2025千葉県公立高校入試 理科の出題予想(2)化学編
2025本検査は中3化学が怪しい?
中2化学が2年連続で出題されています。
2023本検査・追検査
↓
2024本検査・追検査
↓
2025 ?
前期・後期制のとき2年連続で出たことがあるのですが、3年目は前期選抜では出題がありませんでした。
2014前期・後期
↓
2015前期・後期
↓
2016前期出題なし
また中1化学も本検査・追検査体制の4年間で3回出題されています。
一方、2024年の本検査では、中3単元は小問のみの出題です。これらを総合すると、2025年の本検査での中3化学の出題確率はかなり高いのではないでしょうか。
中3化学の中でも特に学習比重上げていきたいところを深掘りしていきます。
中3化学は化学変化と電池がよく出される!
中3化学は、新教科書になって大きく変化しています。化学変化と電池のところです。
それもあって、2022本検査で「ダニエル電池」、2023本検査ではイオンへのなりやすさを調べる「マイクロプレート」の実験が出題されています。
それ以前も化学変化と電池のところは中3化学の中では最もよく出題されています。
2012前期
↓
2014前期
↓
2016前期
↓
2019後期
連続出題はないものの早いと1年おきくらいに出ている時期もありました。ですので、2025年も引き続き警戒は続けた方がいいでしょう。千葉の過去問でもまだ1回しか出されていないですし、問題集にもあまり掲載されていませんから演習量で差がつきそうですね。過去3年間の全国過去問からかき集めてここでは演習しておいてもらおうと思います。
また中1の化学との関連でイオンへのなりやすさについての中3大日本図書教科書P189に記載のある「塩酸に金属を入れると水素が発生するのはなぜか」というのを、イオンへのなりやすさの観点から説明しているところがあり、これもいずれ出題されるんじゃないかとみています。
中3化学の「水溶液とイオン」が最近出ていないので激アツ!
電池以外の中3化学では、大きく分けて「水溶液とイオン」「酸・アルカリとイオン」があります。
まず「水溶液とイオン」から。
水溶液とイオンは大問での出題が本検査・追検査体制になってからありません。全て小問での出題になっています。
2021本検査 非電解質はどれか(選択)
2022追検査 同位体説明文の適語補充(中性子)
2023追検査 塩化物イオンのでき方(選択)
2024本検査 非電解質(用語記述)
出題の相性としては、小問に向くようですが、2025年は大問での出題が予想されますから、過去に大問で出題された出題パターンは押さえておく必要があります。
塩酸や塩化銅水溶液の電気分解だけでなく水の電気分解をイオンの視点で説明できるよう準備せよ!
大問で出題されるときは【塩酸の電気分解】と【塩化銅水溶液の電気分解】がメインになってきます。それが一緒に出されたり、片方だけが出題されて「化学変化と電池」「水の電気分解」などと横断的に出題されています。バランスよく出題するにはしやすい単元かもしれません。とくに中2化学の【水の電気分解】は中3化学の視点からみることもできるので注意が必要かもしれません。それがわかると、水の電気分解では水酸化ナトリウムを入れるのはなぜなのかもより理解できることになります。
実際に2019年京都で出題されています。燃料電池も出題されています。この出題は教科書改訂前の出題になりますから、ここに新教科書の「イオンへのなりやすさ(水素よりナトリウムの方がイオンになりやすい)」も絡めた出題も出される可能性もあります。
2019京都 大問6
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その他、東京2016大問5、兵庫2022大問3、岩手2020大問7、2017大阪大問3、福井2019大問6
酸とアルカリとイオンのところでは「スライドガラスクリップ実験」に警戒せよ!
次に「酸・アルカリとイオン」のところです。ここは「酸・アルカリ」と「中和と塩」の2ジャンルになります。中和と塩は2024年の追検査で出題があったばかりなので、「酸・アルカリ」のところが2025年以降注意が必要になります。
「酸・アルカリ」のところの過去の出題をみると、【スライドガラスにクリップをとめてpH試験紙に塩酸や水酸化ナトリウムをたらす実験】です。教科書にも大々的に載っている実験になります(中3大日本図書203〜205)。2021年の追検査以来出題がない(追検査なので過去問にも掲載がない)のでそろそろ出題されそうなタイミングになります。
なお「水溶液とイオン」「酸・アルカリ」のところは、中1化学【水溶液の濃度】も一緒に出題されたことがあるので計算処理の練習もしておいてください。
【重点学習記事】中3化学 酸とアルカリ スライドガラスクリップ実験
中1の化学では、溶解度曲線が怪しい!
続いて、中1の化学です。
中2化学は前述のように2年連続で本検査・追検査で出ているので、大問の出題確率としては中1化学の方が高そうです。
中1の化学では、2024本検査で気体の性質が出題されています。今年はそれ以外のところから出題がありそうなところを探してみたいと思います。
昨年の予想でも述べましたが、中1化学でよく出るのは、状態変化、気体の性質、水溶液の3つです。2024年で気体の性質が出されていて、2022〜2023年に状態変化がたくさん出されていますから、順番的に今度出題確率が高くなるのは水溶液でしょうか。
水溶液で出題されるのは、溶解度曲線とろ過の実験です。
一緒に出題されることもありますし、別々に出題されることもあります。
2021年の本検査でろ過がガッツリ出題されていますから、溶解度曲線がメインの出題になるのではないでしょうか。大日本図書の教科書で扱われている実験では、硝酸カリウムの水溶液と食塩水から溶質を取り出す再結晶の実験が取りあげられています(P123〜)。
【重点学習記事】水溶液(溶解度曲線)
中1化学の状態変化では蒸留に警戒!
状態変化は2022年に本検査・追検査で両方出題されています。両方が同じ年に出されるということは、状態変化でも出題が2パターンあって別物という扱いがされていることになります。
2022本検査では、液体のエタノールに熱湯をかけて気体にするという実験が出題されています。
2022追検査では、エタノールと水の混合物から物質を分離する実験が出題されています。
つまり、
①状態変化の問題は1つの物質が状態変化するパターンと
②混合物から沸点の違いを利用して物質を分離させる蒸留のパターン
の2つの出題があってこれらは別物として千葉県では連続で出題されることがあるのです。
さらに①のパターンには、液体からの状態変化のパターンと個体からの状態変化のパターン(パルミチン酸やロウの状態変化)がさらにあります。
以上の3つのパターンを押さえて、2025年出題されそうなところを重点的に学習するとリターンが高そうです。
近年は、
2022本検査 ①液体の状態変化
2022追検査 ②蒸留
2023追検査 ①固体の状態変化
と3パターンいずれも出題されているのですが、若干①タイプの状態変化が2回出題されています。一方②蒸留の方は、追検査だけでしか出題されてませんので本検査で出してもいいタイミングともみることができます。
2015前期→2019後期→2022追検査→2025??
状態変化で蒸留が出題されるときは、ガスバーナーの使い方も一緒に出題できるのでそこもチェックしておきましょう。中1大日本図書の教科書だと79ページにまとめられています。
中1化学は密度も注意!金属やプラスチックも知識確認しよう!
あと可能性があるとすれば【密度】のところでしょうか。
密度のところは、状態変化とも一緒に出題できるところではありますが、過去に密度がメインで出題されたこともある穴単元です。念のため押さえておきましょう。密度は「金属」や「プラスチック」とも一緒に出題されるのでそちらもチェックしておきましょう。
中2化学は質量保存の法則、反応する物質の質量割合が頻出!石灰石に塩酸を加えて二酸化炭素を発生させる実験は最近出ていないので注意!
中2化学は前述のように、2年連続で出まくっているので本検査での出題確率は低くなりなりそうですが、本検査の小問や追検査では出題される可能性があるのでいくつか押さえておきます。
中2の化学は、【質量保存の法則】や【反応する物質の質量割合】がよく出題されます。いろいろな化学反応の実験と一緒に出題できるからです。ここを学習するのが一番リターンが高くなります。質量保存の法則で最近出題されていないのは、【石灰石に塩酸を加えて二酸化炭素を加える実験】です。
中2化学の化学変化と熱の出入りも穴になりやすいので最終チェックを!
また【化学変化と熱の出入り】も、他の化学変化と一緒に出題しやすい単元です。そして、ここの単元は、大日本図書の教科書では、配置が変わった単元にもなります(教科書改訂前は2年化学の最後の4章で学びましたが、改訂後は化学変化と物質の質量の前の3章に配置されています)。直前にチェックしておけば難しくないのですが、穴になりやすいところでもあるので気をつけておいてください(中2大日本図書の教科書だとP56〜59)。「カイロ」や「瞬間冷却パック」などにも利用されている身近な化学反応です。
中2化学は原子の性質3つ、周期表について、単体と化合物・分子をつくる物質・つくらない物質、ニホニウムなども教科書で直前チェックしておこう!
その他、小問で出されやすいところだと、「物質を作っているもの」のところになります。2022本検査や2021追検査の小問で関連問題が出題されています。中1化学や中3化学に比べ、小問で中2化学は出題されづらいところもありますが、出題するときはここが出題しやすいのかもしれません。
中2の大日本図書の教科書だとP23〜P33になります。原子の性質3つ、周期表について、単体と化合物・分子をつくる物質・つくらない物質、ニホニウムなど要注意ポイントがいくつか載っているので直前に熟読しておきましょう。
全国の問題からかき集めてみました
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