エンディング業界、今後どうなる!?業界最大級のイベント「エンディング産業展2021」を通じて考える
みなさんこんにちは!広報担当の古屋です。
明日6月11日(金)まで東京ビックサイト青海展示場にて開催中のエンディング産業展を通じて、エンディング産業の今後を予測していきます。
今回はエンディング業界への転職・就職に興味があるけど、「この業界の未来って実際のところどうなの?伸びるの?」という方の参考になれば幸いです。入門レベルの内容なので、いままさに勉強中!という方にお読みいただきたいです。
エンディング産業展とは?
葬儀・埋葬・供養などの終活と神社・寺院向け設備・用品・サービス及び石材・墓石に関するあらゆる設備・機器・サービス・情報が集まる日本最大の専門展で、今年で第8回を迎えます。
来場者と出展ブースの推移
2018年までは一般入場も可能でしたが、から2019年からは完全に事業者向けの展示会へとシフトしたことで、若干の来場者数の減少が見られます。
その他、6月9日(水)~11日(金)の3日間で約50の講演会が開催されます。弊社も3講演の枠をいただきました。
★ 都内の火葬場運営を行う東京博善を完全子会社化した廣済堂 根岸 千尋と弊社社長の小林史生との対談
★ 急成長を遂げている弊社の新サービス「いい相続」の実態や今後の展望についての講演 他1講演
などなど、本日大盛況のうちに終了しました。
(イベントレポートは機会があればまた後日……)
エンディング・フューネラルビジネス
ところでみなさん、エンディング業界にはどんなイメージをお持ちでしょうか?
正直なところ、「なんか暗そう」「古い」から、「考えたこともない」という方が大多数なのではないでしょうか。
でも、日本では数少ない「成長が約束されている業界」と言っても過言ではないんですよ!
死亡者数は2040年まで増加、ご葬儀の件数も増加
日本の総人口は減少の一途をたどり、厚生労働省「人口動態統計」によると、年間死亡者数は2040年まで増加する予測されています。
つまり、ご葬儀の件数は増え続け、それに関わるご遺族も増え続けるため、ビジネスチャンスが広がります。
シンプルな家族葬・直葬が台頭し、単価は減少
ご葬儀はこれまで、「故人の死を社会に知らせる」ことを目的としていました。
そのため、生前関わりのあった仕事仲間や取引先、友人、町内会の知人などに訃報を知らせ、大勢が参列されました。
しかし近年は「家族で見送る場」という認識へと変化しつつあります。
★ 高齢化が進んだことで参列する世代も高齢になり、参列者が減ったこと
★ 親子が離れて暮らすことから生前の親の交友関係がわからないこと
★ 子どもに迷惑をかけたくない、子孫にお金を残したいという親側の配慮など
これらが関係し、結果的に参列者は親族と一部の友人のみという、いわゆる「家族葬」スタイルが選ばれ、単価は減少・もしくは傾向にあります。
そして2020年は新型コロナウイルスの影響もあり、三密を避けるため、さらにコンパクトに、10人未満でご葬儀を執り行うケースも増加しています。
結果、市場規模はゆるやかに拡大
フューネラルビジネスの市場規模は現在1.8兆円程度です。
前述の通り、単価は減少傾向にあるものの、件数は増加傾向にあるため、ゆるやかに拡大していく兆しです。
同規模だと、航空機産業、ホビー、理美容があるようです。
市場規模マップ | visualizing.infoより引用
中には、2023年には2.1兆円を超えるとの予測もあります。
終活ビジネス研究会 市場規模予想より作成
今後、エンディング業界はどうなる?
さて、エンディング業界に馴染みのない方も多いかと思い、前提のご説明に時間を割いてしまいましたが、いよいよ「今後どうなる?」のパートです。
今後の予測のためには、やはり業界の最先端トレンドが集まる年に1回のイベント「エンディング業界展」がマストです。
約400社の出展ブースの説明文全てに目を通してみました。
注目ワードは、葬儀アフターサービスとIT・デジタル
次点で手元供養とペット関連、という印象を受けました。
★ 司法書士法人コスモグループ
全国に13拠点を展開しており、各拠点で相続手続き・相続対策の相談を承っております。代表山口は、相続に関連する書籍を13冊出版しており、また、関係法人の、シニアライフの困りごとからお葬式やご供養まで高齢者のさまざまな相談窓口となる「一般社団法人日本リレーションサポート協会」と共に、ワンストップでお客様の終活のサポートを行える体制を整えています。 ※ブース紹介文より引用
★ víz PRiZMA
víz PRiZMAでは、あなたの瞳(虹彩)のデータをもとに、あなたと一緒に制作をし、バーチャル空間に納め、あなたの“生きた証”を想いをこめた藝術作品として未来へつなぎます。 ※ブース紹介文より引用
葬儀アフターサービスとはご葬儀後に発生する事項のことで、大きく2つのパートにわかれます。
1つ目は、供養に関わるもの
具体的にはお墓の購入やご位牌の準備、法要などを指し、ご葬儀との連動性も比較的高いことから、葬儀社がフォローすることも多いです。
2つ目は、死亡・相続に関わる諸手続きのこと
役所、銀行、保険・不動産会社などとのやりとりが必要になります。
このような分野は法律が関係することや、ネットバンクやクレジットカードなどのデジタル遺品など、ご遺族ですら知らない情報も多いため、葬儀社には馴染みがありません。
しかしお困りのご遺族は非常に多いのが現状で、ここ数年で一気に業界全体での課題感が浮き彫りになった気がします。
さらに、ご葬儀は個人消費であるにも関わらずリピート率が非常に低いことが特徴の1つです。
選ばれ続けるには、死亡・相続の諸手続きなど、ご葬儀以外にもあらゆるサービスを充実させ、お客様との接点を持ち続けることが大切になってきます。
そのため、今後葬儀社は「単なる施行会社」を超えて、「終活(生前)からアフターケア(相続やその後)までをトータルサポートするパートナー」へと転換していくと考えられます。
金融・保険・不動産会社での実務経験が活きる
今後は、生前から終活、さらには供養(死後)の流れが非常にシームレスになっていきます。
実際にメガバンクや生命保険会社でも、終活周辺事業を開始している企業は増えており、弊社も各社と業務提携を発表しています。
顧客基盤が多く、顧客の平均年齢も高い企業が終活全般に参入する事例が増えています。
もしこれを読んでいるあなたが今、金融、保険、不動産、さらには介護、家事代行など、「おかねのこと」や「からだのこと」に関わる業種・職種に就いている場合は、きっとこれまでの経験を活かすことができます。
例えば、鎌倉新書では下記のポジションにあたります。
また、長いスパンでお客様と接点を持つため、顧客管理システムの運用経験、CRM、CX向上の取組経験、デジタルマーケティングの知見なども重宝されます。
鎌倉新書では下記のポジションにあたります。
ちなみに鎌倉新書は中途が9割近いのですが、今後も確実に進展していく社会課題に挑戦できるという終活市場の魅力や、供養業界の中とも外と取れる絶妙なポジショニングを魅力に感じ、ジョインしてくれています。
異業種から転職したメンバーのインタビューも、ぜひお目通しください!
個人的にはそろそろエンディング産業もサステナブルに挑戦してもいいのかなと思ったりもします。
いかがだったでしょうか。
今まさに転換期を迎え、進化を遂げるエンディング業界。
未来は、間違いなく明るいですよ!