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ミステリじゃなくてファンタジー(異世界の名探偵 首なし姫殺人事件)

読書記録。

探偵×幻想 は推理ものにはできないよね…

「異世界の名探偵 首なし姫殺人事件」は探偵小説だし、ファンタジー小説です。
でもミステリーかと言われると、うーん。
首を傾げてしまいます。

探偵が活躍するので、探偵小説であることに間違いはありません。
みんなを集めて推理ショーを始めるシーンもあります。
ある事件における探偵の活躍を描いた小説です。

かつ、ファンタジーのジャンルに属すお話です。
魔法使いが出てきますし、どうやら不思議な生物もたくさんいるようです。
オークとかエルフとかもいるみたい。

この2つを掛け合わせて、推理ものーーーはやっぱり難しいんだろうな。
と感じさせる小説でした。

いや、そんな推理できないでしょ。っていう推理を探偵がするんです。
だって世界観が違うんだもの。この小説内の常識は、私たちが住んでいる世界の常識外にあります。

「そこが今作の叙述トリックなんですよ。」
と言われればそんな気もするのですが、
いや、やっぱりそれはやっちゃダメでしょの連続なんですよね。

推理させるなら「魔法」とか「魔法みたいな道具」は無しにしないとよくない。
なんでこんなにこれを強調してるかっていうと、この作品途中で「読者への挑戦状」として、作者から読者に「推理してみろ!」というページがあるんですね。

いや、できないよね。
だって、こっちの世界と違う仕組みのものがひょいっと出てきてしまうんだもの。
こっちの世界ではできないことができてしまうんだもの。
その仕組みも、その能力も知らないんだもの。

でも、ファンタジー小説及び探偵小説としてはとても面白いです。
文章がしっかりしていて読みやすいし、起承転結も分かりやすい。
その後のお話が無料公開されていて、読んだのだけど、本当によく考えられてる。
この首なし姫殺人事件のクライマックスは「え。なにそれ。」
っていう展開を迎えるんですが、それは他のお話に繋がってるんです。

まとめると「推理はできないけど面白い小説」でした。

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