鎌倉の地元民に愛される「普通のごはん」のお店、sahan
鎌倉に店を構えて40年の洋菓子店、レ・ザンジュのスタッフがおすすめの鎌倉グルメを紹介する連載企画「 #鎌めし 」。記念すべき初回は、さまざまなメディアでも紹介され、11月に12周年を迎えるお茶とごはんのお店、sahanさんです。
観光地の鎌倉で、地元のお客様のほうが多いというsahan。10年以上のあいだ地元民に愛され続ける理由を探るべく、店主の髙階さんに忙しい合間を縫ってお話を伺ってきました。
レ・ザンジュスタッフがsahanをおすすめする理由
鎌倉駅西口から線路沿いに徒歩2分ほど、レ・ザンジュ 鎌倉本店に向かう道の途中にあるお店がsahanです。連載の記念すべき第1回にここを選んだのは、レ・ザンジュのご近所であること以上の理由があります。
レ・ザンジュが作るお菓子はお祝いやちょっとしたご褒美など、なくても困らない、いわば嗜好品。その嗜好品を楽しむことができるのは、毎日のおいしい食事があってこそ。そんな生活に欠かすことのできない日常的な食事を、sahanの店主、髙階さんは日々丁寧に提供されています。
その姿に魅了され、レ・ザンジュのお客様をはじめ、一人でも多くの方へぜひ紹介したいと思ったのが、今回お声がけをさせていただいたきっかけです。
sahanとは、日常のごくありふれたこと
店名の「sahan(サハン)」は、お茶とごはんの「茶飯」のこと。家庭における日常の食事を意味する茶飯は、そこから転じて「日常のごくありふれたこと」を指す言葉としても用いられています。
「なんでもない毎日の普通の生活。でもそれが一番幸せでありがたく、必要なこと。sahanはそんな『普通のこと』を大切にしたいという思いから始まりました」と、店主の髙階さん。
髙階さんの言う「普通」のごはんは「きちんとした」ごはん。彼女が作る定食の献立は決して派手さはないけれど、食材や人への思いやりを感じるものばかりです。食べたあとに笑顔で「ごちそうさまでした」と言いたくなる、そんな幸せな日常の1ページを、sahanで過ごすことができます。
好きだった鎌倉へ移住し「普通のごはん」を届ける
いまや鎌倉という土地に心地よくなじむsahanですが、お店を営む髙階さんは、実は関西生まれ。関西に暮らしていた頃から鎌倉が好きで、思い切って転居。そんな大好きなこの地で、日々の普通のごはんが食べられるお店を作りたいと思い、いまの場所に店を構えました。
実際、sahanのお客様は市外から観光で訪れた方よりも、地元のリピーターが多いんだとか。シンプルでおしゃれな内装を見ると若いお客様に好まれそうな印象がありますが、年配の方も多く、健康的な献立は女性お一人のお客様からも好まれているそう。
年齢を問わず、自分で作るのはちょっと大変な家庭の味を楽しみに訪れるお店が、sahanなのかもしれません。
レ・ザンジュのスタッフにとっても、sahanは仕事の合間や仕事終わりに一人静かに食事をとる「リセットの場」。いつどのメニューを食べてもやさしい味わいで、疲れているときこそsahanへ行きたくなるのは、鎌倉駅周辺で働く人あるあると言えるかもしれません。
鎌倉駅のホームを眺めながら楽しむ食事
sahanを紹介するときに外せないのが、窓からの景色。駅からほど近い線路沿いの2階にお店があるので、鎌倉駅のホームがどの席からも一望できるのです。行き交う人々や電車を眺めながら食事やお茶を楽しむことができ、一人で来たときも退屈しません。
鎌倉は観光地であるとともに、長く住んでいる方や移住した方からも愛される町。老若男女が鎌倉駅を訪れ、電車を乗り降りする様子を眺めると、さまざまな人の暮らしが伺えておもしろいものです。
バランスにこだわった一汁三菜の定食
sahanの献立は丁寧かつとってもシンプルで、その日に提供される定食は1種類のみ。一汁三菜で、できるだけ旬の食材を使い、食材と味のバランスが良いものを提供できるようにと考えられているそうです。
10月のメインは、きのこにお米を付けて揚げた、揚げまんじゅう。柿を使った白和えとともにいただけます。秋は根菜やきのこを使ったメニューが多いそうなので、食欲の秋で食べすぎておなかがちょっと疲れたときなど、やさしいごはんを食べに訪れてはいかがでしょうか。
食事に、お茶に、sahanで過ごす幸せな日常
ごはんをいただくのはもちろん、カフェとしても利用できるsahan。駅から近いので休憩にもおすすめです。開店当初から人気のチーズケーキや珈琲・紅茶・ジュースなどの飲み物、アルコールのご用意もあるので、思い思いの時間を過ごしてくださいね。
そんなことを書いていたら、sahanのごはんが恋しくなってきました。この記事を書いている8月は、暦の上ではもう秋。いち早く秋を感じに、旬のお食事をいただきにsahanを訪れたいと思います。
よろしければ、sahanさんから目と鼻の先のレ・ザンジュでお土産もどうぞ。