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スターバックスのリユース容器循環型プログラムを体験してみました

スターバックスの容器循環型プログラムって何?


11月22日(月)本日より東京都内・丸の内エリアのスターバックス10店舗でリユースカップの循環型プログラムがスタートし、早速使ってみました。この実証実験では、廃棄物を削減し、カップをリユースする文化の定着目指しています。

コーヒーのテイクアウトというと、使い捨て容器で出されるか、マイボトルを持ち込むかのどちらかが通常かと思いますが、リユース容器を借りて使い終えたら返すという新たな選択肢が出てきました。マイボトルを使っている人はもちろんそれで良いのですが、洗い忘れたり、持ってき忘れたりしたときに便利です。また、マイボトルを持ち歩くのが面倒だと思って使い捨て容器を使っていた人が、これならいいかもって思ってもらえるかもしれないですね。

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Re&Goを実際に使ってみた


東京駅丸の内地下口の改札を出ると目の前のスタバが既に実施していました。ちょっと控えめにPOPが置いてあったので、よく見ないと見落とします。グランスタ丸の内店を素通りし、本日の打ち合わせ先にもっと近い丸の内オアゾ店で早速試してみます。まずはQRコードを読み込んでRe&Go(今回の容器&アプリはRe&GoというNISSHA株式会社とNECソリューションイノベータ株式会社が提供)を友だち追加。

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基本的に普通のLINEアプリを入れるのと同じで特に戸惑うことなく(強いて言うなら利用規約がメチャクチャ長いくらい)、1分もあれば登録完了。詳細の流れは下記POPご参照下さい。(このPOPが無いところもある)

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店員さんに、「ホットのドリップコーヒー、トールサイズ、テイクアウトで。このリユース容器のやつ使ってみたいんですけど・・・」と言うと、「承知しました。このQRコードを読んで下さい」とスムーズに話が通じる。初日なのにさすがです、スタバさん。容器のQRコードを読み込むと下記画面が出てきて完了。返却期限までにご返却下さいとのこと。

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店員さんから一点だけ補足があり、「蓋が閉まるタイプではないので持ち運びにご注意下さい」とのこと。
(内部事情を勝手に推測すると、開閉式にすると、凹凸が増えて、洗浄しきれないリスクが有るため、洗いやすい形状に割り切っていると思われます。)

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渡されて思った点は、ステンレスのカップ初めて使ったんだけど、ずっしりしていて安心感があり、二重構造になっていると思われ全然持つ場所が熱くならない!そして買って一時間経つ今でも温かくて保温効果もばっちり!

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仕事前にコーヒー買って、帰り際に返すっていうのは普通に便利なユースケースだと思います。あ、あと大事な点を言い忘れていました!
リユースカップを使うと、マイカップ割と同じ20円(正確には消費税も入れて22円)割り引かれます!
まあ本当は、カップ容器代は、使い捨ての場合が店舗が負担していて、マグカップ等を持参した場合その費用がユーザーに還元されるのは理にかなっているけど、このリユース容器が割り引かれるのは誰かがその費用を負担しているということなんです(今回の場合は「プラスチックの持続可能な利用」に向けた新たなビジネスモデル事業にて最大1500万円の助成金が東京都から出ている模様)。これは正直お得!

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以下個人的な感想と考察

スムーズに借りられ、容器の保温性もよく、さらに割引もありユーザーとしては満足です。ユーザー視点ではなく、事業者視点なのですが、今後気になる点はここらへんです。
・返却の利便性向上&ビジネスモデルの構築
海外では既にこういったサービスが多数出てきています。最も有名なのが環境先進国ドイツのRecupで既にドイツ国内で9000弱のスポット登録があります。これはユーザーは1euroのデポジットを支払って、返却時に1euro返してもらう仕組み。飲食店側から月額制で利用料を取っています。その他では、初回にクレジットカードを登録して、ある一定期間返却が無いと課金されるサービスもあります。今回のサービスの場合、LINE登録のみなので、ある程度の性善説から成り立っています。今後普及していくとともに改善が必要だと思います。
・衛生面での不安の解消
Yahoo記事のコメントを見て多かったのが、「知らないヤツの口にしたカップを使うのが嫌」。イートインでマグカップ使うのと同じでは?と思うけど、気になる人はある一定数いる模様。
これは洗浄プロセスを丁寧に説明しつつ、「誰が知らない旅行者を自分の家に泊めるんだ」と言われつつ普及していけば気にならなくなったAirbnbのように、知らない人が使った容器を洗浄して使う文化が徐々に浸透していく感じだろうか。ちなみに先程のRecupでも、そういう方対策なのか蓋は個別に販売しています。
・環境効果の提示
同じくヤフコメで多かったのが、返却された容器を洗浄施設に輸送し、洗浄して、店舗に送り返すほうがよっぽど無駄なのでは?という意見。ここは1月に「使い捨て容器と比較したCO2排出量を公開する予定」とあるが、ライフサイクルアセスメント(LCA:Life Cycle Assessment)、製品を作って使って捨てるまでの環境負荷を示すこと、の提示が必要です。プラスチックのリユース容器の場合、6.3回使えば使い捨て紙コップよりもエコであるという結果がありますが、ステンレス製&輸送があるのでもっと使い回してやっとCO2が同等になる程度でしょう。下記がざっくりとしたイメージ図。

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独自作成LCAイメージ図

まとめ

長くなりましたが、今回のスターバックスの実証実験は、課題は色々あるものの素晴らしい取り組みだと思います。マイボトル所持者が持ってき忘れちゃったときに使ったり、マイボトル持つのは面倒くさいけど、これならいいかなって人が増えて、リユース容器の裾野が広がればいいですね。(下記完全に独自のイメージ図です)


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独自作成イメージ図:Before Afterのユーザー像

ちなみに環境先進国ドイツでは、テイクアウト時にリユース容器の選択肢を客に与えられなくてはいけないという法律が2023年から施行予定です。日本でもレジ袋のように、使い捨て容器は有料になる日も近いのでは?今回の実証実験を通して、環境問題を考える人が少しでも増えたらいいですね。

最後に

まあ偉そうに批評しましたが、かくいう自分もテイクアウト弁当のリユース容器シェアリングサービスMegloo(メグルー)というサービスの実証実験やっています。指摘ポイントは全て自分ごととして受け止めております。言うは易し、行うは難しではありますが、実直に進めて行きますので、こちらもどうぞ宜しくおねがいします。



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