子どもたちの困った!つらい!を素早くキャッチ~「子どもSOS相談フォーム」を開始しました
教育長の岩岡です。
進路や性格などの「自分のこと」、友人関係やいじめなどの「学校でのこと」、家族の病気・介護などの「家庭でのこと」など、子どもたちの悩みは多様です。
自分で考えたり、身近にいる家族や友人などに相談したりして、乗り越えることもありますが、自分で解決することが難しく、身近な誰かに相談することに抵抗があるような悩みを抱える子どももいます。
これまで教育委員会では、生活相談アンケートやスクールカウンセラーの活用に加え、教育相談員による電話相談窓口の設置や「いじめ相談ダイヤル」、「いじめweb相談」などを行ってきました。
しかし、子どもたちは何とか現在の環境に適応しようとがんばり、相談のタイミングが合わない・ハードルが高いと感じると、つらい気持ちを自分の心の中に押し込めてしまいます。
このようなことから、いつでも簡単にSOSを出せるような仕組みが必要と感じていました。
そこで、新たに「子どもSOS相談フォーム」を立ち上げ、子どもが思い立ったそのときに、対面での相談をリクエストできるようにしました。
具体的には、市立小・中学校の子どもたちに1人1台配布しているタブレット型端末に「子どもSOS」というアイコンを配置し、子どもが相談内容や相談相手(学校の先生や教育相談員など)を選び送信すると、教育センターが子どもと相談相手をつなぎ、一緒に悩みを考えていくという仕組みです。
相談内容がまとまっていなくても、低学年の子どもでも、簡単に入力できるよう設問を工夫しています。
この取り組みを通じ、1人で悩む子どもたちが、いつでも学校の先生や教育相談員に相談できる環境があることに気付き、安心して学校生活が送れるようにするとともに、周りの人とのつながりや対話の中で悩みを解決していくことの利点に気付き、自らSOSを発信できる力を育みたいと考えています。
今回の「子どもSOS相談フォーム」は、学習の場面以外での教育ICTの活用の一事例です。
これからも、子どもたちと同じ視点に立ち、寄り添うことができるよう、さまざまな取り組みを進めてまいります。
(広報かまくら 令和4年6月1日号 掲載文に加筆)