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目玉カード
土地
マジックは最初に土地を置くゲームなので最初は土地から入ります。対戦よろしくお願いします。
前回団結のドミナリアで収録されたペインランド(ダメージランド)の補完分が今回で完成しましたね。これでマナベースに不安のあった色に余裕が出てくると思われます。
特にここまで環境で不遇気味であったアグロにかかわる白赤と白緑が追加されたことはそれなりに重要ですね。ローテーション前はボロスアグロがメタゲームの一角にいたことを考えると、今回の収録でまた新しいアグロデッキが存在感を示していくことが考えられます。
対してコントロールデッキは既に弧3色ランドと中盤以降アンタップインするスローランドの重要度が高いため、青黒のペインランドを獲得したとはいえ、エスパーコントロールやグリクシスコントロールが期待できるかというと怪しさを感じます。ただし、2色でまとめた場合のマナベースがしっかりする事の重要度は高いので、黒緑や青黒の2色でまとめたコントロールが誕生する可能性はほんのりと感じます。後は前環境終盤に突如現れた4Cロームは、ちょうど黒緑と青黒の土地がほしかったので安定感が上がるはずですね。
唐突に出てきた兵士向け2色土地。
前回もふんわりと兵士がフィーチャーされてましたが、今回はそれ以上に兵士がまとまって収録されているので構築でも活躍が期待できます。
下の全体+1/+1修整能力も土地が持つ効果としてはなかなか制圧力のある強い効果ですね。相手がブロッカーを選ぶとき、この能力の起動を頭に意識しないといけないのは決して弱くないストレスを与えることができます。うっかり起動を見落としていたらそれでライフが0になってしまってもおかしくないですし、重要なクリーチャーが一方的にやられて盤面が取り返しがつかなくなることもありそうです。
また、ちょっと特殊な用途として、コントロールで兵士トークンを出したり、コントロール向けの兵士を採用することで青白系のコントロールのマナベースを強化することもできるかもしれません。もし本当にやる人がいたら目を疑いますが、とりあえず私はやります。皆、目を疑ってくれよな。
元祖ミシュラランド《ミシュラの工廠》の直系リメイクですね。元々が強すぎたので概ね弱体化していますが、マナフラッド時の攻めに限っては2/2サイズが鋳造所の数だけ+2/+2されるのは元祖よりも高いプレッシャーになるでしょう。それ故にアグロ系の終着点として多めに採用した場合は本家以上の強さを発揮する可能性もある有望なカードですね。
基本的に採用デッキは特に単色系のアグロデッキになると思われます。最後の足りない数点のライフを削り切るのに役立ちそうですね。白単や黒単アグロはマナの吐き出し先を既に持っているので、展開後のもうひと押しが欲しい赤単や緑単を成立させるきっかけになりそうですね。
灯争大戦の時に収録された強力な土地の再録ですね。
2色程度にまとめたコントロールが盤面を整理したいとき、触れづらいエンチャントやプレインズウォーカーにも有効なので土地の持つ能力としてはかなり強力ですね。初収録当時も強力な土地として多数の構築実績を持つカードなので間違いなく使われるでしょう。強力なパーマネントのマナ域が被っている場合には特に刺さることでしょう。
灯争大戦当時は3マナのプレインズウォーカーの驚異への対処が多かった印象ですが、今回は2マナのカードを厚く取ることが多かったりするので2起動で盤面を処理することが多いかもしれませんね。自分で《勢団の銀行破り》を使っている場合は巻き込まれることに注意です。
パワーストーンを生産するフィルターランドです。
基本的にパワーストーンはアーティファクトか能力の起動に使うことが主な事を考えると、4マナ+これ自身で加速させたマナを回収するまでには都合5ターンかかる見込みであり、アーティファクトは基本的にソーサリーアクションで展開するカードなことを考えると、土地が持つ能力としては取り回しづらさが目立つように見受けられます。
土地の能力はコントロールが構えるアクションをしつつ余ったマナを注ぐことでアクションの隙を埋める、あるいはアグロがマナフラッドした先の後押しとして使うのが一般的であり、これはどちらにも関わらないからですね。
とはいえアーティファクトが戦場に増える事をアドバンテージに変換できるデッキの場合、この土地を1枚か2枚入れて置くことでデッキの安定性を高められそうです。
また、どの程度有効なのかは少々疑問ですが、これ自身の起動に生成したパワーストーンを使うことで段々と起動が簡単になっていくのはちょっと面白いですね。アーティファクトの数がどうしても欲しい場合、そういうアクションを考慮したデッキも登場するのかもしれません。
《廃墟の地》のリメイクですね。リメイク元が統率者戦で関係ない二人にも土地を渡していたり、もうライブラリーに土地の残っていないプレイヤーが土地のないデッキをただただ眺めた後に無用なシャッフルを挟む悲劇がなくなります。スタンダードにおいての機能としてはリメイク元とほとんど差がありません。土地対策が必要になった時に好みで使い分けしたり、名称指定系カード対策に廃墟の地と散らす程度でしょう。
現スタンダードの強力な土地は伝説のクリーチャーに除去耐性を与える《英雄の公有地》程度でありまだ需要は生まれてませんが、今回収録されたレアのマナ能力でない起動型能力持ちのカードはどれも無視できない強さがあるので、これからは需要が生まれるかもしれません。
色マナを生み出さないコモンの土地であり、他の土地も強力なものが揃っているので構築シーンで見かけるかは怪しいですが、諜報1はタグシンの広間の項で挙げたコントロールの動きに合う効果ですね。墓地にカードが送られるので、墓地利用によるアドバンテージが生まれる可能性もあるかもしれません。
ウルザ、ミシュラ、ティタニア
合体カードの1つ目、ウルザです。
クリーチャーのウルザは標準的なスタッツとアーティファクトとインスタント、ソーサリーを軽減する能力を持ってますね。これにより合体の相方であるパワーストーンをウルザの次のターンにスムーズに展開できます。
マイトストーンとウィークストーンは着地したときに除去かドローのモードを使える限定的なマナ加速ですね。盤面が押されているときは-5/-5修整で環境のクリーチャーのほとんどを除去でき、盤面に問題がないならドローを勧めて自分のペースに持っていくこともできます。
また、パワーストーンから2マナ出ることによって、土地をスムーズに置けていればウルザ、石、変身と毎ターンアクションを取ることができるのも美しいですね。
変身後は能力を2連打でき、その性能もプレインズウォーカー史上最高レベルです。私がテキストを読む限りシンプルに勝ちって書いてありますが、note上だとちょっと見辛いので解説を挟みます。
+2能力は連打で4マナ軽減でき、超重量級スペルも簡単に唱えられます。
+1能力はこのカードの基本能力で2枚引いて1枚捨てる手札の増えるルーティングです。手札の質が上がり墓地利用にも目があるとあっていいところだらけです。これを連打するだけで簡単にゲームに勝てるでしょう。
0能力は1/1アーティファクト兵士トークンを2体生成する能力で、ブロッカーが必要なときに融通してくれるあると嬉しい能力です。地上クリーチャー主体のデッキでは毎ターン4体展開するだけでも詰むこともあるでしょう。
-3能力は範囲の広い除去です。+1能力のついでに起動して相手のカードと交換していけば相手のゲームを台無しにできますね。追放なので大抵の除去耐性は無視できるのも嬉しいところです。
-10能力の奥義は自陣のプレインズウォーカーとアーティファクトを破壊不能にしつつ土地以外のパーマネントを全て破壊する効果です。ややオーバーキル気味の能力なので使う機会はあまりなさそうですが、0と+1(あるいは+1×2)、次のターン+2と入ればアドバンテージを取りつつ起動ができますね。ちなみにこれはウルザがプレインズウォーカーに覚醒した際のサイリクスの起動を意識した能力と思われます。フレーバー的にも魅力的ですね。
総合すると、ウルザの本体もパワーストーンも単体では若干構築基準に見合ったカードパワーには少々届いておらず、やはり合体ありきの能力と感じます。出た後のパワーストーンは限定的なマナ加速でしかないアーティファクトなので相手からの警戒は薄めなこと、ウルザは英雄の公有地のバックアップ体制で合体を目指せば相手の妨害も掻い潜れること等、揃った時に合体をするための基盤は今のカードプールはざっくりと満たせているように感じます。揃えるための手段もいくつかあるので、うまい構築をして最強プレインズウォーカーの誕生を見てみたい気持ちがありますね。
合体カード2つ目、ミシュラです。
ミシュラはあなたのコントロールしているクリーチャー1体以上が攻撃したときに、その攻撃クリーチャーの数だけ各対戦相手からライフドレインする能力を持ちます。本人は棒立ちのままでもいいので、戦場に出たターンから機能するのは良い点ですね。
ドラゴンエンジンは3マナで打点が4と高い攻撃性能を持ちつつ、蘇生や他の効果で墓地から戦場に出たときに今ある手札を捨てて3枚まで引く効果を持ちます。この手札入れ替え効果は強力で、過去にも同様の効果を持ったカードは多くが構築実績を持つ使いやすい効果です。特にアグロのような後半の息切れが心配になるデッキでは最後の一押しとしては十分な威力を持ってるので、単体でも赤を含むアグロ系デッキでの採用が期待できますね。
これが墓地にある場合、ミシュラを出した次のターンに蘇生をしてそのまま変身という流れは綺麗ですね。
変身後は即座にゲームを終わらせるほどの高い制圧力を持ちます。
能力は多いですが、2ハンデス、3点火力、アーティファクトかプレインズウォーカーの破壊、コントロールしているクリーチャーへの威迫とトランプル付与、各対戦相手のクリーチャーへの-1/-1修整、パワーストーン2つの生成、どれも概ね2マナから3マナ程度のカードの効果を持ち、一度に3つ選べるのは非常に強力です。
腐りづらい効果は2ハンデスと3点火力程度ですが、選択肢にあることで強力になる効果ばかりなので、自分と対戦相手の盤面をよく見て正しくプレイすればそのままゲームを畳んでしまう威力がありますね。
総合すると、ミシュラ本人はダメージレースにしか関与できずスタッツも標準的なので、単体で高いスペックを持つドラゴンエンジンで圧力をかけつつ、チャンスがあればミシュラをプレイして合体を狙うという形が自然かなと感じます。どちらも相手のライフを攻めることについては共通した目的を持ったカードなので、自然と同じデッキに入れやすく、ドラゴンエンジンが伝説でないことも含めて4枚入れやすいことから無理して歪めた構築にしなくても合体を狙いやすいのかなと思います。そうしたとき、手札がミシュラのみ、墓地にドラゴンエンジンがあることはあまり珍しくないので、ここでミシュラを出して合体を目指すか、すぐにドラゴンエンジンを展開して相手のライフを攻めるかどうかでゲームが分岐しやすいので、相手がそれを許してくれる状況か上手く判断してプレイしたいですね。
それと、たまにこのカードのルールで誤解する方を散見しますが、「攻撃している状態で戦場に出る」場合では「攻撃するたび」の能力は誘発しないことに注意してください。
「攻撃するたび」とは、攻撃クリーチャー指定ステップで攻撃クリーチャーに選ぶことを指します。
合体カードの3つ目、ティタニアです。
本体は3マナ3/4に到達と標準的なスタッツであり、この点は特筆することはないかなと感じます。
しかし、土地カードが墓地に置かれたときのライフを2点得る効果は神河で強力な魂力土地やニューカペナなサイクリングを持つ3色土地が収録されていることで能動的に誘発させることができ、ライフレースをする場合には無視できないアドバンテージになることがあります。環境分析の項で挙げた4Cロームはまさにそれらのカードをフル活用したデッキであり、採用した場合は20点程度のライフゲインを目指すことも珍しくないでしょう。
土地側はタップインとトークン生成がソーサリータイミングに限定されているデメリットが少々気になりますが、これ自身に加えて4マナで2/2サイズのトークンを出しつつライブラリーを3枚切削する能力は過去のトークン生成能力を持つ土地の中でも最高位に位置する強力な効果ですね。ソーサリーアクションが問題にならないアグロ~アグロ寄りのミッドレンジ、あるいはアクションした上で更に追加のアクションを起こせるランプ系デッキで有効でしょう。
合体後は攻防に亘って強力なスペックを持つデカブツに変身します。概ね7/7程度は保証されており、10/10以上であることも珍しくないクリーチャーが警戒と到達で飛行のすり抜けも許さず、トランプルでチャンプブロックも許さないクリーチャーが突然速攻で殴り出してくるのはかなりの脅威でしょう。また、土地の4/4クリーチャー化能力も強力で、一つの土地に大量のカウンターを置いてティタニアに並ぶ巨体にしたり、複数の土地に対して起動して相手のブロッカーをすり抜けできたりと地味な小器用さもあります。
総合して、環境の土地に恵まれており、魂力土地やサイクリングで能動的に墓地に土地を送れるようなランプ戦術であれば自然と合体カードを両方とも強く使うことができ、合体自体も自然と成功しそうな強力なカードですね。その分合体後のインパクトはウルザとミシュラに1段劣っているように見えるので過信しすぎないように注意して運用したいですね。
また、ティタニアの合体能力は強制であることにも少し注意が必要ですね。今丁度ライフが欲しい状況なのに合体能力が誘発してしまうと墓地に土地を送れずライフが足りないということが稀に発生するかもしれません。誘発後に墓地の土地の数が3枚以下にすれば回避可能なので、状況によっては覚えておくと得かもしれません。逆にアップキープを迎えた後に墓地に土地を送ってももう誘発タイミングは過ぎてしまっているので、合体したいけど土地が足りない場合は相手の終了ステップに土地を送り込みましょう。
先程のウルザから少し時代を巻き戻って、開戦する頃のウルザです。
アーティファクト・クリーチャーをアシストする能力と、アーティファクトのコピートークンを生成して1/1クリーチャーにする能力を持ちます。自身のバフ能力をあわせると実質3/3ですね。
前者の能力は過去に1WWのエンチャント《鍛えられた鋼》があり、そちらも構築レベルのカードであったことを踏まえると、本人は戦闘能力に劣っているとはいえコピートークン生成能力を持っていることは優秀さを感じますね。《鍛えられた鋼》デッキは非常に前のめりな攻撃的なデッキであるのに対して、こちらも同様に前のめりな戦術が有効なことに加え、フラッドに強くミッドレンジとしての活躍も可能と器用でバランス感覚のある良いカードですね。
同じく時代を遡って開戦する事のミシュラです。
相手にカード損を強いる護法能力と墓地のアーティファクトの再利用を持ちます。こうしてニ枚のカードを見比べると、ウルザは工匠としての才能に優れていたのに対して、ミシュラは古代文明の研究や発掘の才能に優れていたことがカードに反映されている魅力もありますね。
能力を活かすためには戦場に出る、攻撃する、生け贄に捧げる等の効果を持ったアーティファクトを積極的に採用して、蘇生で更なるアドバンテージを獲得するような使い方が基本かなと感じます。護法能力も十分強力で、相手がミシュラを積極的に除去しようとしたときに打ち消し等で守ってあげるとどんどん盤面が有利になっていきますね。
あまり構築では見ないんじゃないかなと思いつつ、兄弟の若かりし姿に思いを馳せたいのでついでに紹介しておこうかなぁという感じで。
どちらもルーティングによって墓地にアーティファクト送り、そこからアドバンテージに繋がる能力を持っています。
ウルザ側の警戒はタップ能力と相性がよく、しれっと相手の隙を突いて攻撃しつつ、相手の終了ステップに能力を起動してパワーストーンを置く動きがしやすいですね。
ミシュラ側の速攻能力は3マナのパワー2がリミテッド的水準に達しているので隙あらば相手のライフを攻めに戦場に出てきて、以降は蘇生を持つアーティファクトを墓地に送りつつのマナ加速からそのアーティファクトを即座に蘇生という動きが分かりやすいです。
やはりどちらも構築では少し見劣りしますが、リミテッドではルーティング能力はフラッドに強く、またどちらもアドバンテージ変換ができるので優秀な効果ですね。
似たような効果ながら、青の発展的な性格と赤の情動的な性格の対比も面白い魅力的なカードになってると思います。
ところで、どちらもイラストの雰囲気が似てるなぁとは思ってましたが、実は一枚の繋がったイラストだったみたいですね。どうりで似てるはずだわ。
プレインズウォーカー
今回の物語の裏の主役であるプレインズウォーカー、テフェリーです。
収録されるたびに構築レベルでプレイアブルなカードとして登場する彼ですが、今回もやはり強力な能力を持って登場しています。
能力は0能力でドローと-2能力で2/2警戒トークンの生成と、おまけ程度に奥義での大量除去ですが、ドローによる能力の誘発でテフェリーとトークンにカウンターが置かれ続けるので、能力起動のためのコストは実質+1されてるようなものと言えます。また、環境に存在する謀議や血トークン等のルーティングも合わせれば加速度的に強くなっていき、巨大なトークンを生み出しながら奥義に到達することも現実的な可能性として十分にあります。
主軸はやはり-2能力のトークンであり、これによって盤面を圧倒することでゲームを速やかに畳んでくれるでしょう。0能力のドローもトークンのパンプの手伝いができることを加味して強力であり、強力な能力が期待される5マナプレインズウォーカーに相応しいパワーカードでしょう。恐らくですが青単色でゲームを畳む強さに関しては過去最高水準ですね。特に更地に着地した場合の圧力の高さが極めて高いです。
ただし注意として、除去能力を持たない分押されている盤面では巻き返す能力が少し低いところは意識が必要に感じます。相手の墓地に《しつこい負け犬》がある場合に着地すると、-2のトークンも《勢団の銀行破り》への搭乗もできずもたつくといった場面もあるでしょう。
今回テフェリーを過去に送り込む手伝いをした裏の相棒、サヒーリです。
サヒーリもテフェリーと同じく収録のたび活躍を見せるプレインズウォーカーですが、今回もやはりプレイアブルカードに感じます。
+1能力は概ねアーティファクトを前提として運用する占術1付きドローであり、4マナプレインズウォーカーの+1能力の仕事としては水準以上の強い能力です。装備品や《龍火花の反応炉》等のタップが関係ないアーティファクトを採用することでもう1段階強く使えるのも評価の底上げになりますね。
-2能力では1/1飛行速攻アーティファクトを2体生成し、特に相手がプレインズウォーカーを展開した返しのアクションとして強力な解答になりますね。の能力で出したトークンを+1能力でのドローのアシストにも使うことができ、腐ることがない便利な能力ですね。
-4能力は非常に素早く到達できる奥義であり、奥義としては控えめなものの、このカードによるトークンのサイズも上がり、兄弟戦争で多数収録されたアーティファクトの展開を手助けでき、紋章なので相手からの干渉も受け付けないと器用に使える強い効果です。
総合して、アーティファクトシナジーを意識したデッキである必要はありますが、それを満たせるのであればドロー能力に加え、奥義の素早さが非常に強力なプレインズウォーカーです。最近《鬼流の鉄床》デッキがメタゲームから外れていったのを引き戻せそうな程度には強いカードなので、鉄床に限らずアーティファクトデッキが何か台頭してくると面白いですね。特に今回は雑にパワーストーンを生み出したり、使うトークンがほとんどアーティファクト・兵士なので思わぬところにシナジーがありそうな雰囲気もあります。
白のカード
親和レア
基本的にはなんとなくのおまけが付いた《栄光の頌歌》ですね。
婚礼の発表という強い全体バフがある中で使うのは大変ですが、フラッドに弱いアグロが持つ受け先になるのは良い点ですね。
トークン主軸のデッキに婚礼の発表と同時採用して、気軽に出てくるトークンが4/4くらいになって殴りつつ暇な時に対象の広い除去が飛んでくるみたいな構築もあるかもしれません。現代レベルのカードとしては、やはり除去能力をしっかり使える構築にすることを意識するべきだと感じます。
対コントロールでの圧倒的なテンポ・アドバンテージ能力を持つスーパーレディです。でっかい盾持ってるし多分超人血清とか打ってます。
これが通れば相手の打ち消しは全て無効牌になりますし、そもそもこちらの攻撃のタイミングで相手の干渉を無視できるようになるとマジックが簡単になりすぎます。相手のブロックに合わせてこちらだけ好きなインスタントアクションを起こせばうっかりゲームエンドになる威力があります。
攻撃誘発も出てくる兵士の量が倍々ゲームで増えていくので、殴れる場面があればパワー3の見た目に反して2、3ターン程度でライフを削り切るのも可能です。
反面、向こうに《黙示録、シェオルドレッド》が立っていて攻撃できない場面だったり、そもそもとしてインスタントアクションに重点を置いていないデッキに対しては有効に働かせられない欠点に加えて、自分でもインスタントでのアクションを十分に採用していないと圧力が少し下がってしまうという構築負荷も多少あり、ただ強いというわけでもないのがいい塩梅ですね。
以前までテキスト内に色マナを持つ本体は無色のカードはその色のカードではなくてアーティファクトや無色のカードとして分類をされていたんですが、今回からはそういうことらしいので白のカードの項で紹介しますね。
ふわっと横並べしてたらドローがついてくる謎マシーンです。基本的に他のカードでクリーチャーを置いた後に突然置いたターンから始まる継続的ドローをするカードといった印象ですね。
ですが毎ターンのドロー能力という点に目を向ければコントロール寄りのミッドレンジでの採用もあるのかなという気がしなくもないです。アグロデッキで採用するには5マナが重く、トークン生成能力もフラッドの先としては少し心許ないというのもありますね。
蘇生はこのカードにとってかなり強い文章ですね。他にクリーチャーを必要としてはいますが、単発とは言え動きは黒系ミッドレンジで活躍する《しつこい負け犬》以上の働きをします。もしかしたら手札から出すよりも墓地からの蘇生目当てに採用する方が強いとかもあるかもしれないですね。
稀に現れるアーティファクトの全体除去ですね、前回もいましたが。
これは白マナを要求していて実質白いデッキでしか使えなくなっていますが、3ターン、4ターンと順番に起動できて無駄がないのはテンポ的に嬉しいですね。破壊範囲がフラッドした土地にまで及ぶのも唯一性があります。
ですがやはりこのカードの一番の特徴は起動後にプレインズウォーカーを探しにいける点ですね。ぽんと置いた後盤面が不利にならない程度に耐えて、6マナ出る状況になったらスッと盤面のリセットついでに更地プレインズウォーカーを自動的に達成できるのは強いメリットと言えるでしょう。うっかり9マナから出して起動してサーチまですることもあると思います。そういうゲーム展開だと土地を6枚に縛られるのが多少デメリットでもありますが。
やっぱり重さは目立つのでプレインズウォーカーサーチがどの程度強いかにかかってますね。最近ちょっとプレインズウォーカー強くなってきたのでもしかしたらという感じです。
《集団失踪》と《告別》がやっぱり強いので、それらを押しのけられるかどうかですね。
レア
今回登場した命令サイクルの白ですね。
モードは2/2生成、+1/+1カウンターと瞬間的二段攻撃、平地サーチ、2点ゲインと占術2。
概ねどのモードも1マナ程度ですが、カード1枚でそれを行うとアドバンテージになるので1+1は3にも4にもなるのが命令の良いところですね。
このカードは直接アドバンテージになるのがトークン生成と平地サーチだけなので、占術で無駄な土地を弾いたり二段攻撃でライフを畳み掛けることも強く使えると良さそうなので、攻撃的なデッキで使うと自然と命令らしさが出そうなカードですね。
白系アグロはローテーション前から白単は3マナ域が渋滞してるのが気にかかる点ではあります。ミッドレンジ以降に目を向けると今度は《永岩城の修繕》がライバルですね。
《集合した中隊》のリメイク的なカードですね。
Xは2か3程度は狙いたいので5マナか6マナ程度で考えるのが良さそうで、そうなると少し重さが目立ちますね。もちろん3枚4枚探せればゲームが壊れる強さを持ってますが、そのために3マナ以下のカードで固めるとX2ぐらいしか撃てないという問題が発生しますね。
幸いにしてフラッド受けができるプレイアブルなカードは目移りする程度にはあるので、気長に攻められるミッドレンジ構成で強みが活かせそうです。
置物破壊能力を持った伝説の人間です。
最近では緑の《仮面の蛮人》が2マナ1/3で条件付きですが同じく置物破壊ができるクリーチャーが構築実績がありますね。もう少し遡ると《秋の騎士》が同じく3マナ2/1スペックでどれも強いモードの中に置物破壊ができましたが、そちらはパイオニアでも活躍した優秀なカードですね。
伝説の人間であること、警戒でしれっと殴りだせること、環境に強力な置物が多数存在していること、シェオルドレッドの相方として採用するとライフレースが加速することなど、環境に恵まれていて名サイドカードとして、時にはメインボードからも活躍が期待できる良いカードですね。
レガシー以下だとカラカスで置物を割り放題らしいですが、レガシーなのでそっちはまあいいかな、レガシーだし……。もっとめちゃくちゃできるカードありそうだし……。
ローテーション前に猛威を振るった強力なカード《光輝王の野心家》を彷彿とさせる能力を持つカードです。兵士が死亡したときに補填トークンをくれるのも強力で、こちらも盤面の数を減らしたくない兵士にとっては優秀な能力ですね。
総じて2マナロードである《雄々しい古参兵》に並んで兵士デッキの中核になりそうなカードです。兵士が成立しそうなので注目のカードですね。
長々と書いてますが、要するに白のバウンスです。
相手のカードを戻したときはこのカード分のマナコストを要求するのでテンポを失うことがなく、自分のカードを守るために使う場合は普通に唱えられるのでテンポ・アドバンテージの化身みたいな効果ですね。
シェオルドレッドを対処して大きくテンポを突き放したり、自分の放浪皇を使いまわしてアドバンテージに変換したりと白いことでメリットが際立つ面白いカードです。テンポの代わりにカードを失うのでどの程度使われるかは難しいですが、少なくとも弱いカードではなさそうです。
ここからは友人の使用感からの伝聞も含みますが、そもそも白の除去の選択肢が少ないことを考えると青白コントロールできっちりまとめるといった要求がある場合には常に選択肢にあるカードではありそうです。
見落としてたので追記(12/02) 全然気付かなかった。
クリーチャーデッキはほとんどがマナ総量3以下のクリーチャー構成されるのが常であり、実質ほとんどのクリーチャーにキャントリップを付けるような能力ですね。
加えてトークン生成系効果や瞬速クリーチャー等でもドローが加速するので、《放浪皇》を始めとしたプレインズウォーカーや《鏡割りの寓話》のような複数クリーチャーが出るカードと好相性ですね。
白で使えるアドバンテージカードはそれらのプレインズウォーカーや《勢団の銀行破り》、《婚礼の発表》等があるので、デッキとの相性をよく考えて使いたいですね。
先程の《包囲の古参兵》と同じく毎ターンカウンターを置ける効果は優秀ですね。
タップ能力と警戒のかみ合わせも良く、パンプアップをちらつかせて殴りながらブロッカーとして運用することでゆっくりと盤面の有利を築き上げることができ、ビートダウン対面で強いカードですね。じっくりカウンターを置く軽量クリーチャーは後半弱くなる問題がありましたが、このカードは試作との使い分けでその点が改善されているのが良い点ですね。
シンプルに書いてあることがそのまま強いですね。
本人が最低限でも3マナ3/3飛行絆魂あり、着地したターンから能力が有効なので膠着盤面を空から攻めたり絆魂でライフレースを破壊したりと、まあまあめちゃくちゃしてくれます。リミテで出したら気軽に勝てるスペックがあるので、構築でも十分期待が持てますね。
白系ビートダウンは対面に《黙示録、シェオルドレッド》が立っているという状況を許してしまうと今まではそのままゲームが決定付けられることも珍しくなかったですが、このカードは無視して空から攻める選択肢をもたらしてくれるのが強いです。
アンコモン
墓地追放の効果とストーム系のコンボデッキを封殺する能力を持ったサイドボードカードですね。スタンダードでは墓地対策は《未認可霊柩車》が非常に優秀なので、後半の呪文抑制能力がどれだけ活かせるかどうかですね。アグロがコントロールに対して攻撃前に唱えて放浪皇を腐らせたり、除去を先打ちさせて盤面の処理を強要させた後に安全に本命のカードを唱えたりといった使い方もありますが、アド損が気になるのでやっぱりスタンダードでは厳しいかなー。
下環境では1ターンの遅れが致命的になったり、墓地活用がより積極的だったりするので名サイドカードになりそうですね。
対応する基本土地タイプを参照するサイクルの白ですね。
白単でなら1マナで順当に土地を置きながらゲームを展開すれば基本的に全てのクリーチャーを除去できる優秀なカードです。
ほとんどエーデリンが理由として強いんですが、それに加えて白単をやる動機の後押しになりそうですね。アグロは《黙示録、シェオルドレッド》の抑制が辛かったですが、《粗暴な聖戦士》くらいでしか対処できなかったところにこの除去が追加されると強く出られるようになります。
追放除去なのも神河のドラゴン・スピリットサイクル等の死亡誘発を無視できたりと嬉しい点ですね。
自分のパーマネントの誘発型能力を使い回す効果です。
テンポ・アドバンテージの損が大きすぎるので構築レベルでは少々アンプレ寄りですが、ファンデッキで遊ぶ際に多分面白いカードですね。今回収録された蘇生持ちカードは気軽に能力が誘発しがちなので、その辺で遊ぶとちょっと楽しそうですね。
《有望な信徒》も中々優秀な1マナクリーチャーでしたが、こちらは基本スペックが2/1な上にフラッドを回避する能力を持っていて、なおかつ起動が4マナということは同時に《放浪皇》の存在を意識させることもできるのでちょうど良いバランス感覚でデッキに投入できるいいカードですね。能力にタップが必要なく攻撃しながら起動できるのもちょっとびっくりします。
白系のアグロを目指す場合、まずはこのカード4枚からデッキを構築するのが定番になってもおかしくなさそうですね。
スポイラー初期から公開されてましたがしばらくレアだと思ってて改めて見返したときにびっくりしました。多分印刷ミスだと思います。
《報復招来》のマナ拘束が緩くなったら代わりに回収範囲が少し狭くなっておまけが+4/+4ではなくパワーストーンになったと言った風情のカードです。アンコモン相当といえばそうですが、色拘束の強さが問題になることも少なくないのでパワーストーンが機能する多色デッキではこちらが優先されることも十分考えられる良い塩梅のカードですね。今回重量級の強力なアーティファクトやエンチャントが追加されたのでアンコモンで気軽に試せるのはアリーナ的ちょっとうれしいですね。
これは完全に私情ですが、ちょうど私神河の辺りあんまりやってなかったのでカードあんまり持ってないんですよ。
1マナのクリーチャーが持つにはざっくりアンコモン相当といった風情のカードですね。過去の《熱烈な勇者》と比較するとどうしても差を感じますが、今回兵士が強そうなこと、アーティファクトシナジーカードも多く存在すること、蘇生で後押しができることなど色々な要素が噛み合って恵まれている印象のカードです。
コモン
解呪、以上!という感じです。レアのロランが強力なので相対的に立場が悪いですが、インスタントタイミングでエンチャントとアーティファクト両方に介入できる白のカードは今そこまで多くないので、素早い介入が求められるときにカードプールに存在していると嬉しいですね。
緑の《タミヨウの保管》の色違い、あるいは《神々の思し召し》のリメイクですね。ビートダウンがカードを守るために構える行為はあんまり強い行動ではないですが、1マナは最小限のテンポロスなので良い面が目立ちますね。占術も地味にあると嬉しい効果です。
反面《神々の思し召し》は相手のブロッカーを無視できることの強みがありましたが、それはアーティファクトを守れることとトントンといった具合でしょうか。現環境でも《勢団の銀行破り》や育った《未認可霊柩車》を一回守ってあげればその分でそこそこ勝ちそうですからね。
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