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【追い切りジャッジ・フィリーズレビュー】


 過去10年を振り返ると、このレースをステップに桜花賞を制した馬は17年のレーヌミノル(フィリーズレビューは2着)のみ。桜花賞トライアルではありますが、本番で勝負になる馬はチューリップ賞に向かう傾向にあり、こちらは〝1400の女王決定戦〟の意味合いが強くなっています。今年も桜花賞云々というよりは、失礼ながら〝ここを全力で勝ちに来るべきなのでは…〟と思う馬が顔を揃えました。

 その代表格がナムラクレアです。ミッキーアイル産駒らしい〝守備範囲は1400まで〟と思わせる体形。阪神JFでは5着と掲示板を確保しましたが、上位には完敗の内容でした。この中間は1週前にデビュー後では初めてとなるCW追いを敢行。その時点では陣営のコメント通り、この馬にしては動き切れていない印象でしたが、その効果が窺えたのが最終追い。ほぼ馬なりで4F51秒3、ラスト2Fが11秒9-11秒6ですから、やはりエンジン性能はこのメンバーでは一枚上です。万全とはいかないかもしれませんが、恥ずかしい競馬はしないでしょう。

 単純に動きだけながらウィリンも抜群でした。坂路併走で自己ベストの4F52秒0。ラスト1Fも11秒9と鋭く伸びました。ただ、この馬は回転力があり過ぎて、1400でも長いかな…というタイプ。紅梅Sで3着と1400にも一応のメドは立てていますし、仮に私が馬主or調教師でもフィリーズレビューにチャレンジするとは思いますが、最後の坂で甘くなる気がします。

 総合的に考えればサブライムアンセムがイチオシです。藤原英厩舎には珍しく、昨秋から月1走ペースで使われているので、疲れが気になるところ。しかし、今週の前進気勢に溢れた走りを見る限り、むしろ良くなっているのではないかと思います。折り合いに課題を残すので、スタートさえ出れば1400への距離短縮もプラス。馬を見ても、重賞でも通用するポテンシャルを感じさせます。

 他でピックアップしたいのは3頭です。スリーパーダは最後まで抑えたままでしたが、前進気勢があって時計以上のインパクト。ただ、数字以上に大きく見せた姉のシンハライトとは違って、400kgの馬体重通りに華奢に見せるタイプ。本質的には平坦向きでしょう。アネゴハダは加速ラップで上々の動き。この馬は1400ベストで、いかにも〝ここ勝負〟といった雰囲気です。同じことはキミワクイーンにも言えます。こちらも最後まで抑えたままで、手応えの良さが好印象でした。

イチオシ…サブライムアンセム


 すでに【重賞データ攻略・フィリーズレビュー】、及び中山牝馬Sの追い切りジャッジもアップしていますので、よろしければご覧ください。


※トップ画像はフィリーズレビューの前身の4歳牝馬特別を91年に制したイソノルーブル。村下農場での晩年の姿です。

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