差別主義者との闘いは、俺自身の闘いであって、誰かの代理人ではない。
トランス差別問題についてシス男性は言及すべきでないと言う人ががいるとすれば、それは「トランス女性vsシス女性」という対立構造を作りたい人です。これだけは絶対に避けないといけない。 ここでの必要なのは、「(トランス)差別vs反差別」の図式です。
あらゆる差別問題に共通することですが、「差別する側vsされる側」という対立構造に持ち込まれてはいけないのです。これは差別主義者の罠に嵌ることです。 そうではなくて、「差別主義者vs反差別」又は「差別主義者vs社会全体」という図式に持ち込まないといけない。
例えば、俺は日本人ヘテロシス男性であるわけだが、「社会全体」に所属している。 「社会全体」の正義や公正に関しては、俺も当事者だ。 差別主義者との闘いは、俺自身の闘いであって、誰かの代理人ではない。
あらゆる問題で「当事者主権」が言われており、もちろん大切な理念だ。 しかし、これが行き過ぎると、当事者でない「アライ」は「誰かのお手伝い」になってしまう。それは、そうではないのではないか。 差別問題が社会全体の問題だとすれば、社会の構成員全員が「当事者」でなければならないのだ。
(初出 2022年11月17日 Twitter)