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モニュメントバレーの夕焼け、夕闇、そして星

モニュメントバレーには、巨岩群を眺めることができるポイントがある。日中は、多くの観光客でにぎわうスポットだ。

夕日が沈んだ後、でもまだ、太陽が真紅ではなくオレンジがかった時にいったら観光客のグループはすでにいなかった。

そこにいるのは、今、2人だけ。

暮れていく空を見ながら、「小さい頃はここが遊び場だった」というネイティブ・アメリカン部族のナバホ族の人とことば、音楽、自然の畏怖について語り合う。

「あ、星が出てきた」といわれて顔をあげる。

太陽、星、月、空、土、風、そして大地がせまってくる感覚。

「人間って本当にちっぽけだよね」と、無意識につぶやいている自分がいた。

「でもね、ここは長い年月をかけて水と風だけでできたんだよ」という言葉を聞いた瞬間、夜風が、赤い砂を巻き上げることなく、やさしく吹いていった。

雨の一滴が、風のひと吹きが、幾度となく、幾度となくこの大地に降り立った。少しづつ、少しづつ。

今、私が目にしているモニュメントバレーも、完成形ではなく、これからも形を変えていくだろう。

進もう。

一歩、一歩。

小さな、確実な力で。


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鎌倉幸子
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