【中内田厩舎の〝弱点〟が判明!? 高松宮記念のグレナディアガーズはどうなる!?】
いきなりですが、皆さんは目下リーディング首位の中内田厩舎にどういったイメージをお持ちでしょう? よく聞くのは〝2歳戦に強い〟〝勝率が高い〟〝川田がよく乗っている〟といった言葉。確かにその通り。いずれも間違いではありません。
ただ、今回お伝えしたいのは〝休み明けに滅法強い〟ということです。その傾向は特に上級クラスで顕著。20年以降、2勝クラス以上でのレース間隔別成績は以下の通りです。
一目瞭然、〝半年以上〟を除くと、レース間隔が空けば空くほど、成績が上がっています。一方、中2週以内に限れば、【2・3・2・28】の勝率6%、複勝率20%とイマイチ。上位人気を見ても、1番人気が【1・0・0・4】、2番人気が【0・1・0・7】、3番人気が【0・1・0・5】ですから、かなりの低アベレージ。これは〝中内田厩舎の人気馬を消せる条件〟として、覚えておいて損はありません。
続いて見ていただきたいのは、重賞に限った場合のレース間隔別成績。こちらは14年の開業以来の通算です。また、データのブレをなくすため、5番人気以内に限定しています。
こちらも見事にレース間隔が空けば空くほど、好成績となっています。さらにここからノーザンファームの生産馬に限った成績がこちら。
正直、調べる前から容易に想像できましたが、休み明けほど成績が良くなる傾向に拍車がかかりました。なぜ〝想像できた〟のかを明かすと、それは中内田厩舎の〝性質〟と深く関係しています。
ここからはあえて厳しい言葉を並べます。中内田厩舎のモットーは、調教師が公言しているように「一戦一戦にこだわる」こと。これは〝休み明けであっても目の前の一戦を全力で勝ちに行く〟ことと同義です。なぜ、休み明けで勝てるのか。その最大の理由はノーザンファームの外厩をフルに活用できているから。最近のトレンドである〝外厩でびっしりと仕上げる→厩舎で最終調整→レースで結果を出す〟というサイクルを確立させているのです。好き嫌いは別にして、これは外厩全盛時代の厩舎経営としては手っ取り早く結果を出す方法なのでしょう。
しかし、この方法には負の一面もあります。ズバリ、ノーザンファームの外厩に頼る厩舎は〝自前で仕上げる技術〟が向上しません。その理由は、いつも最後の味付けをするだけで、一から料理を作ることを覚えないから。そして〝自前で仕上げる技術〟が結果に現れるのが、在厩調整で挑まざるを得ない中1週や中2週なのです。中内田厩舎が中1週や中2週で結果を出せていない=在厩調整で勝てていないのは、決して偶然ではありません。
さて、中内田厩舎は今週の高松宮記念にグレナディアガーズを送り込みます。ここまで厳しい言葉を並べたのだから〝消し〟と思われるかもしれません。しかし、幸いにも今回は中12週=休み明けでの参戦。先ほどのデータに当てはまると〝超好成績ゾーン〟となります。実際、ノーザンファームしがらきでの調整がうまくいったのでしょう、CWコースでの1週前追い切りは素晴らしい動きでした。初のスプリント戦がカギとなりますが、前進気勢が強いので間違いなくプラス。現時点では本命として、1着固定を中心に勝負するつもりです。
※写真はパリロンシャン競馬場のゴール板です