気になる血統事典 キングヘイロー②
①の文末で「絶妙な配合」と書きましたが、なぜ今、母父キングヘイローが活躍できているのか考察したいと思います。
【代表産駒2頭の血統構成】
母父キングヘイローの代表産駒、現状ではディープボンドとピクシーナイトでしょうか。前者は父キズナ、後者は父モーリスですが、その配合には共通点があります。それは
LyphardとHaloクロス
を持っていることです。JRA重賞を勝った9頭中4頭が、この2つのクロスを持っているので、確率的には高いほうに思います。
思えば、後者はサンデーサイレンスを筆頭に、後者もキングヘイローの父ダンシングブレーヴから連なるコマンダーインチーフ、ホワイトマズル、遡ってモガミなど、この2系統は長きに渡り日本競馬に高い適性を示してきました。
【守備範囲の広いキングヘイロー】
母父キングヘイロー、ディープボンドは中〜長距離、対してピクシーナイトは短距離、まさに自身の現役当時を投影するような守備範囲。芝、ダートも問いません。
【配合のもう一押し】
前述のLyphardとHaloを基本系に、もう一押しのクロスの有無が産駒の特徴を分けそうです。
ディープボンドは他にクロスを持ちませんが、ピクシーナイトはノーザンテーストのクロスを持っています。ノーザンテーストは母系に入ると父サンデーサイレンスでも短距離型のイメージがありますが、スピードの持続力が表面される印象で、それはピクシーナイトのイメージにも合います。ウォーターナビレラはRobertoのクロスを持っていますが、まだ分かりませんが好調時は無敵の強さを誇る反面、不振になると…かもしれません。
【好相性の種牡馬は?】
読めばわかるかもですが、ディープ系、キタサンブラック、モーリスです。
【イチオシ産駒!】
未デビューに限って、19、20、21年産の母父キングヘイローのイチオシはこちらです。
19年 キタサンドーシン
今週デビューですね。父キタサンブラック、近親ディープボンドと走る要素抜群。母母父がメジロライアンで、ノーザンテーストもプラスされて中距離向きに出そう。調教過程から速力も水準以上でしょう。
20年 アサカラヴァーズの20
キングヘイローの出身牧場の協和牧場産です。馬名はキタノキング。父はキズナら母系にNijinskyもおり、かなりの本格派血統ですね。
21年 クインオブクインの21
父トーセンラー。母は小柄ながら地方で長きに渡り活躍した名牝です。基本クロスの他にはNorthern Dancerだけですが、ファンシミン牝系と筋の通った母系。無事デビューに至れば長きに渡る活躍があるかも。
【終わりに】
もはやトレンドの母父キングヘイロー。来春のクラシックで笑うのは、この血を極めた者かもしれません。
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