は、仲介業を行う場合、銀行、保険、投資など業種ごとに資格を取得する必要がありましたが、一定の要件のもと一つの資格を取得することによりワンストップで仲介ができるようになりました。「金融サービス仲介業」を行うためには、内閣総理大臣の登録が必要です。(法第12条)

 金融サービス仲介業に求められている取り決めは、
(ⅰ)複雑な仕組みや高度な商品説明の必要となる商品は扱えない。不可例:仕組預金、非上場株、デリバティブ、変額保険、外貨建保険等(令第48条~)
(ⅱ)顧客から財産の預託を受けとれない。(法第26条)
(ⅲ)顧客から求められた場合に金融機関からの手数料等を開示しなくてはらない。(法第25条第2項) などです。

 また、保証金の納付が義務付けられていて、事業開始初年度は、1,000万円が必要になります。

 初年度以降は、各事業年度開始の日からの3ヶ月経過後から事業年度終了より3ヶ月以内に1,000万円に年間受領手数料の5%分を加えた額を納めます。(施行令26条第1項第1号、第2号)
◆「金融サービス仲介法制」:(金融庁ホームページより)
https://www.fsa.go.jp/common/diet/201/01/setsumei.pdf

【問ウ】中期国債ファンドの解約は取得日から一定の日数未満だと信託財産留保額が徴収されます。その日数は何日でしょうか。
(答え:要介護認定または要支援認定の申請に対する処分が行われる期限と同じです。)

問19 ② A 債権の利回り計算式に無理やり当て嵌めてみます。テキスト:(b)△P183(c)△P39(d)P90(△債権の利回り計算式から推測可能)

 債券の利回り計算式から。
利回り={表面金利(クーポンレート)+《額面金額(売却金額)‐購入価額》÷所有期間}÷購入金額
直接利回り=表面金利÷購入金額

(a)〇、アンダーパーは、購入価額が額面金額より低いことですので、《》の計算結果はプラスになります。「《》÷所有期間」が表面利率に加算されますので分子が直接利回りより大きくなり、最終利回りが直接利回りを上回ります。

(b)〇 パーは、額面金額と購入金額が同額ですので、《》÷所有期間は「0」です。したがって、最終利回り=直接利回り=表面利率となります。

(c)× オーバーパーは、購入金額>額面金額です。《》はマイナスになりますので下線÷所有期間もマイナスです。表面利率からマイナス分を差し引きますので表面利率は下がります。分子が表面利率より低いので最終利回り<表面利率となり、設問にある「オーバーパーの債券は、最終利回りが表面利率よりも高くなる」ではなく「低くなる」が当たりになります。

【周辺情報等】地方債とは、「地方公共団体が1会計年度を超えて行う借入れをいいます」(総務省ホームページより)テキスト:(b)P186(c)P45(d)×P85

《地方債の種類》
・市場公募地方債 現在61団体が地方債を発行しています。令和6年度の市場公募地方債発行予定額は「58,720億円」です。毎月平均4,584億円(令和5年度)ほど発行しています。

・共同発行市場公簿地方債 複数の地方公共団体が共同して発行する公募地方債です。参加する全団体が連帯債務を負います。37の地方団体が共同で地方債を発行しています。令和6年度発行予定額は「12,023億円」です。

・住民参加型市場公募地方債 地域住民の方を中心に購入を募る債権です。令和6年度の発行予定額は「55億円」です。

・銀行等引受地方債 地方公共団体の指定金融機関等からの借入れまたは引受の方法により発行される地方債です。証券発行による方法と証書借入れの方法があります。すでに発行された銀行等引受地方債のうち、証券発行によるものは購入できる可能性があります。

 地方債の安全性確保のために、いくつかの施策がされています。

(1)地方債の元利償還に対する国の財源保障
・地方交付税の算定において、標準的な財政需要額(基準財政需要額)に地方債の元利償還金の一部を算入
→ 地方債の元利償還に必要な財源を国が保障 など。

(2)早期是正措置としての起債許可制度
・実質公債費比率が18%以上の地方公共団体に対する起債制限
・赤字団体への起債制限
→ 個々の地方公共団体が地方債の元利償還に支障を来さないよう、地方債の発行を事前に制限
など。

(3)「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」の施行
・財政指標の公表による情報開示の徹底
・財政指標が財政再生基準以上となった団体について国等が関与した財政再生。
などです。
◆「地方債の商品性」:(一般財団法人地方債協会ホームページより)
https://www.chihousai.or.jp/02/02.html

【法改正等】2024年4月5日に「金融経済教育推進機構」が設立されました。 「金融経済教育推進機構」は「金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律」に基づいて設立された認可法人です。

 設立の目的は、「適切な金融サービスの利用等に資する金融又は経済に関する知識を習得し、これを活用する能力の育成を図るための教授及び指導(金融経済教育)を推進すること」(法86条)とされています。

 事業内容は「中立的な立場から金融経済教育を広く提供していくことを通じて、誰一人取り残すことなく、みなさん一人ひとり自らが描くファイナンシャル・ウェルビーイング※の実現を支援するとともに、自立的で持続可能な生活を送ることのできる社会づくりに貢献していく」です。

※ファイナンシャル・ウェルビーイング:自らの経済状況を管理し、必要な選択をすることによって、現在及び将来にわたって、経済的な観点から一人ひとりが多様な幸せを実現し、安心感を得られている状態。(下記◆Ⅲ参照)

 具体的な事業内容は、「講師派遣」「イベント・セミナー」「個別相談」「J-FLEC認定アドバイサー認定・公表」「情報発信」などがあります。
◆Ⅰ「金融商品取引法等の一部を改正する法律 案説明資料」:(金融庁ホームページより)
https://www.fsa.go.jp/common/diet/211/01/setsumei.pdf
◆Ⅱ「J-FLEC金融経済教育推進機構ホームページ」:(J-FLECホームページより)
https://www.j-flec.go.jp/
◆Ⅲ「J-FLEC理事長就任会見」P2(注):(J-FLECホームページより)
https://www.j-flec.go.jp/wpimages/uploads/pressconference_240425.pdf

【問エ (a)に入る数値は】個人向け国債の中途換金が可能となるのは発行後(a)年経過後です。
(答え:遺留分権利者の遺留分侵害請求権を権利者が相続の開始等があったことを知ったときから行使しなければいけない期間と同じです。)

問20 ④ B 東京証券取引所の売買制度について。

肢1、〇 東京証券取引所における内国株式の売買単位は、2018年10月より100株単位になりました。テキスト:(b)P183(c)P64(d)P127
◆「売買単位の統一」:(日本取引所グループ)
https://www.jpx.co.jp/equities/improvements/unit/index.html

肢2、〇 東京証券取引所の売買立会時間は、午前は午前9時から午前11時30分で前場(ぜんば)とされ、午後は、午後0時30分から午後3時までの後場(ごば)になります。また、2024年11月5日からは後場の時間が午後3時30分まで延長されます。テキスト:(b)×P192 (c)×P64(d)P122
◆「よくある質問 立会時間・休業日」:(日本取引所グループホームページより)
https://www.jpx.co.jp/faq/others_general.html
◆「JPXからのお知らせ」:(日本取引所グループホームページより)
https://www.jpx.co.jp/corporate/news/news-releases/1030/20230920-01.html

肢3、〇 ザラバ方式は、始値(はじめね)が決定された後に売買立会時間中に継続して個別に行われる売買契約の締結方法です。価格優先と時間優先の原則で成立していきます。始値を決める元になるのが「板よせ方式」です。
 
 取引き時間外の注文をまとめて記録して、取引き開始とともに売りと買いを付け合せ始値をはじき出すイメージのようです。テキスト:(b)×P193(c)×P64(d)P122
◆「売買のルール(応用編)」:(日本取引所グループホームページより)
https://www.jpx.co.jp/learning/basics/equities/04.html

肢4、× ストップ配分は、注文が一方に偏り、ザラバ方式で終値が決められなかったときに株価を決定する方式です。

 ザラバ方式で終値が決められないとは、成行注文がすべて約定することが終値の条件になるところ、ストップ高またはストップ安でも成行注文がすべて約定できない状態をいいます。設問では「前引け」とされているので誤りです。テキスト:(b)×P193(c)×P63(d)×P121
◆「内国株の売買制度 ストップ配分」:(日本取引所グループホームページより)
https://www.jpx.co.jp/equities/trading/domestic/04.html

【周辺情報等】2022年4月4日より東京証券取引所の区分が「プライム市場」「スタンダード市場」「グロース市場」に変わりました。

 変更により、それぞれの市場では上場における基準を見直しこれまでの基準より引き上げられ厳格化がはかられました。

 変更前から上場されていた場合に緩和措置がとられ経過期間を設けられましたが、その期限が2025年3月1日になりました。

 期限までに基準に適合しなかった企業は、1年間(売買高基準は6ヶ月間)の改善期間に入り、期間内に適合がされなかった場合に原則として6ヶ月間の監理銘柄指定期間を経て上場廃止になります。(下記◆Ⅰ参照)

 各市場の基準の概略は以下の通りです。

種類       株主数   流通株式数  流通株式時価総額  流通株式比率
プライム市場   800人以上 20,000単位以上  100億円以上  35%以上
スタンダード市場 400人以上 2,000単位以上   10億円以上   25%以上
グロース市場   150人以上 1,000単位以上  5億円以上  25%以上

等です。テキスト:(b)P192(c)P64(d)P120
◆Ⅰ「上場維持基準に関する経過措置の取扱い等について」:(株式会社東京証券取引所ホームページより)
https://www.jpx.co.jp/rules-participants/public-comment/detail/d1/co3pgt0000005tz2-att/co3pgt0000005u15.pdf
◆Ⅱ「市場構造の見直し」:(日本取引所グループホームページより)
https://www.jpx.co.jp/equities/improvements/market-structure/01.html

【法改正等】2024年5月15日に「金融商品取引法及び投資信託及び投資法人に関する法律の一部を改正する法律案」が成立しました。改正内容の概略は「投資運用業者の参入促進」「非上場有価証券の流動活性化」「大量保有報告制度の対象明確化」「公開買付制度の対象取引きの拡大」になります。

 その中にある「公開買付制度の対象取引きの拡大」は、これまで一定の要件のもと3分の1の買付けを行うときは公開買付け(TOB)を義務付けていましたが、市場外取引きに加えて市場内取引きも対象となり、また3分の1超が30%超とされ対象が拡充されました。

 施行は成立日より2年以内とされています。
◆「金融商品取引法及び投資信託及び投資法人に関する法律の一部を改正する法律案 説明資料」:(金融庁ホームページより)
https://www.fsa.go.jp/common/diet/213/01/setsumei.pdf
◆「◎金融商品取引法及び投資信託及び投資法人に関する法律の一部を改正する法律 (金融商品取引法の一部改正)(附則 施行期日)」:(参議院ホームページより)
https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/213/pdf/s0802130562130.pdf

【問オ (a)にはいる数値は】株の取引きでの決済は、約定日から、その日を含めて(a)営業日目です。
(答え:デジタルトランスフォーメーション投資促進税制で一定の要件を満たす場合に受けられる税額控除における取得価格に対する割合の数値と同じです(グループ外の事業者と連携しないケースです))単位違い

問21 ③ D クリック365は、東京金融取引所が上場した取引所為替証拠金取引の愛称です。
 確かな規制がされていない時代に悪質な業者の勧誘方法等が問題になり、2005年7月に改正金融商品取引法が施行されました。

 それとともに東京金融取引所によりFXが上場されました。
 「くりっく365」は2013年より手数料が無料化され、また、後に大口投資家などからの要望により手数料が必要となる「くりっく365ラージ」が上場されました。
 そして、口座数110万口座、証拠金預託額4,100億円以上に達しています。(2022年7月末現在)

肢1、〇 各取引日の付合せ時間帯終了までに建玉の決済が行われなかった場合は、ロールオーバーされます。
 
 FXの決済日は2営業日後(当日を含めて3営業日)になりますので、決済日に決済が行われない場合は、翌日にロールオーバーされ決済が行われない限り自動更新となります。テキスト:(b)×P224(c)×P89(d)×P249
◆「FX取引入門ガイド」P12:(株式会社東京金融取引所ホームページより)
https://www.click365.jp/start/publication/pdf/click365_beginner_150420.pdf

肢2、〇 米ドルと日本円の取引所為替証拠金取引の取引単位は、10,000米ドルと100,000米ドルがあります。テキスト:(b)×P224(c)×P89(d)×P249
◆「商品詳細」:(クリック365公式ホームページより)
https://www.click365.jp/about_fx/about_fx02.html

肢3、× 取引所為替証拠金取引の米ドル取引には、サマータイム時間が採用されていますので、その時期は取引時間が変わってきます。
 
 アメリカ合衆国ニューヨーク州夏時間適用時のサマータイム時間を採用して、その採用期間は3月第2日曜日~11月第1日曜日です。また、サマータイム期間内・外に限らず取引時間も曜日で異なっています。テキスト:(b)×P224(c)×P89(d)×P249
◆「取引時間について」:(クリック365公式ホームページより)
https://www.click365.jp/about_fx/about_fx02.html

肢4、〇 取引所為替証拠金取引は、マーケットメイク方式を取り入れています。
 マーケットメイク方式と相対する取引が価格優先・時間優先・成行優先とされる「オークション方式」です。

 マーケットメイク方式とは、証券会社などのマーケットメイカーやディーラーが常時「売り気配」「買い気配」を参考にして顧客と相対取引を行う手法になります。

 オークション方式との違いやメリットは、少数取引などで売買が成立しないような取引などでもマーケットメイカーが気配値(けはいね)を提示するため、流動性を確保し易いなどのメリットがあります。

 また、流動性の確保する目的から、オークション方式にあるストップ安やストップ高の値幅制限がありません。他にETFがマーケットメイク方式を2018年7月2日より導入しています。テキスト:(b)×P224(c)×P89(d)×P249
◆「商品詳細」:(クリック365公式ホームページより)
https://www.click365.jp/about_fx/about_fx02.html
◆「マーケットメイク制度」:(日本取引所ホームページより)
https://www.jpx.co.jp/equities/products/etfs/market-making/index.html

【周辺情報等】口座の種類と配当金の受取り方法について。テキスト:(b)P194(c)P(d)P129

 投資を行ううえで口座の開設を求められます。その口座にもいくつかの種類があり、口座によって課税方法が変わります。

*特定口座:金融機関が上場株式等の譲渡所得の計算を行い、「年間取引報告書」を交付する口座になります。
(源泉徴収あり):年間取引きに基づいて金融機関が源泉徴収や還付をしてくれる。確定申告は原則として不要になります。また、同じ口座内では損益通算され配当金の源泉徴収部分の還付をする仕組みもあります。
(源泉徴収なし):金融機関が1年間の計算をして「年間取引報告書」を交付します。それを元に投資者本人が確定申告を行います。源泉徴収がされないのは譲渡益等になり、配当金はどのようなケースでも源泉徴収されます。

*一般口座:1年間(1月1日~12月31日)の取引きを投資者本人が計算をして確定申告をします。

*NISA口座:配当金の非課税を受けるためには「株式数比例配分方式」を選ぶ必要があります。また、口座は1月1日現在で18歳以上であれば開設ができます。

他に
信用取引口座:信用取引を始める際に開設する口座です。
先物・オプション取引口座:買建・売建どちらも可能です。
オプション買取引口座:日経225オプション取引(買建のみ)
外国証券取引口座:外国株式・外国債券や外国投資信託を売買するときに開設する口座です。
等があります。
テキスト:(b)P194(c)×P62~(d)P129(×配当金の受取り方式の記載がNISAのところでふれられている以外で見つかりませんでした)

*株式数比例配分方式:証券会社に登録をした口座に振り込まれます。株式数比例配分方式を選ぶと他の口座もすべて株式数比例配分方式となります。複数の証券会社で同一の銘柄を保有している場合には、保有数(株式数)に合わせて(比例配分して)配当金が振り込まれます。

*登録配当金受領口座方式:あらかじめ登録をした自分名義の口座に振り込まれます。振込先にゆうちょ銀行や貯蓄預金の指定は出来ません。また、こちらの方式を選ぶと取引きしているすべてが同じ口座への振込になります。

*個別銘柄指定方式:銘柄ごとに振込口座を指定する方式です。指定できる口座は普通預金または当座預金になり、貯蓄預金は指定できません。株式数比例配分方式と登録配当金受領口座方式との併用はできません。

*配当金領収証方式:発行会社から送られてくる「配当金領収証」をゆうちょ銀行の窓口に持参して受け取ります。期限が設定されているので原則として期限内に受取る必要があります。
◆「配当金の受取り方法のご案内」:(株式会社証券保管振替機構ホームページより)
https://www.jasdec.com/assets/download/ds/annai.pdf
◆「特定口座とは」:(国税庁ホームページより)
https://www.keisan.nta.go.jp/r5yokuaru/ocat3/ocat33/cid1065.html
◆「先物取引について」;(日本取引所グループホームページより)
https://www.jpx.co.jp/learning/derivatives/futures/06.html

【法改正等】2020年5月1日から「暗号資産証拠金取引」は「金融商品取引法」上の「金融商品先物取引等」に該当することになりました。

 それまでは「暗号資産証拠金取引」は「金融商品先物取引等」に該当しないことで申告分離課税とならず総合課税の雑所得とされてきました。(下記◆Ⅱ)

 この改正により「金融商品先物取引」となりましたが、同時に「租税特別措置法の規定により、申告分離課税の対象から除く」とされ、法的にも原則として雑所得(事業所得とされるケースもある)であることが規定されました。(下記◆ⅠP30)

 また、暗号資産は消費税が非課税です。(下記◆ⅠP56)

 相続税は課税対象となり、相続により財産を取得したときの時価で評価をすることになります。(下記◆ⅠP54)
 
 この改正にあわせて、「仮想通貨」から「暗号資産」に名称が統一されました。
◆Ⅰ「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて」:(国税庁ホームページより)
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/virtual_currency_faq_03.pdf
◆Ⅱ「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて」P29:(国税庁ホームページより)
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/virtual_currency_faq.pdf

【問カ (a)にはいる数値は】結婚子育て支援信託の受益者は、締結する日において(a)歳以上50歳未満であることが必要です。
(答え:NISA口座を開設する年齢は、開設する年の1月1日時点で一定の年齢以上である必要があります。その年齢と同じです)

問22 ③ D 長期国債現物先物の損益計算について。テキスト:(b)×P228(c)×P96(d)×P280
 「国債先物は、実際に発行されている日本国債ではなく、国債の「標準物」を取引対象とした先物取引です。」

 国債は、毎月のように発行されその都度、クーポンレートや償還期限が変わります。
 国債の条件が異なれば、別の銘柄になるため個別に対応するのは分かりにくさとともに限月(げんげつ)が変わるたびに価格の継続性が途切れてしまうため、それで考え出されたのが「標準物」になります。

 標準物とは取引円滑化のため証券取引所がクーポンレート(利率)、償還期限などを標準化し、設定したものなので実在しないため、最終決済では受渡適格銘柄(うけわたしてきかくめいがら)と呼ばれる国債の授受が行われます。(下記◆Ⅰより)

(取引単位)中期国債先物・長期国債先物:1億円、超長期国債先物(ミニ):1,000万円
(呼値の単位)額面100円に付1銭。
◆Ⅰ「国債先物」:(日本取引所グループホームページより)
https://www.jpx.co.jp/derivatives/products/jgb/jgb-futures/index.html
◆Ⅱ「国債先物入門」:(日本取引所グループホームページより)テキスト:(b)×P228(c)×P96(d)×P280
https://www.jpx.co.jp/derivatives/products/jgb/jgb-futures/tvdivq0000003n94-att/kokusaisakimononyumon.pdf

《前提》現物と先物は別々に計算をする。取引単位:1億円。ベースが100円になるため、最後に100で割ります。

*現物:105.50円の保有分を102.30円で売却します。102.30円‐105.50円=-3.2円
-3.2円×1億円÷100円=-320万円

*先物:135.00円で売建をしていた分を売却し132.10円で買い戻します。135.00円‐132.10円=2.9円
2.9円×1億円÷100円=290万円 290万円-320万円=-30万円 ∴3)-30万円
肢1、× 肢2、× 肢3、〇 肢4、×

【周辺情報等】仕組み債: 通常の債券にデリバティブの要素を取り入れた金融商品です。デリィバティブを組み入れることにより、通常の債券より金利が高くなる可能性があります。

 ただ、一定の条件が設定されその条件により「金利の引き下げ」や「早期償還」、「元本割れ」のリスクがある、ハイリスク・ハイリターンの債券になります。テキスト:(b)P187(c)P58(d)P94(参考過去問:2020年9月基礎 問19)

 条件の設定は、(ⅰ)条件の範囲内だった場合、(ⅱ)一定の水準を超えた場合(ノックアウト)、(ⅲ)一定の水準を下回った場合(ノックイン)と大きく分けられています。

 (ⅰ)(ⅱ)のときは、額面価額での金銭償還になります。(ⅲ)に該当した場合は、仕組み債により対応が異なりますが、損失が多額になる可能性が大きく、場合によっては元本が「0」となることもあるようです。
 
 また、利率も下がる条件が設定されていて、償還されるまで低い利率でのクーポンになる可能性などもあります。

 種類はいくつかありますが、「EB債」「株価指数連動(リンク)債」がよく知られています。「EB債」と「株価指数連動(リンク)債」の特徴の大きな違いは、前者は「金銭または他社株で償還される」ことで後者は「金銭で償還される」ことです。
◆「会員における複雑な仕組債の取り扱い状況等について」:(日本証券業協会ホームページより)
https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/shikumisai.html

*EB債(イービー債:エクスチェンジャブル・ボンド)は、「他社株転換可能債」とも言われます。EB債の申込者は、個別株のプットオプションの売り手側になるようです。
・ノックインの条件では、発行会社とは別の株式を受け取ります。
◆「EB債の特徴やリスクとは」:(日本証券業協会ホームページより)
https://www.jsda.or.jp/about/hatten/risk/eb/index.html

*株価指数連動(リンク)債
・ノックインでは、最終評価日により評価した価格で償還するため、額面価額を下回った場合に損失が発生する可能性が大きくなります。
◆「日経平均リンク債の特徴やリスクとは」:(日本証券業協会ホームページより)
https://www.jsda.or.jp/about/hatten/risk/equity/index.html

【法改正等】令和5年の税制改正により「暗号資産」の法人税が一部緩和されました。

 法人が所有する暗号資産は、譲渡などにより損益が発生しなくても事業年度末に時価評価をする必要があります。

 令和5年の税制改正により、一定の要件を満たす暗号資産は、「特定自己発行暗号資産」とされ、期末の時価評価の対象外になりました。
◆Ⅰ「暗号資産の評価方法の見直し」:(国税庁ホームページより)
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/hojin/kaisei_gaiyo2023/pdf/H.pdf
◆Ⅱ「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて」P42:(国税庁ホームページより)
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/virtual_currency_faq_03.pdf

【問キ (a)にはいる数値は】犯罪収益移転防止法では一定の条件において取引き時確認が必要とされています。例えば、200万円を超える現金取引や(a)万円を超える現金送金です。
(答え:法人税の中間申告において前年度実績による予定申告税額が一定の金額以下の場合中間申告が出来ません。その金額と同じです。)

問23 ② A ポートフォリオのパフォーマンス評価について。パフォーマンス評価に使われる計算式の分母は、それぞれの式によって標準偏差、β、トラッキングエラーと様々な言い方ですが、すべて標準偏差の仲間です。

肢1、〇 「シャープ・レシオ=(ポートフォリオの収益率‐安全資産利子率)÷ポートフォリオの標準偏差」です。分子を超過収益率と言い換えられますので、シャープレシオは標準偏差1単位当たりの超過収益率になります。テキスト:(b)P246(c)P127(d)P337

肢2、× 「トレイナーレシオ=(ポートフォリオの収益率‐安全資産利子率)÷β」になります。トレイナーレシオはβ(ベータ)1単位当たりの超過収益率になります。分子は、設問にある「資本資産評価モデル(CAPM)」ではなく、「超過収益率」です。テキスト:(b)P246(c)P127(d)P337

肢3、〇 「ジェンセンのα=ポートフォリオの収益率‐資本資産評価モデル(CAPM)による期待収益率」です。テキスト:(b)P247(c)P127(d)P337

肢4、〇 「インフォメーション・レシオ=(ポートフォリオの収益率‐ベンチマークの収益率)÷トラッキングエラー(超過収益率の標準偏差)」です。テキスト:(b)P247(c)P127(d)P337

【周辺情報等】外国商品と外国の債券について。テキスト:(b)P221~(c)P84~(d)P228~
《為替》銀行間相場と対顧客相場があります。

(A)銀行間相場
*銀行間市場(インターバンク市場)において銀行など金融機関同士が為替取引を行う際に形成される相場になります。

・直物(じかもの)レート→取引日の翌々営業日(2営業日目)渡しのレートです。

・先物レート→取引日の3営業日以降渡しのレートです。直物レートと金利差で決まります。

・直先(じかさき)スプレット→「先物レート‐直物レート」で求められます。

ディスカウント:先物レートが直物レートより低い場合(円高方向)をいいます。
プレミアム:先物レートが直物レートより高い場合(円安方向)をいいます。

・先物レート(x)の求め方(円とドル)→円の元利合計額=ドルの元利合計額×x、x=円の元利合計額÷ドルの元利合計額になります。

(B)対顧客相場
*金融機関が一般の個人や法人など顧客との取引に適用する相場になります。

TTS(対顧客電信売相場):円貨を外貨に両替するときのレート。

TTB(対顧客電信買相場):外貨を円貨に両替するときのレート。

TTM(対顧客電信仲値相場):TTMはインターバンク市場のレートを参考にして決まります。金融機関がTTMに手数料相当額を加えてTTSとTTBが算出されます。

為替手数料:金融機関、時刻、通貨、取引方法により異なります。
◆「銀行間相場と対顧客相場」:(公益財団法人国際通貨研究所ホームページより)
https://www.iima.or.jp/abc/ka/16.html

《外国商品》
*外国株式:外国の会社が発行する株式です。取引方法は、(ⅰ)海外委託取引(外国取引き)(ⅱ)国内店頭取引(ⅲ)国内委託取引、があります。

*外国投資信託:国籍が外国にあり、その国の法律に基づいて設定された投資信託です。

 代表的な商品として、「外貨建MMF」があります。国内のMMFが30日未満での解約は信託財産留保額が差し引かれるるところ、「外貨建MMF」は購入日の翌営業日以降はペナルティ無しで解約できる、などとその性格が違いますので注意が必要です。

*外国債券:発行者、発行場所、通貨のいずれかが外国である債権です。

《外国債券種類》
*通貨による分類
・払込、利払、償還すべてが外貨→外貨建外債(ショーグン債:映画のSHOGUNは外国映画)
・払込、利払、償還すべてが円建→円建外債(サムライ債、ユーロ円債)
・償還のみ外貨→デュアルカレンシー債
・利払のみ外貨→リバース・デュアルカレンシー債

*ソブリン債→各国の政府や政府機関が発行する債券の総称です。

*ストリップス債→固定利付債の元本部分と利子部分を分離して、元本部分は利付債の償還日を満期とする割引債券になり、利子部分はそれぞれの支払期日を満期とする割引債券として販売される債権です。ゼロクーポン債のメリットを受けられます。

※ゼロクーポン債のメリット:償還まで利子の受取がないため償還まで課税の繰り延べとなる、割引される金利の設定が複利計算のため複利の恩恵を受けられる、などがあります。

【法改正等】2023年11月6日より先物・オプション取引きの証拠金の計算方法が変わりました。

 これまでの「SPAN方式」から「VaR方式」(Value at Risk方式の略)になります。これにより、投資家が支払う証拠金は、「VaR方式」で算出された証拠金を基準に設定されています。

 「VaR方式」の特徴は、「SPAN方式」に比べて計算に必要な情報をより精緻に展開して求めている点です。
 「VaR方式」には以下の2種類があります。

 (HS-VaR方式)・売り買いで異なる金額。・限月により異なる金額。・日経225、TOPIX、電力、LNG等に使われます。
 (AS-VaR方式)・売り買いで同じ金額。・限月で同じ金額。・貴金属、原油、ゴム、農産品等で使われます。

◆「新証拠金計算方式(VaR方式)とは」:(日本証券クリアリング機構ホームページより)
https://www.jpx.co.jp/jscc/seisan/sakimono/shokokin_seido/VaR.html
◆「先物・オプションの取引証拠金の計算方法が変わります」:(日本証券クリアリング機構ホームページより)
https://www.jpx.co.jp/jscc/seisan/sakimono/shokokin_seido/u89at3000000i04f-att/leaflet.pdf

【問ク】権利付最終日(株主の権利を得ることができる最終売買日)は、権利確定日の(a)営業日前です。
(答え:法人設立登届出書を納税地の所轄税務署長に提出する期限と同じ数値です。)単位違い

問24 ① A 個人情報保護法について

肢1、× 保有個人データの開示の請求を受けた場合、手数料を徴収することもできます。設問にあるように無料である必要はありません。(個人情報保護に関する法律 手数料 第38条第1項)テキスト:(b)P265(c)×P161(d)×P73

肢2、〇 設問にあるとおり、個人情報取扱い事業者は、一定の範囲内で個人データを正確かつ最新の内容に保つとともに、利用する必要がなくなったときは、遅滞なく消去するように努める必要があります。(個人情報保護に関する法律 データ内容の正確性の確保等 第22条)テキスト:(b)P265(c)△P161(d)△P73(△推察可能)

肢3、〇 要配慮情報の漏洩など一定の要件において漏えいが疑われる場合には、個人情報保護委員会への報告が義務付けられています。(法施行規則第7条)個人情報保護委員会のホームページではまず「3日から5日以内に速報」が必要で、確報は30日以内とされています。(法施行規則第8条第2項)

 なお、「要配慮個人情報」とは、「本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実その他本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものとして政令で定める記述等が含まれる個人情報をいう。」(個人情報保護に関する法律 (定義) 第2条第3項)とされています。テキスト:(b)×P265(c)×P161(d)×P72
◆「漏えい等の対応とお役立ち資料」:(個人情報保護委員会ホームページより)
https://www.ppc.go.jp/personalinfo/legal/leakAction/#about

肢4、〇 与信事業に関して個人情報を取得する場合、契約書等における利用目的は他の契約条項等と明確に分離して記載する必要があります。(金融分野における個人情報に関するガイドライン 利用目的の特定(法第17条関係) 第2条3)テキスト:(b)×P265(c)×P161(d)×P73
◆「金融分野のおける個人情報保護に関するガイドライン」:(個人情報保護委員会ホームページより)
https://www.ppc.go.jp/files/pdf/240312_kinyubunya_GL.pdf

【周辺情報等】預金者保護法(偽造カード等及び盗難カード等を用いて行われる不正な機械式預貯金払戻し等からの預貯金者の保護等に関する法律)について。テキスト:(b)P265(c)P166(d)P80

 キャッシュカードの偽造や盗難により預貯金がATM・CDから不正に引き出された場合に、金融機関が原則としてその全額を補填する法律です。
偽造や盗難等とされているため紛失は対象から外れいています。

 また、ネットバンキングも対象とはされていませんが、業界によっては自主ルールにより原則として補填がされるようです。
◆「預金等の不正な払い戻しへの対応について」:(全国銀行協会ホームページより)
https://www.zenginkyo.or.jp/fileadmin/res/news/news200219_1.pdf

《要件》
*偽造:預金者の故意・重過失に該当しない場合は払い戻しがなかったものとされます。故意・重過失であることの証明義務は金融機関側にあります。
*盗難:預金者に故意・重過失がないとともに以下の3点に留意します。
・当該真正カード等が盗取されたと認めた後、速やかに、当該金融機関に対し盗取された旨の通知を行ったこと。原則として盗難があった日から30日以内に行うとされています。
・当該金融機関の求めに応じ、遅滞なく、当該盗取が行われるに至った事情その他の当該盗取に関する状況について十分な説明を行ったこと。
・当該金融機関に対し、捜査機関に対して当該盗取に係る届出を提出していることを申し出たことその他当該盗取が行われたことが推測される事実として内閣府令で定めるものを示したこと

《補填内容》
*偽造:過失無し・軽過失→全額補填、重過失→補填無し
*盗難:過失無し→全額補填、軽過失→75%補填、重過失→補填無し
補填される期間は、盗難された日から30日前以降からになります。
※重過失とは、暗証番号を教えた、暗証番号をカードに記していた、カードを他人に渡した、などです。

《時効》
*盗難:盗取が行われたときより2年経過後に行われたときは適用しない。(法第5条)
*偽造:預金者保護法は規定していないようです。債権者が権利を行使することが出来ることを知ったときから5年行使しないとき、権利を行使することが出来るときから10年行使しないとき、とされる民法の債権の消滅時効が適用されるのではともありました。(民法第166条)

《その他留意点》
・親族、同居人や家事使用人などは対象になりません。
・金融機関への状況説明時に偽りの説明をすると対象になりません。
◆「解説預金者保護法」:(名古屋市消費者生活センターホームページより)
https://www.seikatsu.city.nagoya.jp/files/download/file/681ca62a4c08baf35fd4490e2d7e184c.pdf

【法改正等】令和6年の改正により、個人情報保護委員会への報告義務がある個人情報の範囲が拡充されました。これまでは、個人データにおいて以下の場合に報告をすることとされていました。(個人情報の保護に関する法律施行規則)

一 要配慮個人情報が含まれる個人データ(高度な暗号化その他の個人の権利利益を保護するために必要な措置を講じたものを除く。以下この条及び次条第一項において同じ。)の漏えい、滅失若しくは毀損(以下この条及び次条第一項において「漏えい等」という。)が発生し、又は発生したおそれがある事態(個人情報規則第7条第1号)

二 不正に利用されることにより財産的被害が生じるおそれがある個人データの漏えい等が発生し、又は発生したおそれがある事態(個人情報規則第7条第2号)

三 不正の目的をもって行われたおそれがある当該個人情報取扱事業者に対する行為による個人データ(当該個人情報取扱事業者が取得し、又は取得しようとしている個人情報であって、個人データとして取り扱われることが予定されているものを含む。)の漏えい等が発生し、又は発生したおそれがある事態(個人情報規則第7条第3号)

四 個人データに係る本人の数が千人を超える漏えい等が発生し、又は発生したおそれがある事態(個人情報規則第7条第4号)

 以上の要件について、上記第3号において「又は取得しようとしている個人情報であって、個人データとして取り扱われることが予定されているものを含む。」の漏えい等が発生し、または発生した恐れがある事態」と拡充されました。

 具体的な事例として、講演会などで記入をしてもらった訪問者の記入用紙が「個人情報」になり、電磁データとして記録をされた情報を「個人データ」となります。記入用紙を紛失した場合も、個人情報保護委員会への報告義務が求められます。
 今回の拡充は、WEB上で入力した情報が盗み取られた場合などを念頭にしているようでした。
◆「金融機関における個人情報保護に関するQ&A 」P3:(金融庁ホームページより)
https://www.fsa.go.jp/common/law/kj-hogo-2/00.pdf

【問ケ】インサイダー取引規制で会社関係者でなくなってから一定の期間は規制の対象になりますが、その期間は。
(答え:高年齢求職者給付金の支給を受けるために公共職業安定所に出頭しなければいけない期間と同じです)

文中にある問題の答えです。こちらは、過去に出題された応用問題の穴埋めを絡めています。

問ア 10(日)(2024年5月 問52)単位違い
問イ 1,000(㎡) (2021年9月 問62)
問ウ 30(日)(2019年9月 問52)
問エ 1(年)(2024年5月 問65)
問オ 3(%)(2024年1月問59)
問カ 18(歳)(2024年5月 問56)
問キ 10(万円)(2023年5月問59)
問ク 2(ヶ月)(2020年1月 問57)単位違い
問ケ 1(年)(2024年5月 問51)

以上となります。

最後までお読みいただき誠にありがとうございます。