破天荒なおかまども。
わたしの友人の性転換者(Male to Female)共はなんだかすごいやつが多い。
中学の時に洗脳について学びたくて家を飛び出し、集団で生活をする宗教団体に飛び込んだ関西の美女。こいつは頭が良過ぎて世の中の真理みたいなものを見てしまった雰囲気がある。
実際「私、頭良過ぎてちょっとおかしくなってしまった。」って屈託の無い笑顔で呟いてたのを見た事が有る。
たしか高校くらいまでは一生懸命男であろうと丸坊主で野球をしていたはず。みんなに内緒で学ランの下にパンティを身につけながら。その後はイギリスの有名な大学に留学。女装して(本当に顔立ちの整った子なのでホルモン注射など打っていなくても女に見えた)暮らして、日本に帰ってきてからは30歳近くまでゲイコミュニティで出会いを探しながらサラリーマンをしていた。でも自分はやはり男性と付き合いたい男性ではなく女として生きていきたい人間なんだと再確認。その後すぐにタイに飛び性転換手術をした。
二人目は…
日本で一番大きな「女装・ニューハーフイベント」を10年前くらいに立ち上げた東京のカリスマ。本当にカリスマと言うのが陳腐ではないくらいの存在。その他、飲食店を経営したりウェブ制作をしたりマンガを書いたりとにかく色々な事をやっている。
わたしが性転換に興味を持ち始めたとき、インターネットで彼女を見つけた。色々な性転換者を見たけれど彼女が一番素敵だった。単純にこの子みたいになりたい。そう思った人だ。すごくエッジィでセンスが良くって可愛い女の子にしか見えない彼女。
未だに憧れは抜けず、どこか見上げてしまって心から友達と思えないところに自分の凡人さを感じる。
そんな彼女は躁鬱が激しい。この前、ビルから飛び降り自殺をした。結果は生きてる。1回目の自殺未遂はわたしの知人が発見しその後、病院に連れて行った。2回目の自殺未遂をした時はこれまたわたしの友人がずーっと付き添っていた。その時は「無責任だけど生きていて欲しい。」って一言メールを送った。その返事は「ありがとう。うれしい。でもラクになりたいんだーーーー!!」って。
可愛くて。お金にだって困ってなくて。人が羨む才能があるのに。死にたいって思うんだな…人間の幸せってなんだろうな…って考えさせられた。
わたしは共通の友人に、この子のスケールダウン版だなっ。て言われました。プライドのカタマリみたいなわたしが「まあ、失礼な。」って心から思えず、その言葉でさえちょっと嬉しかったくらいなのに。
うーん。幸せってなんだろう。
つづく。