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ビジネスクラスに乗った話~3

「ビジネスクラスに乗った話を3つも書けるなんて、お金持ちなんですか?」の問いには、胸を張ってNOを言える。

牛乳が、明日20円安いはずだと思えば、今日は買い控える。
そして、明日の朝は息子にカフェオレを諦めるよう説得できる。
そんな人間が、ビジネスクラスに乗る

「そんなちぐはぐな金銭感覚の人を知ってるよ」

と、誰かに話してもらっても良い。
もちろん話さなくても良い。

ある年、HISの初夢ツアーを眺めていた。
夫と二人で日程を合わせ、かつ安く行けるところ・・・

候補にあがったのがベトナムである。
エスニック料理ばっかりは大丈夫かな?
でも、フランス統治時代があったので、フランスパンは美味しいという話を聞いたことがある。

なら、ベトナム料理が万が一口に合わなくても、フランスパンを食べれば良いじゃないの。

「パンが無ければお菓子を食べれば良いじゃないの」

マリーアントワネットのセリフをそのままパクらせて頂いた。
(但しこのセリフは史実と違うとの説もある)

前置きが長いが、ここからである(お待たせしました)

普通ツアーを検索し続けていた夫が、参考までにと「ビジネスクラスで行くハノイ」の文字をポチッと押してしまった。
内容は、私たちが候補にしているツアーと同じ、エコノミーかビジネスかだけの違いである。

その価格差およそ2万円ほど。

これまた微妙な値段である。
前回でビジネスクラスファンになった夫が、「どうかな?」と打診してくる。
「今度は往復ともビジネスやで」
「初夢ツアーじゃなかったらビジネスでこの値段あり得ん」
と畳みかけられる。

私はまたしても
「じゃぁ、そうする?」
言ってしまったのだった。

これから一生、牛乳をプロパー価格で買うことは許されない。

またまた、ラウンジを満喫し、いざ搭乗。
すると驚いたことに、ビジネスクラス28席中で、私たちを含め7人しか座っていなかった。
その中に、小柄なおじさまが1人いた。下町の商店街を一筋入ったら、なぜかここに来ちゃいました的な。
70歳位? 上下濃いグレーのポロシャツとスラックス。
普通過ぎるくらい普通のリュックを背負っていた。

CAさんにやたらお辞儀して、何度もシート番号を確認していた。ガラガラだから別の座席でも全く問題ない。彼は通路を挟んで私の斜め前に座った。
シートベルトを初めて見るもののようにチェック。
もしかして飛行機自体初めて?

CAさんが「食事の前に何かお飲み物いかがですか?」と英語で言った。

おじさまは、
「ええっと・・・私ね、英語わかりませんねん」
"Sorry, we speak no Japanese.  English please"
「はぁ?」

全くかみ合ってない。
日本発着便でCAが一人も日本語できないなんて・・と思ったが仕方ない。

このような場合、私は乗客なので手伝う必要は全くない。
でも見てられない。
このままだとおじさまはとんでもないものを飲まされる。

「あのぉ、何か飲みたいもの聞いてはりますよ」と言ってみた。
すると
「あ・・・あぁ、すいません。ええっと・・・じゃあ」

「インスタントコーヒーで」

この場面で白目をむいたのは私だけである。
CAさんがわからなくて良かった。
ビジネスクラスなので、コーヒーは産地限定のスペシャルなものしかない。

え?じゃ、おじさまも私たちと同類なの?間違ってここに座ってる人?

CAさんが「なんて?」と私の顔を見る。
ただ ”coffee please" と言った。
CAさんからもおじさまからもお礼を言われた。
その後、CAさんが「食事の後で?それとも前で?」と聞いたのだが、おじさまは、
「before前で」の時にうなづいてしまった。
あーあ・・・
前菜をホットコーヒーと食べるおじさま。
でもCAさんは、ちゃんとミネラルウォーターも提供していた。

その後も、色々気になったが、約5時間で無事到着。
もちろん悪くはなかったけど、その短い時間を180°フラットで寝る必要があるかと言えば無い。
食事は一回なので、どこまで満喫できたかは微妙である。

ただ、帰りの便は、ビジネスにしていて本当に良かったと思えた。
深夜23:30発だったが、出発が遅れて4時間半も待つことになった。
ラウンジで、フォー、生春巻き、マンゴー、タピオカなどを食べ、シャワーを浴びてマッサージチェアでテレビを見て過ごした。

そんなことより、せっかくのビジネスシートで、1mmもリクライニングしていなかったおじさまの降機後が気になる私であった。

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今日も何度も文字数短くし直したけれど、これが精いっぱいです。
ここまでたどり着いた方ありがとうございました。
一応今の所ビジネスクラスの話は以上です。





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