柏南、県立柏、木更津高校 作文出題予想
柏南高校は2021年入試から、県立柏高校・木更津高校は2022年入試から作文がスタートします。同難易度の高校入試作文から出題を予測してみましょう。
千葉県内の公立高校ですと、小金、鎌ヶ谷、国府台、検見川、佐原が2020年度までの出題データがあります。そこから分析してみます。
中学校のことと高校で頑張りたいこと系の出題
以下のように、中学校でのことと高校で頑張りたいこと系の出題が多く出ています。
こういうタイトルで書くときには、将来の夢や目標についての設定がカギになってくるでしょう。そこから逆算して、高校で何をするべきかが見えてきます。さらに、その夢や目標に関連して、中学校でできなかったことは高校では改善する、中学校で頑張ったことは高校でも継続するというストーリーを組み立てていきます。
そうすると先に書くべきテーマは次のような出題になります。
絶対に書けるようにしておきたい作文テーマ
これらが書ければ、前述の中学校や高校についてのテーマは全て書けるでしょう。
最重要!このテーマから書き始めよう!
それでは、そもそも夢や目標はどんなものを設定するべきでしょうか。そのために書いておきたいテーマはこちらです。そもそも何のために学ぶのか、何のために頑張るのかという哲学的な問いです。あなたの生き方についてです。
これらのテーマが最重要になると思います。この本質的な問いですね。つまり、学びや勉強の目的は社会に貢献するためである。というゴール地点を設定します。これについてまず書けるようにしてください。
そうすると、絶対書けるようにしておきたいテーマである夢や目標もすんなり書けるようになります。
ここで参考になるのが県立千葉高校の作文テーマです。
この2題に全てが集約されています。時間がない人は、この2題だけは書いておくなり、口頭で言えるようにしましょう。
これからの社会を想定して、どうやって社会に貢献するか。具体的な職業や進路が見えてきませんか。
そこから逆算すると、高校では何をしなくてはいけないか。大学に進むべきであれば、その準備を高校では早い段階から意識しないといけません。高校1年生からのストーリーを組み立てられるようにしましょう。
アレンジ次第ですんなり書けるテーマ
前述の2題が書けるようになればあとはこれをアレンジして書いていくだけです。
この必須テーマについて書ければ、他のテーマは難しくありません。最後の着地点がブレないからです。
>>「私は中学校時代に〜に挑戦しました。残念ながら、結果は出ませんでした。しかし、結果が出なくても挑戦し続けることが大切だと考えています。なぜなら、今の豊かで平和な社会は、先人たちが未来の私たちのために挑戦し続けてきた(社会貢献してきた)結果だからです。私たちも未来を生きる人類のために社会貢献のために挑戦し続けることが大切です。現在、私は中学生で部活動や勉強で挑戦することしかできません。しかし、そういった挑戦し続ける経験が、将来の社会貢献にむけた挑戦への練習となっていると思います。私は将来〜になりたいと考えています。これからのコロナ以降の社会では〜が、社会から必要とされる仕事だと思うからです。」というような流れで社会貢献につなげていきます。
>>「私が、生きていく上で、これだけは貫きたいことは『挑戦し続けること』です。」と書けば、先程の社会貢献の文脈にのせることができます。
>>「部活動で辛い練習がありました。そういうとき自分のためと考えてしまうと諦めてしまいそうになりました。しかし、仲間のためと気持ちを切り替え、その困難を乗り越えることができました。このような困難を乗り越えた経験を高校でも生かしていきたいです。私は将来、社会貢献するために挑戦していくつもりです。具体的には〜で社会貢献するために困難に立ち向かっていきます。そのために高校では〜。」というように書いていけばこれまでと同様の着地点になります。
>>「学ぶこと」や「挑戦すること」とすれば、社会貢献の文脈にのせることができます。
>>私の誇れるものは、「困難に立ち向かって部活動をやり遂げたことです」とすれば、前述のように社会貢献の流れに持ち込めます。
>>部活動の先生から言われた「挑戦し続けろ」という言葉です。というようなエピソードにすれば前述のように社会貢献の文脈にのせることも可能です。
>>部活動で日々辛い練習を送り、挑戦し続けたチームメイトとの出会いです。とすれば前述のように社会貢献の文脈にのせることができます。
>>高校生になったら、社会貢献の意識をより強く持ち始めるという違いがあります。中学生の頃の学びは、高校入試のためと考える人が多いと思います。しかし、高校での学びはそうではないと考えます。将来の社会を想定し、その社会で自分がどう社会貢献できるかという大きな目標を立て、そのために高校で学ぶのです。私は、将来〜の仕事に就きたいと考えています。これからのコロナ以降の社会では〜が、社会から必要とされる仕事だと思うからです。」というような流れで社会貢献につなげていきます。
以上のように、将来社会貢献するための大目標が立てられ、そのために目指したい職業などが決まり、逆算して高校では何をするべきかというストーリーが立てられれば、大体のテーマは問題なく書いていけるでしょう。
もっともそれ以外のテーマも出される可能性もあります。時事的な問題が含まれることもあります。事前に準備しておけば社会貢献の文脈にも持ち込めると思いますので構成だけでも考えておきましょう。
>>将来就きたい職業関連の本を挙げられると、社会貢献の文脈に持っていきやすくなります。
>>これら2題は、社会貢献しよう思うきっかけになるエピソードになります。
>>他者とのコミュニケーションに関する出題は公立トップ高校でもよくみられる出題です。特に近年では、外国人との交流の機会も増えています(外国人観光客、外国人労働者など)。
ヒントとしては、コミュニケーション能力を高めるには、自分と異なる存在を理解するのは1つの方法だということです。自分と同質の者同士で集まっていてもコミュニケーション能力は高まりません。同質の者同士であれば、内輪同士の少ない言語で理解し合えるからです。
「キモい」「ウケる」「それな」など簡単な言葉で共感できます。塾でも仲の良い生徒同士が楽しそうに話しているのを見かけますが、生徒同士の会話をよく聞いていると何が面白いのかさっぱりわからないことがあります。同質の者同士であればそれで済むのでしょうけど、それではコミュニケーション能力は高まらないでしょう。
しかもスマホやネットの普及で、同質の者同士が繋がりやすくなったので、それで承認欲求が満たされてしまうと、異質な者との交流を欲することがなくなってしまいます。それは結果的にコミュニケーション能力を下げてしまうことにもなりかねません。
ですから、高校でコミュニケーション能力を高めるには、自分とは異なる他者と積極的にコミュニケーションをとっていくようにすればいいでしょう。例えば、出身国の異なるALTの先生、年代の異なる学校の先生や職員や先輩、出身地域の異なる引越してきた同級生、中学校では仲良くならなかったようなタイプの同級生です。
>>前述の「同質の者同士でかたまらないようにすること」でもいいですね。コミュニケーション能力を高めていくためという流れでつなげてもいけます。
その他には、「デマや誤情報に注意すること」も大事な視点です。コロナが流行したときに「トイレットペーパーが無くなる」というデマが流れて、人々が買い占めに走りました。社会不安が起きるとデマに惑わされる人達が多く発生します。歴史的にみても震災直後に流れたデマで、弱い立場の人達が酷い目にあったことがあります。情報源を自分で調べたり確かめることも重要になってきます。
インフルエンサーがSNSで言っているからと鵜呑みしてもいけません。騙されてしまうことだってあり得ます。
デマや誤情報、詐欺に惑わされないために、学校で学んでいるという面もありますよね。歴史的に似たような事例があれば「本当かな」と立ち止まれますし、科学の知識があれば「これはおかしいぞ」と気がつくこともできるでしょう。そもそも疑ってかかる姿勢は、勉強していくうちに身につくところもありますよ。
>>これからの社会ではAI(人工知能)やロボットが働く場面が増えてきています。現在の技術であれば、大学の入試問題はマーチレベルの大学が受かってしまうようです。そのような社会を生きていくために必要な力の一つが「自分で考えること」ではないでしょうか。
言われたことだけやるのであればロボットの方が優秀です。睡眠や休憩がなくても高い水準で仕事をしてくれますからです。給料も支払う必要がありません。
自分で考えて行動していますか。親や先生が言うから勉強しているとなっていませんか。そういうスタンスではロボットに追い抜かれてしまいます。受験勉強を突破するだけならロボットでもできる芸当なのです。
人間とAIやロボットとの違いはなんでしょうか。これまで扱ってきた「社会に貢献しようという志」や「異質なものと交流して高めていこうとするコミュニケーション能力」がそれではないでしょうか。これまでみてきたテーマで描けるようにしておけば対応できるでしょう。