不惑、とはいかず

あと2週間で39歳になる。早生まれなので実際には40歳の年だ。

今年は大河ドラマ『光る君へ』にハマるなど、順調にババアへの道を歩んでいる。正月はひとりで宇治に行こうと思う。聖地巡礼というやつだ。

見た目も心も順調にババアになっていく私だが、ここ最近、心が落ち着かない。

落ち着かないというか、心ここに在らず、という感じ。

たぶん大河ドラマのせいだろう。恋愛に毒されてしまった。

過去の恋愛に思いを馳せては

「あのとき、こうしていたら」
「あの人と一緒に生きると決めていたら」
「今頃どんな人生だったんだろう？」

と、仕事中も家にいる時も、ついぼーっとしてしまうことが多い。

今に不満がある訳でもなく、充分に幸せを感じているのだが、なんとなく。

「もしかしたらあったかもしれない、別の人生」

これまでそんなこと考えもしなかったのに、不思議なものである。間違いなく大河ドラマの影響だろう。観なきゃ良かったかもしれない。

仕事の方は、いい人たちに支えられているお陰で、リーダーの私がこんな体たらくでも上手く回っている。

「息をすれば病む」という感じにメンタル不安定だったあの腐女子ちゃんも、今ではひとつの店舗を任せられるようになった。

アルバイトの教育に手を焼いているそうで、愚痴を聞いてやろうと、昨日腐女子ちゃんのところに行ったら

「もう2年も(セックスを)していないです」

と、いきなり。まだ朝の9時よ。

「でもいいんです。昨日！ガチャを23回まわしてこれゲットしました！」

万遍の笑みで、彼女が最近お気に入りのアニメのキャラクターを見せてくれた。

2年間ご無沙汰で、深夜にガチャ回して喜ぶのはあんたちょっと不味いわよ。とは言えず。