皐月賞傾向と対策


2024年 ジャスティンミラノ

2歳実績馬を上位人気で倒してきた上がり馬は人気でも逆らえない。成長曲線が交錯するG 1なので、2歳時はパッとしなくても3歳になって上がってきた穴馬は要警戒

人気構成:分散型
1人気3.7倍 レガレイラ
2人気4.8倍 ジャスティンミラノ
3人気6.1倍 ジャンタルマンタル
4人気7.0倍 メイショウタバル
5人気8.4倍 シンエンペラー

スプリングSは有力馬不在、弥生賞も波乱決着(負けた馬の巻き返し)、同コースのG 1ホープフルSの勝ち馬は休養明けだったので中心馬不在になって人気は割れていた。

勝ったのは2人気のジャスティンミラノ。前走の共同通信杯では新馬戦後休養明けで朝日杯 1人気 1着馬を押さえての勝利だった。2歳G 1組を上位人気で勝ってきた場合は人気でも逆らえない。

2着には弥生賞勝ち馬のコスモキュランダ。2歳時点の京都2歳Sでは14人気8着と重賞の壁にぶち当たっていたが、年を越えて2戦目の弥生賞を穴ではあるが勝利。皐月賞ではあまり評価は上がらず15.8倍の7人気だった。皐月賞は成長曲線が交錯するG 1なので2歳時でイマイチだった馬がトライアルで逆転し始めたら、その勢いを買った方がいいのだろう。対して、2歳チャンプのレガレイラ 1人気6着、ジャンタルマンタル3人気3着なので成長曲線を見極めることが皐月賞のポイントになるだろう。


2023年 ソールオリエンス

中山2000実績があるのはアドバンテージ

人気:分散
1人気3.8倍ファントムシーフ
2人気5.2倍ソールオリエンス
3人気6.3倍ベラジオオペラ

中心馬不在で人気分散。
勝ったのは京成杯からの3ヶ月休み明けの2人気ソールオリエンス。過去にもこのローテで3着に入ることはあったものの上位人気での勝ったのは初めてか。皐月賞と同コースということもあり、中心馬不在なら人気でも勝てることを示した。要注意のローテションになりそう。

2着には弥生賞勝ちで5人気のタスティエーラ。弥生賞も同じコースなので勝って人気据え置きの場合には無視できないか。終わってみれば中山2000mの重賞勝ち馬のワンツーだった。きさらぎ賞や若葉S、すみれSなども出走していたが、最高で5着だった(若葉S 1着後)。

3着には 共同通信杯勝ちで1人気だったファントムシーフ。共同通信杯ローテは最近人気になりやすくなっている。ファントムシーフはホープフルS2人気4着だったので成長も見込まれ 1人気でも馬券圏内に入れたか。

4着は馬券圏外だったが、スプリングS8人気3着後で単勝万馬券だったメタルスピード。スプリングSローテでは最先着だった。スプリングSはトライアルだが、距離が1800mなので巻き返しもしやすいローテーションでもある。混戦のときは警戒したい。なおこの馬は2歳時点では未勝利、3歳になってから2連勝しスプリングS3着なので成長曲線は3歳になってから上がってきた感じの馬であることも補足しておく。

2022年 ジオグリフ

2歳時のG I実績あるとトライアル負けても人気落ちないので、皐月賞で人気先行気味になる

人気:分散
1人気3.9倍ドゥデュース
2人気5.0倍ダノンベルーガ
3人気5.7倍イクイノックス

勢力バラバラ気味で中心がどこか掴みづらいケース。

勝ったのは共同通信杯で1人気2着から巻き返した5人気のジオグリフ。朝日杯2人気5着と上位人気軽い凡走続きでメンバーアップで人気ダウンしたタイミングで巻き返した。

2着は11月の東スポ杯 1人気 1着からの5ヶ月明け3人気だったイクイノックス。

3着は朝日杯3人気1着後に弥生賞1人気2着で軽い凡走後、今回 1人気だったドゥデュース。G 1実績もあるとトライアルで負けても 1人気になってしまうというマイナス面はある。


2021年 エフフォーリア

G I上位メンバーを倒してきた馬は人気でも逆らえない

人気:二強型
1人気3.3倍ダノンザキッド
2人気3.7倍エフフォーリア
3人気8.8倍アドマイヤハダル

ホープフルS 1人気 1着→弥生賞 集中1人気3着のローテのダノンザキッド。2021年もだがG 1実績馬はトライアル負けても人気落ちないというマイナス面がある。しかもこの時期は成長度合いが交差する時期でもある。実際にホープフルでダノンザキッドがタイトルホルダーに完勝していたものの、年が明けてからは弥生賞→皐月賞とダノンザキッドはタイトルホルダーに連敗している。今回皐月賞ではタイトルホルダーが2着。この辺りの兼ね合いが皐月賞の難しさだろう。

勝ったのは共同通信杯を上位人気で勝ってきたエフフォーリア。朝日杯の上位人気かつ上位勢力が共同通信杯には出ていたので、そこを初重賞上位人気で0.4差で圧勝していた。それなりのメンツを倒してきたなら、メンバーアップの皐月賞で人気でも通用しやすい。

3着には朝日杯2人気2着→共同通信杯 1人気5着で人気を落としたステラベローチェが入った。G 1実績馬も人気落とせばギリギリ巻き返せる馬券圏内ということはメモしておきたいところ。


2020年 コントレイル

2歳GⅠ馬達が休養明けで上位人気を構成しワンツー決着

人気:3強型
1人気2.7倍コントレイル
2人気3.6倍サトノフラッグ
3人気3.8倍サリオス

2歳G 1を 1人気 1着した馬が2頭休み明け、弥生賞上位人気で勝った馬が3強型の人気を構成。

勝ったのは、ホープフルS 1人気 1着後のコントレイル。2歳G1からの休養明けで特殊な3強人気になったときは新興勢力は台頭しづらかったか。2着にも朝日杯 1人気 1着から休み明けのサリオスだった。

3着はガロアクリーク。スプリングSでホープフルS3人気2着馬を逆転して勝った後だった。同馬はホープフルSでは9人気11着と完敗後だった。今回皐月賞では8人気大穴だった。2歳G 1で大敗していてるものの皐月賞トライアルで巻き返した場合には、フロック視せずに大穴だったらもう一回狙うのもありだろう。成長度合いが交差するG 1ならではの特徴になる。


2019年 サートゥルナーリア

2歳GⅠ馬が集中人気になり完勝(新興勢力の台頭なし)

人気:集中人気
1人気 1.7倍サートゥルナーリア
2人気5.7倍アドマイヤマーズ
3人気5.8倍ダノンキングリー

2020年同様、ホープフルS 1人気1着馬が休養明けで参戦し集中人気と特殊人気。新興勢力の台頭がない兆候で、同馬が人気に応えて完勝した。

2着は若葉S集中人気1着後で4人気のヴェロックス。若葉Sは実績馬は出てこないので皐月賞は急激なメンバーアップになりやすいが4人気と上位人気で人気以上走った。若葉Sが集中人気で完勝していたこと、トライアルが荒れていて皐月賞ではトライアルから上位人気に入っていないこと、休養明けのサートゥルナーリアに人気が集中していて2番手争いが混戦だったことなど条件が揃っていた年だったこともあるのかもしれない。

3着は共同通信杯勝ち後のダノンキングリー。2人気のアドマイヤマーズも共同通信杯 1人気2着後だったが、2回続けてダノンキングリーに負けてしまった。アドマイヤマーズは朝日杯を2人気 1着しているG 1実績馬だが前走で負けて人気が落ちづらいパターンだし、成長具合が交差する皐月賞の性質を考えると、狙いづらいローテーションになる。2歳G 1勝ち馬なら、休養明けで特殊人気を構成して押し切る形の方がいいだろう。


2018年 エポカドーロ

中心馬不在の混戦皐月賞。成長曲線が交錯する時期なのでトライアル負けて人気落ちてもノーマークにできない

人気:やや2強型
1人気3.5倍ワグネリアン
2人気3.7倍ステルヴィオ
3人気6.3倍キタノコマンドール

朝日杯 1人気→弥生賞1人気 1着だったダノンプレミアム不在でやや混戦になった特殊なレース。ダノンプレミアムはダービーで 1人気になっている。そのダノンプレミアムに朝日杯3人気2着だったステルヴィオがスプリングS 1人気 1着後で2人気。また弥生賞2人気2着だったワグネリアンが 1人気だった。

勝ったのは、スプリングSで初重賞3人気2着だったエポカドーロ。2歳時の実績はなかったものの、人気を落としてスプリングSで負けていたステルヴィオに逆転勝利となった。成長具合で人気が落ちれば巻き返せる典型例なので、こういうパターンに皐月賞では注意が必要だろう。

2着も同様、ホープフルS→弥生賞と4着続きで穴ポジションだったサンリヴァルが入った。2戦連続で負けていても人気ダウンならまだまだ狙える皐月賞らしい激走。ただ皐月賞と同コースの弥生賞で負けていると、勝ち切るまではやや苦しくなるのかもしれないので、エポカドーロのようにスプリングSで巻き返そうな馬がいたらそちらを上にみたい。

3着は京成杯 1人気 1着後の休み明けで中穴ポジションだったジェネラーレウーノ。京成杯は 1月のレースであることや、皐月賞と同コースなので、有力馬不在の年で穴ポジションだったら無視できないローテーションだ。


2017年 アルアイン

牝馬の人気が抜ける異常な年は波乱の予兆?

人気:やや分散
1人気2.4倍ファンディーナ
2人気7.0倍スワーヴリチャード
3人気7.2倍カデナ

牝馬が 1人気の珍しい皐月賞。混戦時にどんな馬が来るかがわかるレースになりそう。
またこのときはホープフルSはG 1にはなっていなかった。

勝ったのは9人気アルアイン。毎日杯2人気1着後だったがアナポジションだった。2着にはアーリントンC勝った4人気のペルシアンナイト。アルアインには1月のシンザン記念で人気先着していた。1月上旬後に成長するので勝負付は済んだと見るのは早計かもしれない。

混戦も前走重賞勝ちの2頭がワンツー。とはいえ共同通信杯勝ち後の2人気スワーヴリチャードやスプリングS勝ち馬の6人気ウインブライトは馬券圏外だった。この辺りは判断がとても難しい。

なお、アーリントンCローテは2018年からは開催時期が変更になったので今後出てこないので注意。

3着には弥生賞5人気3着後の大穴タンビュライト。弥生賞組では最先着した。朝日杯では2人気13着だったので2歳時にはそれなりに人気を集めていた馬ではある。


2016年 ディーマジェスティ

2歳GⅠ馬も崩れ出す狭間のGⅠ。成長度合いを加味して軸を決めるべし

人気:3強型
1人気2.7倍サトノダイヤモンド
2人気2.8倍リオンディーズ
3人気3.7倍マカヒキ

朝日杯2人気1着のリオンディーズは弥生賞に回ってマカヒキと接戦。弥生賞組2頭が3強に入ってやや中心となった。この2頭の人気争いに入ったのはきさらぎ賞集中 1人気 1着後で珍しいローテのサトノダイヤモンド。3着になんとか入った。

勝ったのは、最近だと人気ローテの共同通信杯穴激走後のディーマジェスティ。今回も8人気とアナポジションだった。

マカヒキは2着。朝日杯勝っているリオンディーズとの比較だと成長曲線を考えると、初重賞の弥生賞を人気で勝ったマカヒキの方が上に来るのだろう。


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