濁流
ホテルには中庭が設えてあってそこの少し傾斜の降りたところに川と言うにはあまりにも心細い太液体をこぼしてながれでてしまったようなみずのながれがある。まだ流れの先端の球形になっているところを追えるような頼りないがどこか物静かで綺麗な清流だが、なるほどホテルの従業員のいう通り朝に雨が降るとさまざまなものを飲み込む濁流となっている。周囲の泥の茶色、砂の白色、いろがかさねあいまざりあいえもいわれぬようないろとなっている。濁流の周囲は苔が生え、すべりやすく、見ているものが吸い込まれていくような濁流を見るうちに成田は既視感を覚え、ぼうとみるうちに視界が重ね映しになった。ふと気がつくと成田は記憶を辿るたびに出ていた。目の前にあるのはラーメンのどんぶり、そして全てを飲み込みそうな家系のスープ、とんこつの白、カエシの茶、他の出汁も合わさり絵も言われぬ色合いが完成されている。スープもまた、さまざまな人の思惑が混ざっている。成田は一人、考えに耽った、スープも出汁材それぞれに生産者が居カエシの醤油や味醂にも人々の手が加わる。どんぶりには、鶏油によって様々に表情を変える自分がいる。じぶんもまた濁りの一つかと、思うと同時に「かんまくりですね!!」「ありがとうございます!!」突然の声かけにはたと気がつく。濁りかと自分の姿に悍ましさを感じながらも毎日ラーメン健康生活は自分が選び取った生き方に他ならず改めて意志を固めた。
毎日生活ラーメン健康生活と銘打ちYouTuberを生業として早10年近く程よい運動でなんとか健康は保ち登録者も100万を超えてへんなモノマネも流行ったぐらいだ。自分でもここまでようやく来たと思う。こうして撮影外でふらっと立ち寄ったラーメン屋でやっと息抜き出来た隙間にこの閃きが滑り込んできた。嫌な予感として流したい。ふと通知が飛んできた。