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勝負とお祭り、それぞれの送り出し方。

川崎フロンターレの中村憲剛の引退セレモニーがあった。
DAZNでも中継があったし、スポーツニュースでも映像は流れていた。
私は仕事があって、中継を観ることはできなかったし、
もちろん、現場に行くことも叶わなかった。
SNSでの情報だと、イベントの前半に当人は登場していないらしい。
では、その間何をしていたのか?
このクラブお得意の余興である。
はしご車、パトカー、桐谷さん、宇宙飛行士、OB選手…。
イベントのオンパレードだったようだ。

新体制発表会という、サッカー界では恒例の行事がある。
通常のクラブでは、その年に加入した選手が並び、プレス用に写真を撮って終わるが、フロンターレでは2時間は超えるイベントになってしまう。

余興の内容は今まで憲剛が参加して来たイベントを思い出させるものだが、
よくよく考えてみれば、プロモ部の天野春果の歴史でもある。
彼が五輪の出向から帰って来たのは、もしかしたらこの日のためだったのかもしれない。

VTRも流れ、家族も出演させ、神輿にも乗せ、花火も打ち上げた。
フロンターレらしいと言えば、らしい派手な演出だった。

それに先んじてリーグは全日程を終えていた。

試合での演出をしたのは、監督である鬼木達だった。
リーグ戦は残り2試合。
ホーム浦和戦とアウエー柏戦。
等々力での最終に、監督は憲剛をスタメンで使った。
もちろん本人のコンディションや試合展開によっても違ったのだろうが、
憲剛は90分ピッチに立ち続けた。
そして、アシストを記録する。
決めたのは小林悠。
アシストもゴールも、何でここにと言うような、通常ではあり得ないが、この二人なら出来ると納得してしまうような素晴らしいものだった。
まったく、最後まで魅せてくれた。

憲剛は浦和戦でフル出場した。
イコール次節は出場しても控えは決定的となった。
そして最終節当日。メンバー発表された中に、中村憲剛の名前は無かった。
もしかしたら、引退セレモニーの事もあって、無用なリスクは避けたのかも知れないが、この事で中村憲剛のJリーグの出場は、前節の浦和戦が最後となった。

柏戦。出場した選手達は見せたくれた。
憲剛がいない来シーズン以降の戦いを。
優勝した事で、来季はACLへの参加も決まっているので、厳しいシーズンになる事は分かっている。
それでも、この日、フロンターレは勝った。
先発に中村憲剛、大島僚太、谷口彰悟、小林悠が居なくても。

それはまるで、ドラえもんがいなくても、ジャイアンに勝てるのを見せた
のび太とは言わないが、
大丈夫、俺たちやって行けますよ。
みんながそう言っているようだった。

天野氏はイベントという得意分野で、目一杯、精一杯の出来ることをやり、
お祭りを盛り上げた。

監督は選手が活躍する場を与え、
選手はそれに応えた。

それぞれ、その人達の送り出し方を見た気がした。

当の中村憲剛のこの先どうするのかは、未だ未定らしいが、
私はオフシーズンに麻生グラウンドで走る以外の憲剛を見た記憶がない。
また、引退した来季、トレーニング着姿で走っていないか心配だ。
引退したら、家族サービスを思いっきりやって欲しいと思うが、
こればかりは、わからない。

そう言えば、来季以降、私は何番を背負って等々力へ行こうか?



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