FP1級基礎2024年5月+α 5/6様
FP1級学科試験 2024年5月 基礎編
この度はお立ち寄りいただきありがとうございます。
2024年5月に実施されました学科試験の基礎編の私見を書かせていただきました。今回は、不動産分野の問34~問41までになります。
また、これまでどおり下記のテキストでの取り上げ具合もざっくりではありますが数えてみました。前回の2024年1月と同程度の直撃率になっていますが、推察可能かも、は含めませんでしたので、数値はもうちょっと上乗せされるかもしれません。
消去法を使って残り一つに絞りこめる問題や過去に出題されている問題も今回はそれなりにありますので、なんやかやを考えると直撃率にいくつか足した数を正解できる可能性もありそうです。
今回の出題傾向でまず目に付くのは、計算問題です。ステルス計算問題である問43 2)以外で、問1、問22、問31の3問と少な目でした。なのに、そのうちの2問は思いもよらないところからやってきました。もう、ほとんどびっくり箱状態です。
その、びっくり箱の正体ですが、問22は、現物と先物の収支をそれぞれで算出し両者の差額に「×1億÷100円」を掛け合わせて正答になるようでした。果たしてこれで正しいのかどうか調べなおしている最中です。
そして、問31は、計算式が「No.5651特定資産を買い換えた場合の圧縮記帳」として国税庁のホームページにありました。
全体を通しては、濃淡の違いは若干あるとしてもこれまでの出題傾向を踏襲している様子でした。これまで頻繁に扱われていないところで、テキスト目線で眺めてみますと、「以上」「未満」「超える」「以下」「かつ」「または」など文章に埋もれがちなところからの出題は少ない様子で(例えば問6「各種加算」)、その項目で印象的なところが選ばれて出されていた感が強いようでした。
例えば、問3の「高額療養費の合算可能被保険者」、問4「教育訓練給付におけるキャリアコンサルティングとジョブカード」、問9「保険会社が破綻した場合の保険料支払について」、問10「保険募集人の罰則規定」、問24「個人情報の有料開示について」、問34「35条書面(重要事項説明書)と37条書面の違い」、
問35「実測面積と公簿面積」(問題文とうまくリンクできないかもしれません)、問37「土地区画整理法について」、
問46「相続・贈与の納税義務者について」(単語の長さに惑わされそうですが、ざっくり覚えるのは思いのほかいけそうです。事が起こったときに日本に住所がある→居住、国内・国外の資産に課税される→無制限、になります。そして、該当しない方は非居住、制限になります。
国内に住所があるけれど例外とされる方、10年以内に住所があるけれど例外とされる方、10年以内に住所がない方、など同士のときに、居住制限納税義務者または非居住制限納税義務者になります)
問50「非上場株式についての納税猶予・免除の特例における提出書について」などになりそうです。
すみません、おもいっきり横道にそれてしまいました。それでは、本題に戻ります。
[Ⅰ]テキスト直撃率
書籍(b) 「’23~’24版 FP1級技能士学科合格テキスト」→32/50 62(%)
書籍(c) 「’23~’24版 合格テキストFP技能士1級 TAC FP講座」→29/50 58(%)、
書籍(d) 「’23~’24版 みんなが欲しかった!FPの教科書」→29/50 58(%)
(書籍名の使用は出版社より了解をいただいています。ご対応いただきましたご担当者様には改めてお礼を申し上げます)
なお、書籍(a)は’22~’23版のため、今回より上記の3冊にさせていただきました。
[Ⅱ]テキストや過去問などで正解が導き出せそうな問題について
●正解を取れそう。
A:テキストにあるし見慣れたところ:下記以外26問
B:正解以外テキストに回答有り(消去法可):問3、5、6、9、11、12、17、18、20、30、35、合計11問
C:過去に出題されている:問26、29 合計2問
D:感覚で回答できる: 合計0問
●難問になりそう。
E:テキストにあるけれど文面をなぞって終わる可能性がある:問19、34、46 合計3問
F:改正等(直近): 合計0問
G:見覚えないorあやふや:問2、7、21、22、31、42、47、48 合計8問
正解が可能と思えるのは、A~Dの38問のようでした。39/50 78%
題名にあります+αは以下の通りになります。
【周辺情報等】テキストではみかけるのに過去問では影が薄いところの情報。
【法改正等】ここ数年の間に法律が出来たり変わったりまた何か動きがあって、探し当てられた情報。
【問ア、問イ…】応用問題の穴埋めで過去に出題されているところを絡めた一問一答。
なお、こちらに関することは私見の域をでていませんので、気になるところがありましたらお調べ直していただきますようお願いいたします。
また、試験問題の使用は了承をいただいていませんのでお手数ではありますがお手元にご用意いただけますと助かります。
どうぞよろしくお願いいたします。
問34 ④ B 37条書面とは、宅地建物取引業者が、販売、媒介、代理等で契約を締結または成立した際に交付する書類のことです。(宅地建物取引法37条)
35条書面は「重要事項説明書」(宅地建物取引法35条)のことになり、販売、媒介、代理および賃借の相手方に契約等前に交付し一定の元説明をしなくてはいけない書類になります。両者の書類には宅地建物取引士の記名が必要になり、35条書類は、宅地建物取引士が宅建取引証を提示しての説明が必要です。
肢1、〇 重要事項説明書(35条書面)の説明は、契約等を締結する前に行い、その際には宅建取引士証を提示する必要がありますが、場所は指定されていませんし、相手方の承諾など一定の要件を満たすことにより2022年5月18日よりオンラインでの説明が始まりました。いまでは、35条書面、37条書面とともに「指定流通機構(レインズ)登録時の交付書面(登録証明書)」「媒介・代理契約締結時の交付書面」もオンラインでのやり取りができるようになっています。テキスト:(b)△P359(c)P22(d)P49
◆「宅地建物取引業法施行令及び高齢者の居住の安定確保に関する法律施行令の一部を改正する政令」等を閣議決定」:(国土交通省ホームページより)
肢2、〇 重要事項説明書(35条書面)に記名をしてその内容の説明をする宅地建物取引士は、事務所の専任でなくても行うことが出来ます。テキスト:(b)P359(c)P22(d)×P49
肢3、〇 37条書面の交付が省略されることはありませんので、買主が宅地建物取引業者であっても交付します。買主が宅地建物取引業者のときに省略できるのは、35条書面の説明になります。テキスト:(b)P359(c)×P22(d)P49
肢4、× 37条書面は、交付は必要ですが、説明までは求められていません。テキスト:(b)P359(c)×P22(d)P49
【周辺情報等】不動産を担保にしてお金を借りる際には、債権者の権利保存のため抵当権と根抵当権(ねていとうけん)を登記する仕組みがあります。
類似な方法として質権があり、質権は質草を債権者に差し出します。
身近なところで、住宅ローンを利用した際に加入する「火災保険」があります。こちらの保険は、金融機関が質権を設定していますので証券は金融機関が預かることになります。
抵当権は登記事項証明書権利部(乙区)に登記します。また、差押は登記事項証明書権利部(甲区)になります。どちらの権利部も登記は「司法書士」が受け持ちます。テキスト:(b)P352(c)P4(d)P15
《抵当権(民法373条~)》不動産を担保にしてお金を借りるときに設定される仕組みです。借りたお金を完済することにより担保物権も消滅します。
《根抵当権(民法398条の2~)》個別の債権を担保とするのではなく上限額(極限額)まで個別に設定することなく借入れができるための仕組みです。
極限額の設定がされないと根抵当権を登記できません。また、借入額を完済したとしても根抵当権は消滅しませんので、消滅には一定の手続きが必要になります。
債権者と債務者が根抵当権設定契約を交わし、法務局に設定登記を申請します。根抵当権は付従性(ふじゅうせい)や随伴性(ずいはんせい)が否定されます。
債務を完済しても根抵当権は消滅しないのが「不従性の否定」で、債権を譲渡しても根抵当権は譲渡されないのが「随伴性の否定」です。
元本の確定をすることにより抵当権と同様の仕組みになりますので、前述の「付従性」「随伴性」が認められることになります。また、根抵当権を設定してから3年を経過すると貸主は借主に対して元本の確定を請求することが出来ます。
根抵当権は事業において利用される場合がほとんどですが、個人では「リバースモーゲージ」で使われることになるようです。
また、根抵当権に相続が発生した場合は、6ヶ月以内に後継債務者を決める合意の登記が必要になります。上記のリバースモーゲージのリコース型で留意する必要がある点とされていました。
住宅ローンを完済した場合にも、抵当権抹消手続きを行います。債務の完済により抵当権も消滅していますので抵当権を抹消しなくても権利的に困ることはないのですが後々のトラブルを避けるうえでも、抹消手続きをされたほうが良いようです。
抵当権抹消手続きは、自身で行うことも出来ます。金融機関より完済を証明する書類一式が送付されますので、それで手続きを行います。また、前述しましたとおり火災保険に質権が設定されていますので、その際には火災保険に設定されている質権の抹消手続きも忘れないようにします。
【法改正等】インスペクションについて。テキスト:(b)P359(c)P23(d)P50
既存建物の売買契約には、「建物状況調査」の実施が定められています。(宅地建物取引業法第35条第1項第6号の2)
いわゆる「インスペクション」と言われる建物の事前の診断ですが、関連して「宅地建物取引業法施行規則の一部を改正する省令」が令和6年1月24日に交付されました。
それにより、1年以内とされていたところ、「共同住宅等(RC造等)に係る重要事項説明の対象となる建物状況調査結果の期間は、調査の実施から2年を経過していない(宅地建物取引業法施行規則第16条の2の2)」ものとなり、令和6年4月1日より施行されました。
つまり、「共同住宅等(RC造等)に係る建物状況調査結果」は、調査の実施から2年を経過していないことと期限が緩和されました。(下記◆Ⅱ参照)
☆インスペクションの概略(下記Ⅰ参照)
《実施者》国の登録を受けた既存住宅状況調査技術者講講習を修了した建築士が行います。
《依頼者》売主・買主どちらも依頼出来ますが、買主が依頼する場合は売主の同意が必要です。
《調査内容》
*構造耐力上主要な部分:基礎、基礎ぐい、壁、柱、斜材(筋交いなど)等です。
*雨水の浸入を防止する部分:屋根もしくは外壁またはこれらの開口部に設ける戸など。雨水を排除するため住宅に設ける排水管のうち、当該住宅の屋根もしくは外壁の内部又は屋内にある部分、などです。
◆Ⅰ「既存住宅流通について(建物状況調査(インスペクション)活用に向けて)」:(国土交通省ホームページより)
https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/tochi_fudousan_kensetsugyo_const_tk3_000001_00063.html
◆Ⅱ「国土交通省令第4号」:(国土交通省ホームページより)
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001722719.pdf
【問ア】不動産登記のうち表題登記(物理的形状や所在など表示関する登記)はその登記期限が決められています。その登記期限はいつまでになりますでしょうか。
(答え:再就職支給手当の申請期限と同じです)
問35 ① B 契約不適合責任について。
肢1、× 結論は不適切になります。
土地の取引きでは、売買契約書に記載された面積と実際の面積が異なることは実際にあるため、契約方法に特徴があります。それが、「公簿取引」「実測取引」です。
「公簿取引」:契約の方法は登記記録の面積(公簿面積)で契約するする方法。契約書で精算はしないと記載されるらしいです。
「実測取引」:実際に測量して契約する方法(実測面積)。
「公簿取引」は、契約後に面積に違いがあっても精算をしないと申し合わせます。「実測取引」は実際に測量を行い測量した結果で取引きを行うことになります。
原則としては「公簿取引」が推奨されているようですが、事前に説明をし、買手の合意を取り付けた上に、書面に特記事項として記載をすることも必要です。「公簿取引」は原則として契約不適合責任は認めらる可能性は少ないようです。ただ、極端な違いや影響が無視できない(100㎡のところ20㎡しかなかったや建蔽率や容積率が変わり想定した建物が建てられないなど)場合に、「錯誤」となることもあるようでした。
一方、「実測取引」は実際に面積を測定しますので、実体にあわせた取引きになります。契約時に未測定の場合は、公簿面積で仮に売買価格を設定し、測定後に精算をするなどになるようです。この場合は、面積が増えても精算の対象になるため、「契約不適合責任」に該当しないようです。
契約時に実測面積といわれそれを信じて契約をした場合には、契約不適合責任の範囲を超えており、詐欺などが視野に入ってくるようです。
「公簿取引」「実測取引」の説明もあやふやなまま契約を結んだ結果、地積と異なる面積だった場合には、契約不適合責任の「数量指示売買」に該当するともされていました。
数量指示売買では「追完請求権」(民法562条)が認められますが、設問にある「通知を知ったときより1年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない」とされるのは、「種類または品質に関して」ですので、数量は含まれていません。(民法566条)
数量指示売買では、契約不適合責任にある「知ってから1年」は該当せず、民法の消滅時効が適用されるとみることになり、「債券は、債権者が権利を行使することができることを知ったときから5年間行使しないとき、権利を行使することができる時から10年間行使しないとき、に時効によって消滅する」(民法166条)とされるようでした。
契約方法に係らず、どちらにしても「通知を知ったときより1年以内」とされる民法566条には該当しないことになりそうです。テキスト:(b)P364(c)P28(d)×P34
◆「土地売買契約書に記載された土地面積の意義」:(住宅金融普及協会ホームページより)
https://www.sumai-info.com/information/legal_knowledge_27.html
◆「実測売買」:(公益社団法人全日本不動産協会ホームページより)
https://www.zennichi.or.jp/law_faq/実測売買/
肢2、〇 買主は不適合を知ったときから1年以内に通知をしないと買主の権利は失効します。設問にある水漏れを知ったときから一年以内に売主に対して通知すればいいことになります。(民法566条 目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限)
ただ、通知をした後権利を行使しない場合は、権利を行使できると知ったときより5年、権利が行使できるときより10年を経過すると権利が消滅します。(民法166条第1項1号、2号 債権等の消滅時効)テキスト:(b)P363(c)P30(d)P36
◆「売主の担保責任の期間期限」:(公益社団法人全日本不動産協会ホームページより)
https://www.zennichi.or.jp/law_faq/売主の担保責任の期間制限/
肢3、〇 引き渡す前に当事者双方の責めに帰することができない事由により減失した場合は、買主は、代金の支払を拒むことが出来ます。(民法536条第1項)テキスト:(b)P363(c)×P30(d)×P36
◆「売買契約後決済前の災害による建物の減失」:(公益社団法人全日本不動産協会ホームページより)
https://www.zennichi.or.jp/law_faq/売買契約後決済前の災害による建物の滅失/
肢4、〇 肢3の設問から「引き渡した後」と変わっています。引渡しが終了した場合は、買主は減失を理由で契約の解除をすることは出来ません。(民法567条 危険物の減失等についての危険の移転)テキスト:(b)P363(c)×P30(d)×P36
【周辺情報等】筆界特定制度について。テキスト:(b)P356(c)P28(d)P22
☆筆界とは、「土地が登記された際にその土地の範囲を区画するものとして定められた直線」(不動産登記法第123条第1項)です。(下記◆より)
公法上の線引きになりますので当事者同士で合意をしたとしても変更することは出来ません。また、所有権の範囲を特定するものではありません。
☆筆界特定とは、隣同士の土地にある筆界(境界)を定めることです。筆界を定める手法には、「筆界特定制度」と「境界確定訴訟」があります。
どちらの方法も、公法上の筆界(境界)を決めることになりますので、関係者の事情や感情は汲み取られずに客観的な調査により事務的に決められることになります。
筆界特定制度が平成18年1月20日に施行されましたが、それまでは筆界の確定は「境界確定訴訟」と裁判に委ねる方法しかありませんでした。訴訟になりますので、時間・費用など手間隙がかかった上に、希望に沿った内容にならない可能性もありました。
そこで始まったのが裁判に訴えなくても筆界が特定できる平成18年に制定された「筆界特定制度」になります。
ただ、こちらの制度は特定になりますので、確定(筆界の範囲を定めるケースもある)はされないということです。
筆界特定制度で決められた筆界に不満な場合は、「境界確定訴訟」で確定することも可能です。
☆筆界特定制度とは、「土地の所有者として登記されている人などの申請に基づいて,筆界特定登記官が,外部専門家である筆界調査委員の意見を踏まえて,現地における土地の筆界の位置を特定する制度」(不動産登記法131条から)です。(下記◆より)
筆界特定の申請があると、筆界調査委員に調査を依頼しその調査を元に登記官が特定します。
特定の結果は、申請人・関係人に通知をされ、管轄登記所に保管し公開を行います。手数料は、筆界特定の対象となる土地の価格の合計で決まります。
筆界特定制度への申請の代行業務ができるのは、「土地家屋調査士」「弁護士」「法務大臣の認定を受けた司法書士」です。
*筆界特定登記官:筆界調査委員の調査結果をもとに筆界を特定します。登記官のうちから管轄の法務局または地方法務局の長によって指定されます。
*筆界調査委員:実際に調査をするメンバーで、土地家屋調査士や弁護士、司法書士など知見や経験を持った方たちが指名されます。
◆「筆界特定制度とは」:(国土交通省ホームページより)
https://www.mlit.go.jp/common/001270577.pdf
【法改正等】建築基準法改正が令和4年6月17日に公布されました。
改正内容は多岐に渡り、省エネ基準の見直しや木造建築の活用を促進するために規制を緩和する、などが打ち出されています。
その政策の中で、既存ストック住宅への省エネ工事や長寿命化の工事をし易くするための規制の緩和もしています。
省エネ工事の規制の緩和として
「建築物の構造上やむを得ない場合における高さ制限に係る特例許可の拡充(建築基準法第55条、第58条)」「建築物の構造上やむを得ない場合における建蔽率・容積率に係る特例許可の拡充(建築基準法第52条、第53条)」があります。(下記◆P26、P27参照)
こちらの改正は、屋根の断熱改修や屋上への省エネ設備の設置等により、高さ制限や建蔽率、容積率に違反する形になっても、一定の要件を満たすことによりその部分の規制を緩和する制度です。
また、「一定範囲内の増築等において遡及適用しない規定・範囲の追加(建築基準法第86条の7)」(下記◆P34)も施行されました。
こちらは、省エネ化や長寿命化の工事を行うにあたり、接道義務や道路内建築制限において既存不適格となるケースでも、不適格部分が遡及されずに工事が可能になる制度です。
◆「改正建築基準法について 令和4年6月17日公布」:(国土交通省ホームページより)
https://shoenehou-online.jp/doc/改正建築基準法について.pdf
☆上記のホームページにある用語の簡単な説明です。
「ストック活用」とは、既存の建物を有効に活用して、居住者の居住の安定や安全等を確保しつつ適時適切な計画的な修繕などを行うことです。
「総合設計制度」(法59条の2)とは一定規模以上の敷地に一定割合の「公開空地」を確保することで、市街地の環境の整備改善がなされる場合、“公開空地を設けることに対するボーナス”として「容積率・絶対高さ制限・斜線制限を緩和する」という制度です。(下記◆Ⅰ参照)
「総合的設計制度(一団地の総合的設計制度)」とは、建築基準法の原則は「一敷地一建物」ですが、特定行政庁が安全上、防火上、衛生上支障がないと認めるものについては、接道義務、容積率制限、斜線制限、日影制限等の規定を、同一敷地内 にあるものとみなして適用出来る制度です。(下記◆Ⅱ参照)
同様な仕組みに「連担建築物設計制度」があります。こちらの制度は、特定行政庁がみとめるなど一定の要件のもと「複数建築物が同一敷地内にあるものとみなして、建築規制を適用総合的設計制度の適用」することが出来ます。
「総合的設計制度」は、これから新築し、かつ基本的にいっぺんに建築される場合に適用されるのに対し、「連担建築物設計制度」は、すでに建っている建物を前提に、新たに建物を建てるときに適用します。(下記◆Ⅲ参照)
◆Ⅰ「総合設計制度」:(国土交通省ホームページより)
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/seido/kisei/59-2sogo.html
◆Ⅱ「総合的設計制度」:(国土交通省ホームページより)
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/seido/kisei/86-1ichidanti.html
◆Ⅲ「連担建築物設計制度」(れんたんけんちくぶつせっけいせいど):(国土交通省ホームページより)
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/seido/kisei/86-2rentan.html
【問イ】不動産にある媒介契約は、一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約があります。その中で専任媒介契約と専属専任媒介契約は有効期間が決められています。その期限の上限期間は。
(答え:要介護認定(要支援認定)の処分に対して不服を申し立てる審査請求の期限と同じです)
問36 ① A 都市計画法に基づく開発許可について。
肢1、〇 「開発行為」とは「主として建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供する目的で行なう土地の区画形質の変更」とされていますので、設問にある建築物を伴わない場合は開発行為にはならず都道府県知事の許可は不要になります。(都市計画法第4条第12項)テキスト:(b)P373(c)P46(d)P67
肢2、× 市街化区域内で都道府県知事の許可が不要な開発は、面積1,000㎡未満になります。設問の1,500㎡は1,000㎡が正答です。テキスト:(b)P373(c)P46(d)P68
◆「開発許可制度の概要 規制対象規模(都市計画法施行令第19条、第22条の2」:(国土交通省ホームページより)
https://www.mlit.go.jp/toshi/city_plan/toshi_city_plan_fr_000046.html
肢3、× 設問にある「農地において農業者が農業の用に供する堆肥舎や農機具等収納施設を建築する目的で行う開発行為」において開発許可が不要となるのは、市街化区域以外ですので、設問にある市街化区域内では、1,000㎡未満である必要があります。(都市計画法第29条第1項第2号)テキスト:(b)P373(c)P46(d)P68
肢4、× 被相続人が開発許可を受けていて相続人(一般承継人)が受け継いだ場合は、相続人が改めて開発許可を受ける必要はありません。(都市計画法第44条)テキスト:(b)P373(c)×P46(d)P67
◆「開発許可制度の概要」:(国土交通省ホームページより)
https://www.mlit.go.jp/toshi/city_plan/toshi_city_plan_fr_000046.html
【周辺情報等】接道義務について。テキスト:(b)P375(c)P51(d)P78
「都市計画区域内、準都市計画区域内では、原則として幅員4m以上の道路に2m以上接していなければ、その敷地に建築物を建築することはできない」とされています。(建築基準法第43条1項)
ここでいう「道路」は、建築基準法上の道路になり、建築基準法第42条で規定されています。(下記◆Ⅱ参照)
《第42条第1項で指定されている道路》
第1号:国道、県道、市道、高速自動車道。
第2号:都市計画法、土地区画整理法による道路等。
第3号:建基法の規定が適用されるに至った際現に存在する道。
第4号:新設又は変更の事業計画のある道路で2年以内に事業が執行される予定のものとして特定行政庁から指定されたもの。
第5号(位置指定道路):土地を敷地として利用するため、私道として築造する道で特定行政庁から位置の指定を受けたもの。
《第42条第2項で指定されている道路。(いわゆる2項道路)》
建基法の規定が適用されるに至った際現に建物が立ち並んでいる幅員1.8m以上4m未満の道路をいいます。
前記にあるように、道路に原則として決められた要件で接していない限り建築をすることは出来ません。
ただ、建築基準法第43条2項で例外となるケースが規定されています。
《建築基準法第43条第2項》(一)を認定制度、(二)を許可制度といいます。
『前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物については、適用しない。
(一)その敷地が幅員四メートル以上の道※(道路に該当するものを除き、避難及び通行の安全上必要な国土交通省で定める基準に適合するものに限る。)に二メートル以上接する建築物のうち、利用者が少数であるものとしてその用途及び規模に関し国土交通省令で定める基準に適合するもので、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるもの。
(二)その敷地の周囲に広い空地を有する建築物その他の国土交通省令で定める基準に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したもの。』
※「道」とは、一般の通行の用に供されている道路状空地のことをいう。(※印は後付です)
また、上記について建築基準法施行規則第10条の3で基準が定められています。
1号については、農道や見かけ上では道路と思えるような一定の要件を満たした道路様(幅員4mに2m接続)の敷地に接続をしていることになります。
認定とされる場合は、禁止の例外ではない、建築審査会等の第三者機関の同意を求める必要がない、とされるところが許可と大きな違いとなるようでした。
2号は、敷地の周囲に広い空き地を有していたり、1号同様に道路様の道に接続して、「建築審査会の同意」を得て許可することが条件になります。
どちらにしろ、緊急車両が問題なく通れる通り道を確保しなくてはいけないようでした。
◆Ⅰ「建築基準法第43条第2項第2号 による許可のご案内」:(埼玉県ホームページより)
https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/118431/43annnai_030330.pdf
◆Ⅱ「道路について」:(東京都都市整備局ホームページより)
https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/tamakenchikushidou/douro.html
【法改正等】区分所有法改正。区分所有法の正式な法律名は「建物の区分所有等に関する法律」になり、民法の特別法です。
居住者や所有者が複数となる区分所有物件は、被災や老朽化などで大規模な修繕や建替えなどが必要となります。
ただ、区分所有法における大規模な修繕や建替えには一定の人数の賛成が必要です。
しかし、現実では、不明所有者の増加や国外所有者、建物の管理・修繕に無関心などの理由により、意見の取りまとめなどが困難になってきています。
そこで、その辺りの手当をした「区分所有法の改正」が検討されています。
検討課題の方向性としては、
*不明所有者は反対決議とされている。→決議人数の母集団から除外する。
*建替え決議は所有者の5分の4の賛成が必要→決議に必要な議決数を引き下げるか、出席者での多数決にする、などです。
◆Ⅰ「区分所有法制の見直し」:(国土交通省ホームページより)
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001580320.pdf
◆Ⅱ「区分所有法制の改正に関する要綱案(案)」:(法務省ホームページより)
https://www.moj.go.jp/content/001410115.pdf
【問ウ (a)に入る数値は】日影規制は一定の区域内に対して条例で定めますが、区域外でも区域内に日影を生じさせる一定の高さを超える建物の場合は規制の対象になります。その建物の高さは(a)m超です。
(答え:遺留分を算定するための財産の価額は特別受益とされる贈与が対象になりますが、生前の算入期間にも期限があります、その期限と同じ数値です。)単位違い
問37 ① A 土地区画整理事業は、都市計画区域内の土地が対象となります。目的は、公共施設の整備改善と宅地の利用の増進を図ることです。(土地区画整理事業法第2条)
特定土地区画整理事業等のために土地を譲渡した場合には譲渡所得から2,000万円の特別控除ができる特例があります。
◆「措置法34条」:(国税庁ホームページより)
https://www.keisan.nta.go.jp/r1yokuaru/cat2/cat21/cat218/tokurei/jobunjun/sochi34.html
肢1、〇 土地区画整理事業の施行者は、個人でも組合でも株式会社でも地方公共団体でもなれます。テキスト:(b)P385(c)P78(d)×P118
◆「土地区画整理事業とは 2、施行者について」:(公益社団法人街づくり区画整理協会ホームページより)
https://www.ur-lr.or.jp/outline/about.html
肢2、× 仮換地が指定された場合、従前の土地は使用収益が出来なくなります。ただ、登記に関する、所有権の移転登記や抵当権の設定などは可能です。売買も可能ですが、売買契約書は従前地の情報になり、価格の設定も進捗具合で変動することになるようです。テキスト:(b)P385(c)P79(d)P119
肢3、× 土地区画整理法は、土地を整理するための法律ですので、施行者になれる個人は土地の所有者と借地権者になります。設問にある、建物の所有者や借家権者は施行者になれません。テキスト:(b)×P385(c)×P78(d)P119
肢4、× 土地区画整理組合の設立認可の公告があった日から換地処分の公告がある日までに土地の形質の変更や建築物の新築等を行おうとするものは、当該組合の許可ではなく都道府県知事等または国土交通大臣の許可が必要になります。(土地区画整理法第76条)
土地区画整理組合において他の要件は、・7人以上での設立、・認可の申請をするものは、土地の所有者および借地権者の3分の2以上の同意が必要、などがあります。テキスト:(b)×P384(c)P78(d)P120
◆「土地区画整理事業」:(国土交通省ホームページより)
https://www.mlit.go.jp/toshi/city/sigaiti/toshi_urbanmainte_tk_000020.html
【周辺情報等】建築協定(建築基準法第69条以降)とは。テキスト:(b)×P374(c)P71(d)P105
「建築協定制度は、住宅地としての環境や商店街としての利便を高度に維持増進することなどを目的として、土地所有者等同士が建築物の基準(建築基準法による最低基準を超えた高度な基準)に関する一種の契約を締結するときに、公的主体(特定行政庁)がこれを認可することにより、契約に通常の契約には発生しない第三者効※を付与して、その安定性・永続性を保証し、住民発意による良好な環境のまちづくりを促進しようとする制度です。」(下記◆Ⅰより)
※ 契約当事者以外の第三者が当該契約の目的となっている土地等を取得したときに、当該第三者をも拘束する効力。
《制度の概要》市区町村が指定した地域内において土地の所有者全員の合意により特定行政庁に申請をして認可を受けます。
建設協定書は所有者等全員の合意が必要ですが、借地権のある土地は借地権者との合意で間に合います。
条文では、「借地権の目的となつている土地がある場合においては、当該借地権の目的となつている土地の所有者以外の土地の所有等の全員の合意があれば足りる。」とされています。(建築基準法第70条第3項)
建築協定は、建築基準法の規定内であることはもちろんのこと、土地や建物の利用を不法に制限するものであってもならないとされます。
《建築協定書の申請》特定行政庁に申請をします。ただ、建築主事の置かれていない地域では、市町村長を経由して申請することになります。
申請を受けた市町村長は、申請の公告とともに関係者に20日以上の期間縦覧できるようにします。その後一定の手続き(公開による聴聞など)を経て認可となります。
《建築協定区域隣接地》建築協定区域に隣接した土地で将来的に建築協定区域の一部としたい区域のこと。
《一人協定制度(法76条の3)》住宅を新規に開発するデペロッパーが、住宅分譲を開始する以前に会社として建築協定を締結する制度です。建築協定を作成することにより「建築協定付住宅地」として販売します。
《協定違反》協定違反があった場合の措置も規定することができます。
《問題点と課題》所有者の権利関係が複雑化してきたため、建築協定の取り付けが困難になり、また、協定の規制が及ばない場所が穴抜け的に発生して建築協定の意義が薄れる、など問題も発生してきています。
また、地域の継続や存続のためには合意形成を行うための啓発が必要となり、そのための組織作りが大事になります。そのため、メンバーへの負荷が増大し、なり手不足の問題も抱えています。
以上の問題などから、住民主体の建築協定から自治体が主体とるなる地区計画(下記◆Ⅲ参照)へと移行を検討する事例も多くなってきているようです。
◆Ⅰ「建築協定」:(国土交通省ホームページより)
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk5_000002.html
◆Ⅱ「住民主体の街づくりガイド」:(国土交通省ホームページより)
https://www.mlit.go.jp/common/000047916.pdf
◆Ⅲ「地区計画等」:(国土交通省ホームページより)
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/seido/kisei/chikukeikaku.html
【法改正等】所有者不明土地や管理不全土地の抱える問題に対して令和5年4月1日施行で「土地・建物に特化した財産管理制度」(新民法264条の2〜264の8)「管理不全土地管理命令制度」(新民法264条の9~第264条の14)が始まりました。
こちらの制度は、「土地・建物に特化した財産管理制度とは、所有者が不明などにより管理不全な土地・建物の管理人を選任してもらうことができる制度」になります。(下記◆P20参照)
これまでも、土地や建物の所有者が行方不明の場合には不在者財産管理人を、所有者が死亡して相続人のあることが明らかでない場合には相続財産管理人を、法人が解散したが清算人となる者がない場合には清算人を選任して対応することが可能でした。
ただ、これまでの制度は、人単位で管理を行うため負担が大きくなりがちでした。
そこで、人単位で適用する制度とは別に、土地・建物単位で管理が行えるように考慮した制度になります。
管理人は、弁護士や司法書士、家屋調査士などその家屋の状況に応じた人を裁判所が任命します。
《要件》
*土地建物に特化した財産管理制度(ⅰ)土地と建物それぞれに管理者が必要です。(ⅱ)申立人は利害関係者に限ります。(ⅲ)調査を尽くしても見つからない、また、管理人による管理の必要性があることが求められます。(ⅳ)裁判所の許可を得て処分も出来ます、などです。
*管理不全土地(ⅰ)所有者の同意が必要です。ただ、動産の処分に同意は不要です。(ⅱ)裁判所の許可を得ることにより一定の行為も管理人に認められています。
《特徴》
*区分所有物については適用ができません。
*管轄は不動産所在地の地方裁判所です。
*予納金が必要です。
◆「所有者不明土地ガイドブック」:(国土交通省ホームページより)
https://www1.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/content/001618381.pdf
【問エ (a)にはいる数値は】借家契約の期間の定めのない契約は、解約の請求ができ、借主の請求から3ヶ月、貸主の請求から(a)ヶ月で終了することが出来ます。
(答え:配偶者短期居住権は遺産分割により帰属が確定した日または相続開始のときのうちどちらか遅い日から一定の期間住み続けられます。その期間と同じ数値です)単位違い
問38 ③ A 不動産取得税は地方税で登録免許税は国税になります。主な特徴として、不動産取得税は相続(包括遺贈、相続人への個別遺贈含む)および会社の合併は課税されません。
肢1、× 不動産取得税の非課税は、「相続」「会社の合併」などが対象となります。設問にある贈与は対象となりません。
不動産所得税は、不動産の所得時1回限りの税金で「有償」「無償」や「登記の有無」なども関係なく課税されます。テキスト:(b)P386(c)P90(d)P137
◆「不動産取得税」:(総務省ホームページより)
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/150790_17.html
肢2、× 贈与または相続による不動産に関する所有権の移転登記をする場合、登録免許税の課税標準は、設問の相続税評価額ではなく固定資産税評価額になります。テキスト:(b)P357(c)P14(d)P3
肢3、〇 登録免許税の税率の軽減は、贈与も相続も設問の通り対象外です。登録免許税にある軽減税率は、「売買および競落」のみが対象になります。
ただ、一定の要件を満たす相続で受取った土地には免税措置があります。(下記【法改正等】参照)テキスト:(b)P367(c)P34(d)P137
肢4、× 相続や贈与による所有権移転登記は、敷地や建物の区別はなく、どちらも本則どおり贈与2%、相続(相続人に対する遺贈も対象)は0.4%になります。テキスト:(b)P388(c)P80(d)P137
【周辺情報等】都市計画税とは、市町村が都市計画事業や土地区画整理事業の費用に充当するために都市計画区域内にある土地や建物に課税する目的税です。
都市計画税を課税するかどうかは、それぞれの地域における都市計画事業等に応じて、市町村が自主的な判断(課税する場合は条例が必要)をしますので、課税がされない自治体もあります。
《納付》毎年1月1日に市街化区域内に土地や家屋を所有している人が固定資産税と同時に4期(4月、7月、12月、翌年2月)に分けて都市計画税を納付します。
《税率》国定資産税評価額×0,3%(制限税率:税率は課税市町村で決められますが、0.3%が上限になります)
*軽減措置:1戸当たり200㎡以下が課税標準が3分の1、200㎡超は課税標準が3分の2になります。テキスト:(b)P388(c)P101(d)P148
◆「都市計画税」:(総務省ホームページより)
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/150790_16.html
【法改正等】登録免許税の特例措置の再販買取と相続物件に係る場合について。
登録免許税には一定の要件に併せて課税の軽減措置が定められていましたが、令和6年の税制改正により令和9年3月31日まで延長されました。
住宅に関しては、「一般住宅」「特定認定長期優良住宅」「認定低炭素住宅」「特定の増改築がされた住宅用家屋」等で軽減税率が変わっています。(下記◆Ⅲ参照)
住宅等を対象にしている制度ですが、業者が一定の増改築を施した場合や相続により受取った土地にも軽減税率が設定されています。その概略は以下の通りになります。
どちらも、令和9年3月31日まで延長されています。
☆買取再販で扱われる住宅の取得に係る登録免許税の特例措置(下記◆Ⅰ参照)
《概略》宅地建物業者が一定の改築や増築をして既存住宅を再販した場合に、登録免許税が減額される特例になります。
《税率》所有権移転登記:0.1%(本則2%、一般住宅0.3%)
《要件》・昭和51(西暦1982)年1月1日以降に建築された、または、建築士や既存住宅瑕疵担保責任保険に加入を証明する書類等の一定の書類で耐震基準を満たしていると証明された。・個人の居住の用に供される面積が50㎡以上。・宅地建物取引業者から取得した。・新築された日から10年を経過している・宅地建物業者が取得してから2年以内に再販売すること、などです。
《工事内容》・バリアフリー改修工事・一定の耐震に適合させるための耐震工事・増築、改築、建築基準法上の大規模な修繕・省エネ改修工事、などです。
☆相続による土地の所有権の移転登記等に対する登録免許税の免税措置(下記◆Ⅱ参照)
《概略》2次相続により取得した土地において1次相続者が移動登記を完了させないままに死亡した場合に一次相続の登録免許税を非課税にする特例です。
《税率》免税(本則0.4%)
《要件》個人が相続により土地を取得したものが登記をする前に死亡し、登記がされないままその土地を取得した場合に、一次相続にあたる被相続人の登録免許税を一定の要件のもと免税にする制度です。
《期限》令和7年3月31日まで。
☆少額の土地を相続により取得した場合の登録免許税の免税措置(下記◆Ⅱ参照)
《概略》個人である相続人が取得した土地について一定の用件を満たす場合に保存登記、移転登記の登録免許税を免税にする制度です。
《税率》免税(本則0.4%)
《要件》課税標準となる不動産の価格が100万円以下(固定資産税課税台帳)であること。
《期限》令和7年3月31日まで
◆Ⅰ「買取再販で扱われる住宅の取得に係る登録免許税の特例措置について」:(国土交通省ホームページより)
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001744820.pdf
◆Ⅱ「相続による土地の所有権の移転登記等に対する登録免許税の免税措置について」:(税務署ホームページより)
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sonota/0018003-081-01.pdf
◆Ⅲ「登録免許税の税率の軽減措置に関するお知らせ」:(国税庁ホームページより)
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sonota/0020003-124_02.pdf
【問オ (a)に入る語句は】固定資産税と都市計画税の納税義務者は、毎年(a)時点で固定資産課税台帳に登録されている者になります。
(答え:NISA口座の金融機関の変更は変更を希望する年の基点となる日以降に変更前の口座で買付けがあると変更が出来ません。その基点となる日付と同じです。)
問39 ① A 固定資産の交換の場合の譲渡所得の特例について
肢1、× 本特例を受けるためには、いくつかの要件がありその中に「同じ種類の固定資産」があります。設問にあるAさん所有土地と建物、Bさん所有土地では土地のみが対象になり、建物は「同じ種類の固定資産」にあたらないため建物は特例の対象外になります。
また、高い価格の20%以内の条件は2,000万円×20%=400万円 2,000万円‐1,700万円=300万円 300万円<400万円となりますので他の要件を満たしていることにより土地は特例の対象になります。テキスト:(b)P401(c)P109(d)P162
肢2、〇 特例の適用を受け条件の一つにそれぞれの固定資産の所有期間は1年以上とされています。
設問で、Bさん所有のY土地の所有期間が1年未満とされているため、どちらも特例を受けることは出来ません。テキスト:(b)P401(c)P109(d)P162
肢3、〇 棚卸資産は特例を受けることは出来ませんので、Bさんが販売のために所有しているY土地は対象外です。テキスト:(b)P401(c)P109(d)×P62
肢4、〇 特例の要件を満たして交換した後に、どちらかが「同じ用途に使用する」に反したとしても相手方は適用されます。設問の場合、Aさんが売却をしたとしてもBさんは特例を適用されます。テキスト:(b)P402(c)P109(d)P166
◆「土地建物の交換をしたときの特例」:(国税庁ホームページより)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3502.htm
【周辺情報等】取得した土地建物の取得時期、取得金額を引き継ぐケース。(贈与や相続は別建てのルールがありますのでここでは除いています)テキスト:(b)P(c)P(d)P
☆先に売った旧資産の取得金額を買換えた資産に引き継がれる特例です。
*固定資産の交換の場合の譲渡所得の特例
*収用交換等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例
*特定の居住用財産の買換え又は交換の場合の譲渡所得の課税の特例
*特定の事業用資産の買換え又は交換の場合の譲渡所得の課税の特例
☆先に売った旧資産の取得時期が買い換えた資産に引き継がれることになる特例になります。FP資格に特に関係してくるのは1番目と2番目です。
*固定資産の交換の場合の譲渡所得の特例
*収用交換等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例
*特定交換分合の特例(とくていこうかんぶんごうのとくれい)
《概略》一定の要件を満たす分散している農地等を交換分合をした場合に、清算金を取得しない場合には、交換分合によって譲渡した土地等の譲渡がなかったものとみなされる(譲渡所得は発生しません。)制度です。
《交換分合とは》分散している農地を区画・地番・形状等を変えることなく一定の広がりを持った一つの広い土地にまとめること。
1番目と2番目は、取得時期と取得価額を引き継ぎます。
◆Ⅰ「買換えなどで取得した資産の取得費と取得時期」:(国税庁ホームページより)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3273.htm
◆Ⅱ「交換歩合の概要」:(内閣府ホームページより)
https://www.chisou.go.jp/tiiki/kokusentoc_wg/hearing_s/151224shiryou01-01.pdf
【法改正等】営農型太陽光発電について
「営農型太陽光発電」とは、一時転用許可を受け、農地に簡易な構造でかつ容易に撤去できる支柱を立てて、上部空間に太陽光を電気に変換する設備(以下「営農型太陽光発電設備」という。)を設置し、営農を継続しながら発電を行う事業をいいます。
この場合に、支柱の基礎部分について一時転用許可が必要となります。(第4条第1項又は第5条第1項の許可)
《あらまし》平成25年から通知により運営を行ってきたところ、発電に重きをおき営農がおろそかになってきたなどして、本来の目的から乖離しだしてきました。
そこで、営農が適切に継続されない事例を排除し、農業生産と発電を両立するという営農型太陽光発電の本来あるべき姿とするため、これまで通知で定めていた一時転用の許可基準等を農地法施行規則に定めるとともに、具体的な考え方や取り扱いについてガイドラインを制定(下記◆Ⅱ参照)し、令和6年4月1日に施行いたしました。
《許可権者》都道府県知事または指定市町村の長になります。
《期間》
*担い手が自ら所有する農地等、遊休農地などは10年以内。
*10年以内の要件以外は3年以内。
《主な特徴》
*営農を営農計画書に沿って行うこと。その年における市町村の区域内の単収と比較して2割減とならないこと。
*支柱の高さは原則2m以上
*毎年営農状況の報告書を提出すること、などです。
◆Ⅰ「農地転用を伴う太陽光パネルの設置について」:(農林水産省ホームページより)
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/community/dl/06_03.pdf
◆Ⅱ「営農型太陽光発電に係る農地転用許可制度上の取扱いに関するガイドライン」の制定について:(農林水産省ホームページより)
https://www.maff.go.jp/j/nousin/noukei/totiriyo/attach/pdf/einogata-15.pdf
【問カ (a)に入る数値は】優良住宅地造成等の軽減税率の特例は、長期譲渡所得のうち2,000万円までの税金が軽減されます。そのうち住民税の税率は、(a)%に軽減されます。
(答え:工事が完了した後に完了検査を申請しますが、建築主が工事完了から申請する期限と同じで数値です)単位違い
問40 ③ A 「既成市街地等内にある土地の等の中高層耐火建築物等の建設のための買換えの場合の譲渡所得の課税の特例」では、建築予定の資産によって2通りの特例があります。
設問にある「中高層の耐火共同住宅」(本特例の表2号)と「中高層の耐火建築物の建築をする政令で定める事業」(本特例の表1号)です。
前者は耐火建築3階以上で、後者は耐火建築4階以上が対象になります。前者と後者の大きな他の違いは、「主として住宅の用に供される建築物」の条件が後者(本特例表1号)にはありません。
肢1、× 譲渡資産の使用状況に制限はありません。住宅でも事業建物でも土地だけでも対象になります。設問の「適用を受けることはできない」ではなく「適用を受けることができる」になります。テキスト:(b)P406(c)P26(d)P172
肢2、× 設問は「特例の表2号」に該当しますので、建築される建物は「耐火建築物または準耐火建築物で床面積の2分の1以上が居住の用に供され、3階以上」であることが必要です。
設問では、4階以上とされていますが、こちらは特例の表1号(事業用建物)の条件になります。テキスト:(b)P406(c)P126(d)P172
肢3、〇 土地を譲渡した日の属する年またはその翌年中に建物を取得し、取得後1年以内に居住または事業の用に供することになります。テキスト:(b)P406(c)P126(d)P172
肢4、× 本特例で引き継ぐのは、取得費になり取得時期は引き継ぎません。
FP資格で取り上げられている買換え特例で取得時期と取得費を引き継ぐのは、「固定資産の交換の特例」「収用等による資産の譲渡の特例 代替資産を取得した場合」です。テキスト:(b)P406(c)×P126(d)×P172
◆「買換えなどで取得した資産の取得費と取得の時期」:(国税庁ホームページより)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3273.htm
◆「措置法第37条の5関係」:(国税庁ホームページより)
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/shotoku/sochiho/710826/sanrin/sanjyou/soti37/11.htm
【周辺情報等】テキスト:(b)P407 (c)P(d)P178
☆特定土地区画整理事業等のために土地等を譲渡した場合の譲渡所得の特別控除(2,000万円の特別控除)
国、地方公共団体等による特定土地区画整理事業等のために土地や土地の上に存する権利等を譲渡した場合に、2,000万円の特別控除を受けることができます。
要件を満たすためには、「国や地方公共団体、独立行政法人都市再生機構、地方住宅供給公社が土地区画整理事業、住宅街区整備事業、第一種市街地再開発事業又は防災街区整備事業として行う公共施設の整備改善や宅地の造成、共同住宅の建設、建築物・建築敷地の整備に関する事業のためこれらの者(地方公共団体が設立した特定の団体を含みます。)に土地等が買い取られた場合」など、「都市再開発法による」、「密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律」「古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法」など一定の法律に基づいた開発と限定されています。
◆「措置法34条」:(国税庁ホームページより)
https://www.keisan.nta.go.jp/r1yokuaru/cat2/cat21/cat218/tokurei/jobunjun/sochi34.html
☆地方公共団体、公社等による住宅地造成事業等のために土地等を譲渡した場合
「特定住宅地造成事業等」のために土地や土地の上に存する権利が買い取られた場合には、その譲渡所得の金額から1,500万円が控除されます。
要件は「収用事業を行う者(代行買収者を含みます。)に収用等の対償に充てるため(収用等の対償地として)買い取られたもの」など上記の2,000万円の控除より緩やかな条件のようでした。
◆「措置法34条の2」:(国税庁ホームページより)
https://www.keisan.nta.go.jp/r1yokuaru/cat2/cat21/cat218/tokurei/jobunjun/sochi34_2.html
☆「優良住宅地の造成のために譲渡した場合の軽減税率の特例」
「売却した年の1月1日において、所有期間が5年を超える一定の土地等(下記◆Ⅱ参照)を優良住宅地の造成等のために譲渡した場合」に2,000万円以下の部分は所得税が10%(住民税4%)に軽減されます。2,000万円を超える部分は、15%(住民税5%)とされます。
2,000万円以下:課税長期譲渡所得金額×10%=所得税
2,000万円超:(課税長期譲渡所得金額-2,000万円)×15%+200万円=所得税
令和5年の税制改正で令和7年12月31日まで延長されました。
◆Ⅰ「優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の税率の特例(措法31の2)」:(国税庁ホームページより)
https://www.keisan.nta.go.jp/r1yokuaru/cat2/cat21/cat218/tokurei/jobunjun/sochi31_2.html
◆Ⅱ「優良住宅地等の造成のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例」:(公益社団法人全日本不動産協会ホームページより)
https://www.zennichi.or.jp/wp-content/uploads/2016/07/1673d50292cffe3d435d9461b41f006e.pdf
【法改正等】居住用高層建築物に係る課税の見直しについて。
《概略》令和6年1月1日以後に相続、遺贈又は贈与により取得した「居住用の区分所有財産」(いわゆる分譲マンション)の価額は、新たに定められた個別通達※により評価しすることになりました。
※個別通達に該当しないケース
*地階を除く2階以下の建物。低層の集合住宅等。
*事業用のテナント物件など。
*いわゆる2世帯住宅など。
*一棟所有の賃貸マンションなど。
《特徴》従前の計算方式はいわゆるタワーマンション(超高層マンション)※が対象でしたが、今回の見直しは、タワーマンションに限らず「地階を階数が3階以上の区分所有している居住用住宅を相続・遺贈、贈与された」場合に適用することになります。
※タワーマンション:一般的に20階以上のマンションがいわれています。
《計算》建物と敷地利用権の価格にそれぞれ区分所有補正率を掛け合わせて算出した金額を合算します。(下記◆参照)
◆「居住用の区分所有財産の評価が変わりました」:(国税庁ホームページより)
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/0023011-040_01.pdf
【問キ (a)に入る語句は】終身建物賃貸制度は60歳以上の単身者など一定の要件のもと高齢者が死亡まで入居できるための制度ですが、事業者から入居者に解約の申し入れをするためには(a)の承認が必要です。
(答え:非上場株式等についての相続税の納税猶予・免除の特例を受けるには、特例承継計画を作成し提出そして確認を受けなくてはいけませんが、その特例承継計画を提出する先と同じです)
問41 ① A 不動産の有効活用について。
(a)〇 等価交換方式は、所有する土地に業者が建物を建てて建築後に土地と建物を等価で交換する方式です。土地の所有者は現金の持ち出しをすることなく部屋の保有することができます。ただ、所有者が複数になるため、後々権利の問題など発生する恐れもあります。テキスト:(b)P409(c)P158(d)P194
(b)× 建設協力金方式は、テナントより建設資金を借りて建物の家賃から相殺で返済をしていく方式です。設問の「金融機関から建設資金を借り受けて」が間違っています。オーナーが建設資金を持ち出さないため現金の流出がないメリットがありますが、テナントの会社が倒産したときに建物の後処理に一定の手順が必要になります。また、テナントによっては建物の汎用性が弱く塩漬けになる可能性もあります。テキスト:(b)P409(c)P160(d)P195
◆「建設協力金、保証金の取扱い」:(国税庁ホームページより)
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/inshi/10/11.htm
(c)× 事業の企画立案、タイムスケジュールや運営・管理を業者に依頼をし、資金等は土地の所有者が手当をする方式です。運用を依頼するだけですので、土地の所有権は地主のままになります。設問の「地主は建設資金を調達する必要はなく、建物の所有名義は事業者となる」が誤りです。
賃貸物件の場合、常に空き室率100%とされる一括委託の方法もあります。ただ、受託業者は賃借人となるため家賃の減額を要求されたり、やはり事業者の倒産などのデメリットもあります。テキスト:(b)×P409(c)P156(d)P193
【周辺情報等】土地信託と税金について。テキスト:(b)×P409(c)P161(d)×P193
《信託とは》「自分の大切な財産を、信頼できる人に託し、自分が決めた目的に沿って大切な人や自分のために運用・管理してもらう」制度です。(下記◆Ⅰ参照)
《概略》委託者(自分)が受託者(資産を運用・管理する人)に資産を預けて資産の運用・管理を任せて受益者が収益を受取ること制度です。
種類は、家族信託(民事信託:子供や信頼できる知人などに依頼をする)と商事信託(信託銀行等に委託をする)があります。
どちらも、後のトラブルを避ける意味でもしっかりとした契約を交わすことになります。
*特徴として、・委託者の希望を可能なかぎり反映することが出来る、・第2受託者を指定できる、・委託者が死亡したあとも第2受益者と順番に受益者を指定することが出来ます。
ただ、連続して指定できるのは30年経過後までになり、30年を経過した後の受益権の引継ぎは1回のみ可能となります。(信託法91条)
・商事信託の場合、必ずしも収益を保証されていない、などです。
《信託と税制(下記◆Ⅱ参照)》信託の課税についてです。課税は、信託の設定時、期間中、終了時で発生します。
受益権の移動(設定時、終了時)により課税関係が生じますが、大前提として所有権の移動による受託者は譲渡ではなく仮の所有になりますので、受益権の課税関係は発生しません。
課税の仕組みは、(ⅰ:自益信託)委託者=受益者と(ⅱ:他益信託)委託者≠受益者で異なってきます。
*信託開始時:他益信託では、受益権に対して贈与税が発生します。
*受益期間中の税制:
(ⅰ)資金捻出者と受取り人が同一ですので、所得税になります。不動産からの収益は不動産所得になります。
(ⅱ)受取る側は、その事由により贈与税または相続税の対象になります。ただ、要件を満たすことにより信託商品によっては非課税となる場合もあります。また、相続時精算課税を活用することも可能です。
*信託終了時:受託者から委託者への移動の場合課税関係が発生しません。
委託者≠受益者では、設定時に贈与税を課税されていますので、課税は発生しません。ただ、受益権を受益者以外の第三者に移動した場合は、改めて贈与税または相続税が発生します。
*不動産信託特有の課税関係(登録免許税、固定資産税・都市計画税など)
(前提)所有権移転登記の登録免許税は課税されませんが、不動産資産は受託者が仮所有者になりますので、信託登記が必要になります。
(固定資産税評価額)建物:0.4%(登録免許税法第9条、別表第一)、土地(軽減措置令和8年3月31日まで):0.3%(租税特別措置法第72条)
・固定資産税・都市計画税は受託者に課税されますが、納付義務者は委託者になりますので信託費用などで精算をするなどのパターンがあります。
☆「有効な土地活用としての土地信託」独自のルール(下記◆Ⅲ参照)
*主たる要件:(ⅰ)原則として土地・建物(上にある権利含む)が信託財産であること。(ⅱ)委託者と受益者は同じであること(ⅲ)原則として受給期間中に信託を受ける権利が分割されないこと(ⅳ)受託者が信託業務を営む銀行であること、などです。
《その他》信託不動産による損失は、信託財産以外の利益と損益通算不可となり、繰越控除も出来ません。(租税特別措置法第41条の4の2①、租税特別措置法施行令第26条の6の2④)
◆Ⅰ「信託について」:(一般社団法人信託協会ホームページより)
https://www.shintaku-kyokai.or.jp/trust/
◆Ⅱ「信託と税金」:(一般社団法人信託協会ホームページより)
https://www.shintaku-kyokai.or.jp/trust/tax/
◆Ⅲ「土地信託に関する所得税、法人税並びに相続税及び贈与税の取扱いについて」:(国税庁ホームページより)
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/hojin/853/01.htm
【法改正等】「高齢者の居住の安定確保に関する法律施行規則」の見直しが行われました。あわせて「サービス付高齢者向け住宅」の運用においても一部改正され、令和4年9月1日より施行されています。(下記◆Ⅰ第2‐3参照)
☆サ高住は「原則として、有資格者等がサ高住の敷地又は当該敷地に隣接若しくは近接する土地に存する建物に常駐し、状況把握サービス及び生活相談サービスを提供することとし、夜間については、緊急通報装置を設置することにより有資格者等の常駐を不要とする」とされていましたが、今回の改正により「入居者の健康状態、要介護状態等その他の事情を踏まえて入居者の処遇に支障がない場合」などであらかじめ入居者全員の合意をとることにより、緊急通報装置の設置などを整えて、いわゆる常駐とされる要件が緩和されました。(施行規則第11条関係※)
※国土交通省・厚生労働省関係高齢者の居住の安定確保に関する法律施行規則
《サ高住概略》(下記◆Ⅱ、◆Ⅲ参照)テキスト:(b)P413(c)×(b)×
*各部屋の床面積:25㎡以上(食堂、台所などの共同部分が共同して利用するのに充分な広さを確保している場合は18㎡以上)
*バリアフリー構造であること。
*状況把握サービスと生活相談サービスを提供すること。(ケア専門家が常駐する要件は柔軟化されました)
*税制の優遇(令和7年3月31日まで)
(固定資産税)一定の要件のもと、一戸当たり120㎡相当部分につき、5年間税額について2/3を参酌して1/2以上5/6以下の範囲内において市町村が条例で定める割合を軽減できます。
(不動産取得税)テキスト:(b)×P416~(c)P4(d)×P4
・家屋:課税標準から1200万円控除/戸(一般新築特例と同じ)
・土地:次のいずれか大きい方の金額を税額から控除(一般新築特例と同じ)
ア:4万5,000円(150万円×3%)イ:土地の評価額/㎡×1/2(特例負担調整措置)×家屋の床面積の2倍(200㎡を限度)×3%
*他に登録を済ました事業者には、国からの補助金があります。(下記◆Ⅱ参照)
◆Ⅰ「国土交通省・厚生労働省関係高齢者の居住の安定確保に関する法律施行規則の一部を改正する省令等の施行等について」:(国土交通省ホームページより)
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001603484.pdf
◆Ⅱ「サービス付高齢者向け住宅のご案内」:(サービス付高齢者向け住宅情報提供システムホームページより)テキスト:(b)×P416~(c)P4(d)×P4
https://www.satsuki-jutaku.jp/doc/panfu.pdf
◆Ⅲ「サービス付高齢者向け住宅供給促進税制の概要」:(国土交通省ホームページより)
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001603393.pdf
【問ク (a)にはいる数値は】居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除において、繰越が可能な期間は(a)年です。
(答え;年金改定に反映させるスライド調整率は、スライド調整率と公的年金被保険者総数の変動率を要素に計算をしています。その公的年金被保険者総数は一定期間の平均を取っていますが、その期間は当該年度の前々年度までとされていますがその期間と同じ数値です。)
文中にある問題の答えです。こちらは、過去に出題された応用問題の穴埋めを絡めています。
問ア 1(ヶ月)(2023年1月 問52)
問イ 3(ヶ月)(2018年1月 問52)
問ウ 10(年)(2022年9月 問65)単位違い
問エ 6(ヶ月)(2021年5月 問65)単位違い
問オ 1月1日(以降)(2024年5月 問56)
問カ 4(日)(2023年1月 問60)単位違い
問キ 都道府県知事(2021年9月 問65)
問ク 3(年)(2023年9月 問52)
問ケ 無しです
以上となります。
最後までお読みいただき誠にありがとうございます。