歌舞伎町から来た男
「まきさんって東京の感じがして好きです」
昨日、一人で立ち寄ったバーで言われた。
店内にはクラシックが流れている。田舎のバーでは珍しい。
私にそう言ってきたのは23歳の男の子。
去年まで東京の歌舞伎町で働いていたそうだ。
東京に住んだことなどないのだけど、どうやら私からは「東京」が出てるらしい。多分「二丁目」の間違いだと思う。
お仕事が上手くいかず色んな職を転々としているそうで、マスターに「お前しっかりしろよ!!」とかなり強く叱られていた。
そんな彼を慰めながら飲み続け、酔いつぶれた彼をタクシーに乗せて家に帰ったのは朝の4時。
こんな見事なダメ男くん、久々に出会った。
マスターが彼を叱る言葉は全部正論で、大人として大切なこと。
彼の返事の頭には必ず「だって」が付く。
あーゆー男は変われない。付き合ってろくな事はない。
と、このnoteを書きながら小倉行きの電車を待っている。
昨日そのダメ男くんと映画を見に行く約束をしたのだ。
だってしょうがないじゃない。
男前なんだもん。